高脂血症のポイント

2004年12月3日
・ コレステロール・中性脂肪のどっちかもしくは両方が高い場合。動脈硬化の危険因子なので下げる必要がある。

・ 治療対象になるのは、総コレステロール(T-Chol) 220mg/dl以上、中性脂肪(TG) 150mg/dl以上である。

・ 注意すべきは、これらが空腹時の測定値であること。食後は上昇がみられるから。特に中性脂肪は。

・ 食事療法・運動療法が必要として2週間〜1ヶ月の猶予期間を設けることもあるが、たいては内服を希望してやってきているので、投薬を開始した上で運動・食事指導を行うほうが望ましいと思う。「運動・食事がうまくいけば薬を減らせるかもしれない」というふうに。

・ コレステロールは肝臓で作られ、胆汁酸となり腸へ出される。つまりアセテート→(HMG-CoA還元酵素によって)
→コレステロール→胆汁酸(ここまでは肝臓内)→腸へ→胆汁酸は一部再吸収。

○ コレステロール低下が主目的 
    ・ HMG-CoA還元酵素阻害剤(肝臓の中でのコレステロール合成を抑制) ・・ プラバスタチン(メバロチン)、シンバスタチン(リポバス)
    ・ 胆汁酸への異化排泄促進 ・・ プロブコール(シンレスタール・ロレルコ)
    ・ 陰イオン交換樹脂 ・・ 腸に出た胆汁酸に結合して排泄を促進、肝臓内コレステロールを減らす ・・ コレスチラミン(クエストラン)、コレスチミド(コレバイン)

○ 中性脂肪低下が目的
    ・ べザフィブラート(べザトールSR)
    ・ EPA=イコサペント酸エチル(エパデール) ・・ 副作用に出血傾向。バファリン同様に胃カメラ・歯科処置前後には中止が必要。

・ 治療に抵抗性の場合、家族性のものを疑う必要がある。しかし治療は同じ。調べるだけにとどまることが多い。
・ HMG-CoA還元酵素阻害剤およびフィブラート系は、まれに副作用として<横紋筋融解→急性腎不全>あり。
  患者には「筋肉痛があったら受診を」と告げておく。
・ なので腎機能が悪い場合はHMG-CoA還元酵素阻害剤とフィブラート系の併用はしてはならない。

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