< レジデント・ファースト 2 姿なきマイ・オーベン >
2004年1月10日 連載「ではペアの先生とこのあと話し合って、各自患者さんのところへ行くように」
そう言い残して教授は出口へ。
僕のオーベンは今日はいない。代わりは・・
野田という若い先生だ。
「ああ、確かに聞いた。俺なんだってね。でもいいのかな・・。ホント、俺に聞いても分からんよ。院生で実験してるから。出て来れないことが多いよ」
僕はメモとカルテを照合した。
「・・患者さんはこの人ですか」
「あー?ん?今日入院になってる人か。紹介状が来てるな」
字が汚くて、読めない・・。
「んー、んー、はあはあ・・うんうん」
「あの、なんて・・」
「よし!」
「?」
「行こうか」
僕らは病室へ入った。白衣ではいるとみんなサッと身構えてくれる。野田先生は紹介を始めた。
「今日から担当となります。わたくし野田、それから今年より研修医としてお手伝いさせていただく・・・先生です」
「ユウキといいます。どうかよろしくお願いいたします」
「はあ、まあなにとぞ。わしはまあ、まな板の鯉じゃからな・・イテテテ」
老人は腹部を押さえた。
80歳、病名には・・腸閉塞とある。腹痛があるんだな。そりゃあるよな。
廊下で参考書をみる。腸閉塞、イレウス・・多くは腹部の手術の既往がある者に多い・・腸管の癒着による・・機械性・・この場合腸の音が亢進する・・。治療はまず鼻からチューブを挿入してガスを抜いてあげる・・
(http://www.dango.ne.jp/asakamed/kenkou/ken9/ken9-12.htm)
「おい!」
「あ、野田先生・・すみません」
「俺、そろそろ実験があるからな。夜の9時までは無理無理。代わりにそうだな・・」
また別の若い先生が現れた。どうやら野田先生の部下のようだ。
「僕が?イヤだなあ、めんどくさー。なんでもう・・ハイハイ・・。丘といいます、ハイハイ」
昼ごはんどきだが昼食をとる間もなく時間は過ぎていく。誰も「昼、食べに行ってよ」と催促してくれる人もなく。
詰所の中、丘先生はイスに反対に腰掛けていた。
「痛いって?どうしろって?カルテに指示を書くんだよ。そうだなあ・・調べてみい。どれがええのか」
「参考書でみると、ブスコパンとあったので、これが・・」(http://www.okusuri110.com/dwm/sen/sen12/sen1242002.html)
「アホウ、なんでもそれでええわけちゃうやんか!ああー、なんとかして、もう、イヤ!そりゃね、あんたのオーベンの言うとおりでいいんだけどね!」
機嫌悪いな、この人・・。酒を?
「じゃあ、一番目、アタP(http://ikebukuro.cool.ne.jp/0856/atarakkusu.htm)、2番目、ペンタジン(http://www1.ocn.ne.jp/~kamase/pentajin.htm)ね・・どれも鎮静作用ね。言っとくけど、病気直すんと違うよ!」
「ブスコパンは使ったらいけないんでしょうか」
「だから自分で調べろっちゅうの!しつこいなあ、お前!調べもせずに・・!あ、ところで明日朝、お前のオーベン帰ってきたら、いいか、朝一で相談しろよ。おおっと、待て待て・・くれぐれも僕が全部指導したとか言うなよ。野田先生も関ってたと一応言うように」
「はい・・ありがとうございました」
「じゃ・・・・・あ!オーイ!」
「?」
彼はダッシュで駆け戻ってきた。
「ハァハァ・・容態が急変したら・・ハァハァ・・僕を呼ぶなよ、くれぐれも」
「ええ・・」
僕のオーベン、いったいどんな人なんだ・・?かなり恐れられているのは確かだ・・。
病室へ戻ると、患者さんは苦悶様の表情だ。
「いたいイタイイタイ・・!」
「注射、効きませんでしたか・・?」
「うう・・効かんかったから、そう言うとるわけやないか!うう・・なんとかしてくださいや!先生!」
だ、誰か・・?いないか・・?せ、センセイ!い、医者は?
ERファーストの婦長のセリフ『あなたがドクターよ!』を思い出す(http://www.asahi-net.or.jp/~PT2Y-OKMT/abe/abegall-er3.htm)。目を覚ませ!カーター!
僕はカーターのごとく、周りをキョロキョロ見回した。大部屋に佇んでいる患者・家族がみな僕を睨んでいる。ように見える。
カーターどころではない。むしろ『カータン(http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Stage/5500/index2.htm)』のほうだろう。
情けない展開に!
ポン!「一休!」「一休!」「一休!」「一休!」
「は〜い、あわてないあわてない。ひとやすみ、ひとやすみぃ・・」
<CM>
そう言い残して教授は出口へ。
僕のオーベンは今日はいない。代わりは・・
野田という若い先生だ。
「ああ、確かに聞いた。俺なんだってね。でもいいのかな・・。ホント、俺に聞いても分からんよ。院生で実験してるから。出て来れないことが多いよ」
僕はメモとカルテを照合した。
「・・患者さんはこの人ですか」
「あー?ん?今日入院になってる人か。紹介状が来てるな」
字が汚くて、読めない・・。
「んー、んー、はあはあ・・うんうん」
「あの、なんて・・」
「よし!」
「?」
「行こうか」
僕らは病室へ入った。白衣ではいるとみんなサッと身構えてくれる。野田先生は紹介を始めた。
「今日から担当となります。わたくし野田、それから今年より研修医としてお手伝いさせていただく・・・先生です」
「ユウキといいます。どうかよろしくお願いいたします」
「はあ、まあなにとぞ。わしはまあ、まな板の鯉じゃからな・・イテテテ」
老人は腹部を押さえた。
80歳、病名には・・腸閉塞とある。腹痛があるんだな。そりゃあるよな。
廊下で参考書をみる。腸閉塞、イレウス・・多くは腹部の手術の既往がある者に多い・・腸管の癒着による・・機械性・・この場合腸の音が亢進する・・。治療はまず鼻からチューブを挿入してガスを抜いてあげる・・
(http://www.dango.ne.jp/asakamed/kenkou/ken9/ken9-12.htm)
「おい!」
「あ、野田先生・・すみません」
「俺、そろそろ実験があるからな。夜の9時までは無理無理。代わりにそうだな・・」
また別の若い先生が現れた。どうやら野田先生の部下のようだ。
「僕が?イヤだなあ、めんどくさー。なんでもう・・ハイハイ・・。丘といいます、ハイハイ」
昼ごはんどきだが昼食をとる間もなく時間は過ぎていく。誰も「昼、食べに行ってよ」と催促してくれる人もなく。
詰所の中、丘先生はイスに反対に腰掛けていた。
「痛いって?どうしろって?カルテに指示を書くんだよ。そうだなあ・・調べてみい。どれがええのか」
「参考書でみると、ブスコパンとあったので、これが・・」(http://www.okusuri110.com/dwm/sen/sen12/sen1242002.html)
「アホウ、なんでもそれでええわけちゃうやんか!ああー、なんとかして、もう、イヤ!そりゃね、あんたのオーベンの言うとおりでいいんだけどね!」
機嫌悪いな、この人・・。酒を?
「じゃあ、一番目、アタP(http://ikebukuro.cool.ne.jp/0856/atarakkusu.htm)、2番目、ペンタジン(http://www1.ocn.ne.jp/~kamase/pentajin.htm)ね・・どれも鎮静作用ね。言っとくけど、病気直すんと違うよ!」
「ブスコパンは使ったらいけないんでしょうか」
「だから自分で調べろっちゅうの!しつこいなあ、お前!調べもせずに・・!あ、ところで明日朝、お前のオーベン帰ってきたら、いいか、朝一で相談しろよ。おおっと、待て待て・・くれぐれも僕が全部指導したとか言うなよ。野田先生も関ってたと一応言うように」
「はい・・ありがとうございました」
「じゃ・・・・・あ!オーイ!」
「?」
彼はダッシュで駆け戻ってきた。
「ハァハァ・・容態が急変したら・・ハァハァ・・僕を呼ぶなよ、くれぐれも」
「ええ・・」
僕のオーベン、いったいどんな人なんだ・・?かなり恐れられているのは確かだ・・。
病室へ戻ると、患者さんは苦悶様の表情だ。
「いたいイタイイタイ・・!」
「注射、効きませんでしたか・・?」
「うう・・効かんかったから、そう言うとるわけやないか!うう・・なんとかしてくださいや!先生!」
だ、誰か・・?いないか・・?せ、センセイ!い、医者は?
ERファーストの婦長のセリフ『あなたがドクターよ!』を思い出す(http://www.asahi-net.or.jp/~PT2Y-OKMT/abe/abegall-er3.htm)。目を覚ませ!カーター!
僕はカーターのごとく、周りをキョロキョロ見回した。大部屋に佇んでいる患者・家族がみな僕を睨んでいる。ように見える。
カーターどころではない。むしろ『カータン(http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Stage/5500/index2.htm)』のほうだろう。
情けない展開に!
ポン!「一休!」「一休!」「一休!」「一休!」
「は〜い、あわてないあわてない。ひとやすみ、ひとやすみぃ・・」
<CM>
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