慢性腎不全について
ネフロン・・糸球体(血管の塊)とそれに続く尿細管のセット。腎臓1個につき100万個もある。腎臓を構成する最小単位、ともいえる。
慢性腎不全というのは、このネフロンが徐々に破壊される状態である。破壊されたものは線維となり、それ自体は全く機能はしてない毛細血管に戻ることはないしたがって・・破壊されたネフロンはどうしようもない。
残ったネフロンを大事にしようとすることが、慢性腎不全の治療の真髄だ。
糸球体は血管の塊。この<塊>にすべく、毛細血管どうしをつなぎ合わせている細胞がメサンギウム細胞だ。腎不全が進行すると腎血流量→糸球体濾過圧↑することで、尿に出るはずの老廃物や、ふだん濾過されない大分子物質がメサンギウム細胞にはみ出し蓄積、ついには機能を落とす。破壊が進むと今度は毛細血管の内皮細胞・基底膜にもおよび、コラーゲン線維により置換されて、いわゆる<糸球体硬化>をもたらす。この過程をHyperfiltration Hypothesis(過剰濾過仮説)という。
腎機能が悪くても、腎臓には相変わらずの血流が心臓よりもたらされる。腎臓で働くネフロンがリストラされても、全体に任される仕事は同じという事だ。血液量増加による濾過圧上昇だけでなく、蛋白・アミノ酸の量も相対的に多くなる。ならば各ネフロンへの負担が大きくならないよう配慮する必要がある。
そのため、基本としての食事が重要になる。クレアチニン・クリアランスで80ml/分以下の場合、食事療法を始めるべきとされる。
エネルギーが体の回路で回って、最終代謝物として生産されるのが尿素窒素・クレアチニン・尿酸である。腎機能が悪いとこれらはセットで上昇してくる。症状としては<尿毒症>を引き起こす。
尿毒症症状・・具体的には?胃腸症状(嘔気・嘔吐・食欲不振)、?呼吸器症状(咳、労作時息切れ)、?心血管症状(動悸、めまい)、?皮膚症状(かゆみ)。検査所見では上述のほかにカリウム・リンが上昇、貧血、代謝性アシドーシスも。
蛋白の中に窒素があるので、低蛋白食は老廃物の窒素を減らし、尿毒症症状を抑えることが可能だ。
しかし度を越えすぎて、それ自体が栄養失調を招くものではあってはいけない。肝臓で行われる蛋白合成を抑えてしまうほど投与の制限をしてはいけないということだ。実際難しいことではあるが。
以下は大雑把な内容。実際には各患者のクレアチニン・クリアランスを計算して、それに基づいた指導が必要と思われる。
□ エネルギー
大まかには標準体重1kgあたり35-40kcalが目安。炭水化物を中心とするべき。摂取エネルギーが少ないと自分の体の蛋白が崩壊、利用されてしまい血液検査上のBUNが上昇する。これを<異化亢進=カタボリズム>という。エネルギー補給の目安としたい。
□ 脂質
1日40-60gにおさえるべき。多価不飽和脂肪酸(魚)と飽和脂肪酸(肉)との比1〜1.5が好ましい。
□ タンパク質
1日30-40gまで。内容的には必須アミノ酸が豊富なのがよい。代表がタマゴ。1個12g。うずらも同量。
□ 食塩
浮腫・高血圧軽減のため、少ないほうがいいのは当然。1.5〜3gなどの制限は非現実的で正しいとはいえない。実際は5〜8gが妥当のようだ。コンビニ・仕出しなどはおいしくするため塩分が多いので要注意。
□ 水分
制限しすぎると循環血流低下→腎血流低下→腎不全悪化を招くので、数値を見ながらフォローすべき。尿が多かったり希釈尿が多い場合はむしろ摂取を多くする。
□ カリウム
生野菜・生果物(特にメロン・バナナは多い)を取り過ぎない。10分程度湯・水に浸してカリウムを外に出すなど工夫を。
実際は肉・魚にも多く含まれるで制限が難しい。一覧表を見て計算・把握すべき。
□ リン・カルシウム
リンは600mg/day以下にすべきとの報告あり。加工食品に知らず知らず多く含まれるので注意。高リン血症は低カルシウム血症、骨粗鬆症、副甲状腺機能亢進を招く。来たす場合は結合薬である炭酸カルシウムを内服。カリウムや蛋白にばかりとらわれる傾向にあり、こちらが軽視されている事実がある。
※ とにかく加工食品はやめるべき。入院中はきちんと指導していても、退院後が問題。1人暮らしの人だと結局コンビニに頼りがちで、加工食過剰となり塩分やリンが蓄積する。今は業者による特別食の配達があるので便利だがコスト的な問題もあるため、そこも踏まえた上での管理としたい。
※ 外来受診の際、3食何を食べているか品目だけでも書いてきてもらうなど、工夫がいる。
http://cookingfight.web.infoseek.co.jp/index.html
ここ、見やすいですね。
※ マクドナルドの成分表http://www.mcdonalds.co.jp/quality/allergy_Nutrition/nutrient.php?id=01でみると・・
・ 蛋白
一番シンプルなハンバーガー1個。蛋白12.7g。ダブルチーズバーガーになるといきなり27g。いかにチーズが
蛋白を含むか分かる。ビッグマックでも26g。ナゲットは5個入りで14g。
・ 塩分
塩分が一番多いのはビッグマックではなく、ダブルチーズバーガーの2.5g。ビッグマックは2.2g。
・ リン
これもダブルチーズバーガーが最多で344mg。ホットケーキも同量だ。ビッグマックは285mg。
・ カロリー
ではカロリー最多もダブルチーズバーガーか?なんとポテトL、529kcal!ダブルチーズバーガーは453kcal。やっぱり気になるビッグマックは508kcal。
・・ ダブルチーズバーガーが腎臓に一番悪そうだ。
ネフロン・・糸球体(血管の塊)とそれに続く尿細管のセット。腎臓1個につき100万個もある。腎臓を構成する最小単位、ともいえる。
慢性腎不全というのは、このネフロンが徐々に破壊される状態である。破壊されたものは線維となり、それ自体は全く機能はしてない毛細血管に戻ることはないしたがって・・破壊されたネフロンはどうしようもない。
残ったネフロンを大事にしようとすることが、慢性腎不全の治療の真髄だ。
糸球体は血管の塊。この<塊>にすべく、毛細血管どうしをつなぎ合わせている細胞がメサンギウム細胞だ。腎不全が進行すると腎血流量→糸球体濾過圧↑することで、尿に出るはずの老廃物や、ふだん濾過されない大分子物質がメサンギウム細胞にはみ出し蓄積、ついには機能を落とす。破壊が進むと今度は毛細血管の内皮細胞・基底膜にもおよび、コラーゲン線維により置換されて、いわゆる<糸球体硬化>をもたらす。この過程をHyperfiltration Hypothesis(過剰濾過仮説)という。
腎機能が悪くても、腎臓には相変わらずの血流が心臓よりもたらされる。腎臓で働くネフロンがリストラされても、全体に任される仕事は同じという事だ。血液量増加による濾過圧上昇だけでなく、蛋白・アミノ酸の量も相対的に多くなる。ならば各ネフロンへの負担が大きくならないよう配慮する必要がある。
そのため、基本としての食事が重要になる。クレアチニン・クリアランスで80ml/分以下の場合、食事療法を始めるべきとされる。
エネルギーが体の回路で回って、最終代謝物として生産されるのが尿素窒素・クレアチニン・尿酸である。腎機能が悪いとこれらはセットで上昇してくる。症状としては<尿毒症>を引き起こす。
尿毒症症状・・具体的には?胃腸症状(嘔気・嘔吐・食欲不振)、?呼吸器症状(咳、労作時息切れ)、?心血管症状(動悸、めまい)、?皮膚症状(かゆみ)。検査所見では上述のほかにカリウム・リンが上昇、貧血、代謝性アシドーシスも。
蛋白の中に窒素があるので、低蛋白食は老廃物の窒素を減らし、尿毒症症状を抑えることが可能だ。
しかし度を越えすぎて、それ自体が栄養失調を招くものではあってはいけない。肝臓で行われる蛋白合成を抑えてしまうほど投与の制限をしてはいけないということだ。実際難しいことではあるが。
以下は大雑把な内容。実際には各患者のクレアチニン・クリアランスを計算して、それに基づいた指導が必要と思われる。
□ エネルギー
大まかには標準体重1kgあたり35-40kcalが目安。炭水化物を中心とするべき。摂取エネルギーが少ないと自分の体の蛋白が崩壊、利用されてしまい血液検査上のBUNが上昇する。これを<異化亢進=カタボリズム>という。エネルギー補給の目安としたい。
□ 脂質
1日40-60gにおさえるべき。多価不飽和脂肪酸(魚)と飽和脂肪酸(肉)との比1〜1.5が好ましい。
□ タンパク質
1日30-40gまで。内容的には必須アミノ酸が豊富なのがよい。代表がタマゴ。1個12g。うずらも同量。
□ 食塩
浮腫・高血圧軽減のため、少ないほうがいいのは当然。1.5〜3gなどの制限は非現実的で正しいとはいえない。実際は5〜8gが妥当のようだ。コンビニ・仕出しなどはおいしくするため塩分が多いので要注意。
□ 水分
制限しすぎると循環血流低下→腎血流低下→腎不全悪化を招くので、数値を見ながらフォローすべき。尿が多かったり希釈尿が多い場合はむしろ摂取を多くする。
□ カリウム
生野菜・生果物(特にメロン・バナナは多い)を取り過ぎない。10分程度湯・水に浸してカリウムを外に出すなど工夫を。
実際は肉・魚にも多く含まれるで制限が難しい。一覧表を見て計算・把握すべき。
□ リン・カルシウム
リンは600mg/day以下にすべきとの報告あり。加工食品に知らず知らず多く含まれるので注意。高リン血症は低カルシウム血症、骨粗鬆症、副甲状腺機能亢進を招く。来たす場合は結合薬である炭酸カルシウムを内服。カリウムや蛋白にばかりとらわれる傾向にあり、こちらが軽視されている事実がある。
※ とにかく加工食品はやめるべき。入院中はきちんと指導していても、退院後が問題。1人暮らしの人だと結局コンビニに頼りがちで、加工食過剰となり塩分やリンが蓄積する。今は業者による特別食の配達があるので便利だがコスト的な問題もあるため、そこも踏まえた上での管理としたい。
※ 外来受診の際、3食何を食べているか品目だけでも書いてきてもらうなど、工夫がいる。
http://cookingfight.web.infoseek.co.jp/index.html
ここ、見やすいですね。
※ マクドナルドの成分表http://www.mcdonalds.co.jp/quality/allergy_Nutrition/nutrient.php?id=01でみると・・
・ 蛋白
一番シンプルなハンバーガー1個。蛋白12.7g。ダブルチーズバーガーになるといきなり27g。いかにチーズが
蛋白を含むか分かる。ビッグマックでも26g。ナゲットは5個入りで14g。
・ 塩分
塩分が一番多いのはビッグマックではなく、ダブルチーズバーガーの2.5g。ビッグマックは2.2g。
・ リン
これもダブルチーズバーガーが最多で344mg。ホットケーキも同量だ。ビッグマックは285mg。
・ カロリー
ではカロリー最多もダブルチーズバーガーか?なんとポテトL、529kcal!ダブルチーズバーガーは453kcal。やっぱり気になるビッグマックは508kcal。
・・ ダブルチーズバーガーが腎臓に一番悪そうだ。
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