タミフル耐性が多いという報告なら仕方ない。大騒ぎせず、今後はリレンザの処方に傾く。Aにしか効かないアマンタジンは敬遠しがち。

 http://glaxosmithkline.co.jp/healthcare/medicine/relenza/index.html

 タミフルは乱用されていたわけではないが、予防投与もけっこう量を使うので(通常は5日に対し、予防では半量を10日間)耐性に一役買っていた可能性もあるのだろうか(単に海外からの耐性流入だけでなく)。

 リレンザは大人と小児で量が同じ分、タミフルと違って使い勝手が便利。吸入法も難しくないが、行儀よく吸わせないと意味がない。予防はタミフル同様、通常の半量を10日間。

 もちろん、(頻回使用につれて)今後はこちらも耐性は生じてくる可能性はある。

 これらの薬剤は在庫が厳しめに管理されているため、予防投与を積極的に勧めているところはあまりない。でも自分なりに調べて(予防投与が)必要だと思えば申し出る必要がある。

 予防投薬の適応↓
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/series/drug/update/200702/502375.html


 

試験シーズン

2009年1月16日 連載
 この時期になると、毎年同じことを書いているような・・・<デジャブログ症候群>と名付けよう。処方は1ヵ月以上のネット中止もしくは10万円以上の罰金。

 センター試験はそうそう、こんな寒い時期だった。えっ、今年の医師国家試験http://www.mhlw.go.jp/general/sikaku/1.htmlはバレンタインデーにやるのか!と意味もなく驚いてみる。

 ところで話が全然変わるが、日本医療政策機構というところで発火した物議はこれ?(http://hpij.exblog.jp/10052772/

 熱意のある文章は好きだ。おそらく今までの不満の蓄積が、何かのきっかけで爆発したんだろう。ただ残念なのは、It’s true A but Bの文章が見られない点。ひたすらE=mc2の文章(不満の分だけどんどん爆発する)だ。気分が悪くなり、読むのを途中でやめた。

 そりゃ昔の医師は良かった・・かもしれないが、医療の未発達なりに(患者への)デメリットもあったはず。それと「自分がいいからいいのだ」、という態度を自分勝手と否定しているが、それはそのまま自分のことを言っているように思える。デリカシーがない。

 ときには以前を振り返って、ある検査が発達してなかったために診断に至らなかった、治療に至らなかった自責の経験とかあったと思うんだが。

 ふと立ち止まり、現在の自分に疑いをかける。文章でも同じ。そして軌道修正。それができないから、経済も医療も崩壊するんじゃないのかな・・・。



 でもいい内容の文もある。読み手は、有効なものを頂いたらいいと思う。


 

 医者にも旧ボンドファンは多い。高級外車+高級スーツに高級料理。急な呼び出しに医局秘書。実際には旧ボンドのように華麗な世界がないにしても、仕事が終わってカッコよく立ち去るその様は、まるで旧ボンド映画のラストシーン(中年以上の医者が良い)。

 自分の場合は、病院を出ると(夜7~8時)いつも誰かが立っているのに出くわす。たいていナース数人で厚化粧。これから飲みに行く予定の連中だ。飲み会を断り、数歩進むと・・・そのうちの1人が携帯で話している。

「うんわかった!ああ先生!ちょっと待って!病棟に今すぐ戻ってって!」
「・・・・・」
「走る走る!」
「(駆け足)」

 ジェームズ・ボンド・ウィル・リターン。

 

 吉幾三の「おら東京さ行くだ」に♪レーザーディスクは何者だ?という歌詞があったが、ほとんど世間に認知されずに収束した感がある。特に女性にウケなかったのは痛い。

 ただ、ジャケットにはすこぶる満足感があった。時々取り出したり、部屋に飾ったり・・・。レコードと同様、鑑賞してなくとも音楽・画面の余韻と共存しているような感覚だ。

 DVDで未発のLDもあるが、自分がたまに欲しくなる<ジャケット>ものに12インチシングルというものがある。中でも吉川晃司の「モニカ」~「レインダンス」あたりは思い入れが深い。CDで限定で出たようだが、これはやはりアナログ盤の溝を通して聴きたい。

 で、オークションで探すと・・安い安い(数百円)!世間とズれていると、妙に得した気分になる。

 オシゴトハ、アト、ゴジカンデ、ハジマル(懐)!

 造反組が注目を浴びている。これにはもちろん、再選挙に備えての売名・・・というメリットを見込んでのことだと思う。

 病院でも必ずいくつかの組織が対立しており、微妙なバランスで成り立っている。お互いに境界線をひいて直接的な行き来を無くすことで、それぞれの統治が安定する。

 ところが、たまに突然変異のように反乱を扇動する者が出てくる。たいていそれは末端で、上層部は変えるまい、変えるまいと抵抗し続ける。

 この上層部の抵抗がなかなか手ごわいのだが、なるほどそれなりに長期間勤めているだけのことはある。

① 態度で威圧(有無を言わせない態度)⇒ 相手の思考を真っ白に
② 無反応(黙秘権) ⇒ そのうち相手の発言にアラが出てくる(アイスマンかお前は?)
③ 時間差攻撃(情報の風化を待つ) ⇒ 新たなスキャンダルとともに話題を焼却
④ 話し合い予定に参加せず(③に通じる)⇒ 相手の戦意喪失
⑤ イエスマンの末端を送り出し、鈍い伝聞形式を作る ⇒ 情報が混乱する
⑥ 同じ理屈で何回もごねる ⇒ 相手を疲弊させる
⑦ あることないことをまくしたてる(妄想癖から生じる) ⇒ 相手への中傷に

 実は今の政治家と、何ら変わりなかったりして。

 戦後の貧困へのコンプレックスが、こういう耐性をつけたのか。


 
 新型でなくとも、H5N1のヒト発生で日本はパニックに陥るものと思われる。パニックといっても物理的な騒動ではなく、いちはやく薬剤を手に入れようとする動きが出る。おそらく各病院で前もっての処方希望が殺到する。業者の買占め・高値販売もありそうだ。

 今の日本ではインフル薬の自給率は低いから、とりあえず各病院あたりで割り当てられて、その上での処方となるだろうか?・・・すると1人あたり5日分まして倍量など出せそうもない。周辺の予防投与の分を出す余裕もない。

 そもそもタミフルは2年もつのだから、とりあえずそれも含めて在庫はどうなのか。あのときのは家にまだないか。そこからまず振り返ろう。

 僕らのほとんどは実践的な訓練は受けてない。発症1週間でARDSという広範な肺炎像になるなどの知識があるだけだ。ほとんどはマニュアルに従うとして、早期発見が急務だ。

 その肺炎像を早期に発見するなら・・・正直、レントゲンでは不十分なはず。それで分かるくらいなら、もう発症していると思うんだが(うっすら像から始まる)。平常時より酸素飽和度(この測定器が安ければ・・・)が低下した時点で胸部CT(まともな高解像度)のほか、呼吸機能検査(拡散能。しかし手間がかかりすぎ)、動脈血の圧格差も必要になるんじゃないか。

 と、自分の周囲は誰も言わないんですが。






 あれだけテレビがあちこち発売されたら、過剰供給にもなる。ただ、それまでさんざんおいしい汁は吸ってきたはずだ。

 それにしても・・・プレステ3のゲーム配信も、ゲームソフトも大したのがなくなってきた。さてはソニー、また手抜きだな。

 映画もシリーズものは出尽くした。スパイダーマンは3で盛り上げてしまったし、MIB2・バッドボーイズ2は失敗作、チャリエンは賞味期限超え、ワイルドスピードも3でネタ切れ。やはりバイオハザード(そろそろ女優が不良債権化)などゲームつながりで生き残るのか?

 それと音楽配信のプロテクトを何とかして欲しい。ソニー配信の音楽はATRAC3というコピーガードがかかっていて(音質も犠牲に)、PCから取り出すにはそれ専門のプレイヤーが必要だったりして、不自由極まりない。

 規制緩和の雰囲気が広がっても、旧体制は断固としてわが身を守る。そういや医師会の会館なども、未だに昭和の雰囲気だった。

 この「変わらなさ」。日本人の伝統はこれに培われているものの、それは諸刃の剣ともいえる。

 僻地の医療崩壊にも、関係なくもない。疲れて戻ってきた友人たちが言う。「あいつらはちっとも変わらない」。←誰を指しているかは意味深

 とにかくソニーはいいことを教えてくれる(?)、反面教師だ。



 
 内容がタイムリーというか、早読みしすぎるというか・・・妙な知識・偏見を植え付けることがなければいいが。

 新型インフルエンザを題材にするなら、自分的には感染前の段階の攻防戦を描きたい。新型に感染した病鳥集団(ひええ!)。失速しながらもベトナムから日本へ向かう。その前に中国が感染、鳥はここでいったん休息。日本は防衛的に鎖国状態となる。

 日本はタミフルパニックとなり、一部での買占めが始まり高値がつく。ワクチンも足りずパンデミックワクチンも研究段階。閉鎖空間が重宝され、余ったトヨタの改造車を利用したサバイバル訓練が始まる。これでトヨタが再び好景気に(はぁ?)。

 なおも日本へ向かう鳥集団。感染を待つだけかと思いきや、自衛隊の作り出した台風で淘汰、鳥集団は壊滅。しかし台風が大きすぎ本土もダメージを受ける。

 一方、新型に感染した外国人が日本の島に到着。島に1個割り当てられていた新型キットで陽性反応。勇敢な医師の指示で感染者を航空機に乗せ(自らも感染)、嵐の中、新薬研究所へと向かう。総理は隠ぺいでの撃墜を指示するも、言葉間違いで伝わらず(げいげき→かんげい)。

 パンデミックワクチンも完成、パニックはおさまる。自民党は安心し、いきなり選挙が始まる。易感染者(若者)は外出不可という名目で、サラリーマンは投票に行けず。

 ところが漢字違い(給付<菌>)でまたちょっとした騒動となる。

 勇敢な医師の会見。総理がわざとらしく、会見で医師をたたえる。
「すごい先生ですな。名前は?」

 最後はみんなで!

「マーフィ!」


H5N1 の勉強

2009年1月7日 読書
 医局ならどこにでも置いてある、日本医師会雑誌(右の本ではない)。マイペースで当たり外れのある雑誌だが、H5N1、新型インフルエンザとなると話は別だ。

 以下、1月号より。

H5N1は、正確には・・・

H5N1亜型高病原性鳥インフルエンザウイルス=(H5N1亜型の)highly pathogenic avian influenza virus=(H5N1亜型の)HPAIV



・ はじまりは1996年の中国、97年香港でヒトにおける発生。死亡も。徹底した対策するも2001-2002年に再燃、以後韓国・日本・東南アジアへ。日本では2004年に山口・大分・京都、2007年に宮崎・岡山(以上は家禽=かきん)、2008年の秋田・青山・北海道は白鳥より検出。



・ 日本は2005年より多発地域の東南アジアで調査を開始。タイでは(ヒト発生の場合)25人中17人が死亡。ほとんど死鳥→接触だが人→人感染疑い例も。ただ感染経路としては経口(加熱不十分など)も推定されている。ところが発生が最多のインドネシアの25-50%が鳥との接触がないのもおかしな話。

 

・ これら各地への流行に伴い突然変異が生じたため、抗原性・生物学的性状により10ものグレードに分類されることになった。それはさらにサブグレードに分類。



・ ヒトへの感染は2003年以降380人以上が確認されている(氷山の一角)。不顕性感染が見当たらないつまり一旦感染したらほぼ全員が発症するといわれる。ヒト→ヒト感染が連続すれば、それはすなわちパンデミック=世界的流行を示唆するものとなる。



・ H5N1患者の90%以上が小児・若年成人で、致死率は高く平均63%(小児~30代が特に)。高齢者は発症・死亡例も少ない。これには若いなりの免疫応答の過剰さが裏目に出た結果と思われている。



・ 潜伏期は2-4日(10日以上という報告も)。初発症状は発熱で通常のインフルエンザととられてもおかしくなく、本症らしい所見が出るのは約1週間後のウイルス性肺炎のとき。これはARDSの状態へと向かう。未治療だと全例がMOFとなり死亡している。



・ ここでウイルス性肺炎と表現しているが、二次的な細菌性肺炎と考えがちだが実際その病態はむしろ(ARDSに対する)ステロイド長期治療後のほうでみられる。



・ 通常のインフルエンザではウイルスは上気道でとどまるが、H5N1はさらにその奥の奥、肺胞領域(主にⅡ型肺胞上皮細胞)から血中から各臓器へととどまるところを知らない。



・ 前述の過剰な免疫応答はサイトカインストームと呼ばれる。しかも血清サイトカイン濃度はウイルス増殖量に比例する。この過剰な応答が発熱・筋肉痛・関節痛などインフルエンザ特有の症状も出し、その過剰さゆえの多臓器不全をももたらす。



・ ARDSに対してステロイドの使用は、このH5N1によるものの場合かえってウイルス増殖を促すという指摘がある。使用するとすれば低用量であり、パルス療法は推奨されていない。



・ つまり原因ウイルスは同じでも、H5N1によるインフルエンザの病状は通常のインフルエンザとは全く異なるものである。



・ トリ型ウイルスがヒト型に変化しつつあることが、新型誕生の恐れを生んでいる理由である。この変化つまり遺伝子変異に関して、①レセプター結合特異性(結合するよう変化)、②RNAポリメラーゼの至適温度(ヒトの体温でも増殖)の関与が分かっている。これらに加えてさらに、ヒトの上気道でも増殖が容易になると、パンデミックが起こる可能性が高い。



・ 新型に変異した場合、その病原性はそのまま受け継がれる可能性が高い。



・ 新型が病原性かなり強いと早期に重症化するのでパンデミックはむしろ少なく予測されるが、むしろ病初期あるいは伝播がゆるやかなケースなども考慮すると、致死率15-20%程度に低下した場合に感染拡大の危険が高いことになる、という推測もある。



・ 日本によるベトナムの調査では106名中52名が死亡。入院29例の検討では発熱(83%)>悪寒(48%)>頭痛(35%)>筋肉痛(21%)>下痢・吐き気(7%)。



・ こういった東南アジアでは早期発見に当然力が入っており、家禽(病・死)に接触歴あり+インフルエンザ症状があった時点で病院受診、(次項の)キットによる診断・治療を開始している。



・ ウイルス検出法として、ネブライザー使用(下気道からの痰を採取)による迅速キットが実用化に向けて検討中。



・ WHOによると、薬物はオセルタミビル(タミフル)が第一選択。使用は通常量だが倍量の治験が進行中。必要により市中肺炎向けの抗生剤、酸素(ARDSへのIPPVも)、低用量ステロイド、NSAID(抗炎症薬)など。



・ ノイラミニダーゼ阻害薬(タミフル・リレンザ)の日本での備蓄量は人口あたりで19%と世界で28位(トップはフランスの54%)と全然足りてない状態。耐性株の出現など課題も多い。国家備蓄の増加が急務。



・ 新型インフルエンザとなると薬剤の1日量・投与期間が増加が検討されるはず、となっておりあくまで予測の範囲。



 早めに出勤して、怒涛の挨拶。

 詰所で。事務所で。廊下で。

「あっ。あけましておめでとうございます。今年もはっ。宜しくお願いいたしますはっ!(礼)・・・っと!」

 昨年はウケを狙うため、左手グーで右手パーにして(向いあわせ)、カンフーあいさつ(?)をしまくった。

 今年もやるか・・・!

 

 讃岐うどん。年末年始の時間を調整して行こうと思ったが、ほとんどが休日。

 http://homepage.mac.com/onsen/wintervacation0809.html

 そんなこともあろうかと、現地で買っておいた<うどん>を取り出す。お湯を沸かすその前に。スーパーへ。

 大きなカットネギ、油揚げ、ポン酢、大根(あとですりおろす)、おっと忘れちゃいかんのが天ぷら系統!ちくわ天は必携!

 釜揚げのつもりで、徹底的にゆがく。鍋に穴が開きそうなほど。箸でつまみ上げ、コシのほどを推定。味見してフニャフニャ前に撤収(火消し)。瞬間的にザルに移し、超低温の冷水を叩きつける。すりおろした大根を上乗せ。

 ダシを温め、とき卵を足し、すりごま・ネギを追加。たぁ(気合い)!近くに刻んだ油揚げ・しょうが。

 別のお皿にてんぷらを複数。

「決して余らせたりはしない!」

 食べたい量と、腹八部の量が釣り合うかどうかで、自分の貪欲さが分かる。
 写真のアップとはならなかったが・・・。当直医といっしょに、医局のコンロで雑煮を作った。

 まずお湯をわかし、

・ 太いネギ(およそ2センチ間隔)
・ 白菜(4分の1に割り、うち1つを縦に3センチ間隔で切る)
・ カマボコ1本分(5ミリ間隔でスライス)

 を勢いよくぶちまけた。

 みそ(マルコメ)をオタマ一杯にぐわっと入れ、網の道具(名前知らん)で徐々に溶かす。

 フタをし、近くで雑談。

 すると突然、ドカン!とフタが吹っ飛ぶ。いや、落下は避けられた。

 病院職員がついたモチを7個ほど入れる。僕の希望で、うどんも1玉(いかにもダルそうな伊勢うどんを選んだ)。当直医より「炭水化物ばかり入れないでください」と注意あり。

 フタをし、またドカン!となる前にフタを開け、ぐるぐる。モチがある程度柔らかいのを確認し、火を止めた。

 小さなおわんに入れる。

 すると、具がモチの周囲に張り付いて・・・それごと食う。

「うめえ!」

 ちょっと呼ばれて来てた自分は・・・

「じゃ、残り食っていいから」と帰った。

 その代わり後片付けして帰れよ!当直医(推定50代)!

 
 今年もよろしくお願いいたします。病院や銀行がいきなりつぶれませんように。

 やはり元旦早々のお客は少なかった。小児がほとんどでインフルエンザ、胃腸炎が多数。溶連菌もちらほら。いずれも自力で治すのは困難だ。

 自分にとっての本格的な休みは来週末の連休・・となりそうだが、実際そうはいかないだろう(新入院の関係で)。

 今年の経済の先行きを誰もが<悪化>ととらえている。今年から病院経営もそれが反映されてくるものと思われる。スタッフの待遇も、前ならえの雰囲気になるかもしれない。病院転職を考えている人は、好き嫌いだけでなくその病院の予後も含めて検討されたい。

 基本はメリットとデメリットをハカリにかけること。自分のとりまくキーワードを記し、その長所短所を客観的に評価できているかどうか。今年もこれを忘れないようにしたい。




 紅白をヘッドフォンで鑑賞中。演出に手間がかかっているだけに中身が濃く、やはり生放送で見ないと価値がない。ふだん演歌を聴くことがない自分にとって、見直すのにいい機会だ。

 出演者のトークが長い時の司会(中居)の遮り方・アドリブは、小さな講演会で困り果てていた座長を思い出す。

 さて、実は明日の元旦は急きょ入ったアルバイト。正月1日は比較的混まないという。夜更かし、初詣で寝るのが深夜~早朝だからか。1日は結構みんなグッタリして、テンション吹っ切れた2日にリバウンドがきそうだ。

 だが、カウントダウンまでは起きておく。これは小学校のときから一貫している。そして、カウントダウンの瞬間直後にチャンネルを変えまくる。

「なんや。何も変わらんな?」

 何を期待していたのか、複雑な心境で迎える毎度の新年・・・。

 どうしても郵便受けに一番乗りできなかった実家時代を思いつつ。


 ネットを通じて、会えるはずもない人々に意見を<見て>もらえるというのが嬉しい。自分の方も、書き込むことでいろいろ掘り下げられた内容もあり、得られたものも大きい。

 ところで関西での事件が突出して多かった。これは恥ずべきことだった。日本で一番不景気が反映されているのはここ。上層部と末端の一方通行な関係(上から下への流れ)がこれほど明瞭な地域もない。これはつまり上層部からの命令だけがあって、下からの声が届かない。そういう旧態然としたシステムが、何層にも折り重なっている。

 医師会などがインフォームドコンセントなど道徳性を強調してきたはいいが、結局医療側と患者側との間にかなり距離を置く結果になったような気がする。自己満足してカッコつけて終わりのような。

 今後は職場での責任がますます重くなる分、少しでも悪をはびこらせないよう監視していきたい。

 

仕事納め

2008年12月29日 連載

 今日は何十人もが医局に挨拶に来る日だ。

「先生、今年はお世話になりました。よいお年をお迎えください」

 それに対し

「え。ええ。はい。こちらこそお世話になりました。来年も」

(同時)「宜しくお願いいたします」

 この儀式、昼には疲れて惰性になる。するとだんだん、こんな言い方になる。

「こちらこそお世話になりました。来年も宜しくお願いいたします」

               ↓
「こちらもお世話になりました来年宜しくお願いします」

               ↓
「はいはいお世話になりまし来年お願いします」

               ↓
「はいお世話にはい来年はいお願い!」

               ↓
「はいどうも!来年うん!はい!」

               ↓
「え!はい!ほい!」

(帰り際。日勤ナースらの帰る前)

「はーい!はいっ!っしゃ!また!」

(車のドアを開ける際)

「じゃ!また来年!」

しかし、こんなときに限って

(事務員)

「先生。当直の先生が今日は来られないと申しておりまして。いま先生しかおられないので、居残りを・・・」

「ふんぎゃあああ!」

 周囲を通り過ぎるスタッフたち。

「よいお年を」「よいお年を」

 こうして、同じ人間と結局2度挨拶する羽目になる。

憶測

2008年12月27日 時事ニュース
 高熱があったと聞いて思い出したのは悪性症候群やクリーゼ。感染症による高熱のしんどさから逃れるための睡眠薬大量服用もありうる。

 自殺の真相はこれから話題になるだろうが、背景には借金がからんでいると思われる。最近の芸能人は売れたら事業を興していてはいるが、たいてい失敗に終わっている。

 自己資本がない場合、銀行・企業から金を借りるが、当然儲けながら返していかないといけない。すると今の時代マージンがかなり取られてしまうので事業主の手取りは少なく、やがて借金を返すための事業になってしまう(団塊の世代がかなりやられた)。

 で、銀行が貸さなくなって終わり。借金のカタは事業主本人に。おいしい汁を吸ったのは、おそらく事業を(無理矢理?)勧めた輩たちのみ。

 知り合いの限度での話だが、大阪で<活躍している>人の多くは借金も多い。それが勲章のようになっている。そして借金をものともしなくなる。なぜか?「手を上げればいい」というホリエモン的考えだ。当然、破産前には現金をできるだけ口座からおろす(しばらくの生活のため)。これは怖い。

 すると診療所の開業は、自己資金を十分用意してから(年収の3倍は要るといわれている)ということになるなあ・・・。


西高東低

2008年12月27日 連載
 小雨が降ったりして湿気があったせいか本日のインフルは少なめに思えた。しかし気圧の完全な冬型配置、今後の天気(晴れ多い)を考えると乾燥傾向となり、インフルの流行はまだまだ続きそうだ。それに年末はインフルの人も多数(非発生地へも)帰省してくるだろう。

「お前なにしに帰ってきた?この寄生虫(帰省中)が!」(寒)

 インフル、インフルといっても、世はインフレでなくデフレの流れ。

 さて病院は2学期(?)大詰め。通知表こそないものの、年末のかけこみ外来に備える体制に入った。特に老健施設からの紹介、開業医休業のためのかけ込み受診は毎度のこと。開業医休業でよそにかかる人は、くれぐれも定期薬が分かるようにして来てくれ。頼むから。

 


 浜田省吾のアルバムに「ひとりぼっちのクリスマス・イブ」という、なんともストレートな歌がある。まるで突き放すような内容だが、そこが直球でいい。

http://www.asahi-net.or.jp/~uq6h-hrym/785.txt

 この中に「食事してドライブしてベッドに入るだけ」とあるが、これが独身のさびしい老後を想像させるような気がしたのは私だけではないだろう。

 医者だったら「外来して回診して指示を出すだけ」か。内科医で悪かったな!

 この歌では、空港で彼女を引きとめることができなかったわけだが、それと対照的なのが近藤真彦のあの歌だ。

http://www.evesta.jp/lyric/artists/a2857/lyrics/l23350.html

 足早の彼女をつかまえて、車に押し込んだ。カッチョエー!だが、トランクを想像したのは私だけではないはずだ。ギャング映画の見過ぎか。

 とにかく、カラオケでは最後の方に皆で歌うと決めている。

 病院の外、日勤ナースを待つヤンキー車。クリスマスではこれが絵になる!


 

A/H5N1

2008年12月24日 連載
 今週各病院に配られた小冊子、<インフルエンザ診療マニュアル>より。

○ 新型インフルエンザは、通常のインフルエンザAウイルスが変異した場合にそう呼ばれる。誤解しがちだが、鳥インフルエンザA/H5N1は変異型でないため<新型インフルエンザ>ではない。毒性が強いため話題となっているが、最も恐れられるのがこれがさらに変異してとうとう<新型>になった場合。

 以下、A/H5N1について。

○ A/H5N1の死亡率は63.3%と高率で若年者に多い(鳥の世話をする年齢と関連)。ほとんどが病鳥・死亡した鳥からの感染。そりゃ発症が出た養鶏場が閉鎖されるのもやむを得ない。

○ 通常のインフルエンザと違って血液中から検出されることがある(RNAが半数以上から検出)。よって血液から全身に運ばれ、多臓器不全となる理由がここにある。体の過剰な炎症反応(高サイトカイン血症)が結局全身を悪化させる。

○ ウイルスは1週間したら出ていくイメージもあるが、この場合それを超えて長期間とどまる(3週間以上!これでは体がもたない)。よって死亡率も高い。

○ 上気道感染(のど)<下気道感染(肺炎)、血液検査では多臓器不全を反映しほとんどすべての緊急項目が異常値に(肝・腎障害、DICなど)。

○ 病院に通常置いてある検査キットではA/H5N1は検出できない。研究用のキット(Flu A)の組み合わせがいる。現在最新のFlu H5キットを開発中。

○ 通常のインフルエンザウイルス同様、タミフルは早期の投与ほど有効。なおA/H5N1にはリレンザも有効で、タミフル耐性タイプでもリレンザが有効だったという報告もある。

○ 前述のように体内にとどまる期間が長いので、使用量は通常より多く長期間、さらには併用療法まですすめられる。

○ 予防はマスク(サージカルマスク・N95マスク)、予防内服、プレパンデミックワクチン(あらかじめ作成済みのもの)、パンデミックワクチン(実際の流行に合わて開発した出来たてワクチン。6か月~1年もかかるが)。

○ 開発中の新薬は内服でRNAポリメラーゼ阻害剤のT-705(富山化学)がⅡ相試験中。あと(以下2つはタミフルタイプのノイラミニダーゼ阻害薬)タミフルより10倍強力とされる吸入薬のCS-8958(第一三共)がⅢ相試験中、注射剤ペラミビルが間もなくⅢ相試験に入る。


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 そんなボタンはない!

 
 今、(関西で)新型が発生した場合の隔離先施設が話題になっている。阪大近くの万博公園が有力のようだ。

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