□ 薬理作用は
 ? 抗アレルギー ・・ 喘息に使用しますね。
 ? 抗炎症 ・・ パルス療法で本領発揮。
 ? 免疫抑制 ・・ 膠原病などで。
 ? 抗腫瘍 ・・ 抗癌剤と組み合わせたりして。
 ? 抗ショック ・・ アナフィラキシーで。

?はリンパ系幼若細胞に対するアポトーシス作用、
????はいずれも炎症抑制の作用を介するもの。

□ 炎症の抑制

以下の機序で炎症を抑える。以下の2つが最重要。

?)アラキドン酸代謝物。具体的にはプロスタグランディンとロイコトリエンである。
  ステロイドはこの物質の産生を抑制する。

?)サイトカイン。種類は多く、IL-1,2,3,4,5,6,8,G-CSF,TNF-αなど。ステロイドは
  これらを抑制する。これにより抗体産生の抑制につながる。

このほかに、接着分子(ICAM-1など)の発現、急性期蛋白(CRP・補体)産生抑制
などの面で炎症を抑える。

□ 投与製剤別にみると(経口と注射)

● 経口剤 ・・ 内服後30-60分で効果発現、最大効果は4時間後。

 作用の持続時間の長さによって、以下の3つに分けられる。

・ short-acting ・・ 半減期が短い ・・ コルチゾール
・ intermediate-acting ・・ 中間 ・・ プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン
・ long-acting ・・ 半減期が長い ・・ デキサメサゾン、ベタメサゾン

なお効果別には?グルココルチコイド作用と?ミネラルコルチコイド作用があり、
前者は抗炎症・免疫抑制、後者は電解質作用をもつ。電解質作用は副腎
不全への補充療法として役立つ。

どのステロイドも両者の作用は持ち合わせるが、?の比率が高いのはshort-acting、
?の比率はintermediate-actingとlong-actingで圧倒的に高い。

※ 投与方法について

日内リズムを考慮して、朝2/3、夕1/3に分割するのが伝統的。しかし症状が夕方増悪
するパターンでは朝・夕同量にするか夕方を多めにする工夫もある。

※ 維持量について

・ 連日投与量で副作用をほとんど生じない最大量は・・7.5mg/day(プレドニゾロン換算)
といわれている。
・ 漸減では10mg/day以下(プレドニゾロン換算)からは特に慎重に。

※ 鼻炎の予防としてケナコルトの筋注などlong-actingの投与が開業医などでよく
行われている。副腎への副作用が懸念されるやり方であり、推奨できない。

● 注射剤

 一見、注射剤が経口剤より効果があるように思えるが、プレドニゾロン換算で100mg以上の
場合であって、それ以下の場合(つまり一般的な場合)は経口剤のほうが優れる。これは意外と
知られていない。

 注射剤の場合、ステロイドは不活性型となっておりこれが遊離型になるまで時間がかかるのと
一部が腎臓で代謝されてしまうことに関係する。経口型では100%吸収されるので、一般的には
経口剤が注射剤より優先されるわけだ。

※ 隔日投与と連日投与
 隔日投与は副作用の減弱を狙って行われているのが建前だが、実際これが連日投与より
優れているというエビデンスはない。

□ 他の薬物によるステロイド血中濃度

ステロイド濃度↑ ・・ 経口避妊薬、マクロライド系抗生剤、ケトコナゾ−ル
ステロイド濃度↓ ・・ バルビツール酸誘導体、フェニトイン、リファンピシン

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