ブレよろ 11
2004年12月28日彼のガサツな割り込みで、こちらは飛ばされそうになった。
「おおっと・・・!」
「下がり続けてるじゃないか!おい!ミタライ!」
僕は姿勢を立て直した。
「島先生。負荷が終わって間もないん・・・」
「ドラッグフリー(内服なし)でやったのか?こんな時間外に?」
「彼女に言うなよ。僕がやろうと・・」
「僕は彼女に聞いてます。先生ではないです。なあおい!」
彼女は困ってしまい固まった。
「これでSTが戻らなかったらどうすんだよ?病棟医長の許可は?」
「い・・・・頂いてません」
「じゃあ、俺の立場は?副病棟医長の立場は?」
こいつが、副病棟医長なのか・・・。
さらに3分後の心電図。STは3mm下がったままで、もとに戻らない。
「ボサッとすんな!ミタライ!亜硝酸剤!ニトロ!」
「は、はい・・・!ミオコールスプレー・・・!」
彼女は心電図の台にあるスプレーを取り出した。島先生が奪った。
「貸せ!この・・・!はい、アーンして!ベロ上げて!」
患者は一瞬舌を持ち上げたが、スプレーが噴いたときは元に戻っていた。
「ああもう!やり直しだよ!ミタライ!やれ!」
島先生は真っ赤になってスプレーを手渡した。
彼女は島先生に圧倒されてしまい、スプレーをガクガクと患者の口へ近づけた。
「はい、舌出して。上げて」
患者も焦ってしまい、うまく口が開かなかった。
「はい、噴きます。ああ、今のもう1回」
「ふざけんな!もういい!やっぱ俺が!」
島先生はすでにパニックだった。
僕はスプレーを受け取り、患者の肩を持った。
「これは口の中では効かないんです。ベロの下にしたら効きます」
「ほおほお。怖いんちゃいますの?」
「全然」
「ほうでっか。ア〜」
スプレーを舌下投与。
島先生はため息をついて長いすに戻った。
「ユウキ先生・・・でしたよね」
「そうだが?」
「こんな時間に検査されないほうがいいのに」
「必要だと思ったからやったんだ」
「時間外には好ましくないでしょう?」
「わかってるって」
「もし何かあったら・・・僕らまで迷惑なんです」
他の5人も目を合わさずとも頷いている。
「ミタライ先生。STは少しずつ戻ってきてるよ」
「ではカテーテル検査を」
「する前提でのフォローでね。それにしても」
イヤだな。この雰囲気・・・。
島先生はパソコンをしまい、出口へ向った。
「オホン!ユウキ先生」
「なんだよ」
「医局へ寄られます?」
「なんだ?やるのか?」
「何をですか・・?」
彼は一歩ずつゆっくり僕に近づいた。180cmはある巨体。肥満+筋肉質だ。
「何をするんですか?先生」
「言葉に気をつけろって」
「ああそうでしたね。すみません」
「なんだそれ・・・」
「これからは、何につけても病棟医長か僕の許可を得てください」
「そういう決まりかよ」
「そうですよ先生。ここは大学病院ですから」
煮え切らない言葉を残し、彼は出て行った。
引き続き、残りの先生たちも片づけを始めた。
心電図ではSTは安静時に戻った。
しかし僕の怒りはおさまっていなかった。
「おおっと・・・!」
「下がり続けてるじゃないか!おい!ミタライ!」
僕は姿勢を立て直した。
「島先生。負荷が終わって間もないん・・・」
「ドラッグフリー(内服なし)でやったのか?こんな時間外に?」
「彼女に言うなよ。僕がやろうと・・」
「僕は彼女に聞いてます。先生ではないです。なあおい!」
彼女は困ってしまい固まった。
「これでSTが戻らなかったらどうすんだよ?病棟医長の許可は?」
「い・・・・頂いてません」
「じゃあ、俺の立場は?副病棟医長の立場は?」
こいつが、副病棟医長なのか・・・。
さらに3分後の心電図。STは3mm下がったままで、もとに戻らない。
「ボサッとすんな!ミタライ!亜硝酸剤!ニトロ!」
「は、はい・・・!ミオコールスプレー・・・!」
彼女は心電図の台にあるスプレーを取り出した。島先生が奪った。
「貸せ!この・・・!はい、アーンして!ベロ上げて!」
患者は一瞬舌を持ち上げたが、スプレーが噴いたときは元に戻っていた。
「ああもう!やり直しだよ!ミタライ!やれ!」
島先生は真っ赤になってスプレーを手渡した。
彼女は島先生に圧倒されてしまい、スプレーをガクガクと患者の口へ近づけた。
「はい、舌出して。上げて」
患者も焦ってしまい、うまく口が開かなかった。
「はい、噴きます。ああ、今のもう1回」
「ふざけんな!もういい!やっぱ俺が!」
島先生はすでにパニックだった。
僕はスプレーを受け取り、患者の肩を持った。
「これは口の中では効かないんです。ベロの下にしたら効きます」
「ほおほお。怖いんちゃいますの?」
「全然」
「ほうでっか。ア〜」
スプレーを舌下投与。
島先生はため息をついて長いすに戻った。
「ユウキ先生・・・でしたよね」
「そうだが?」
「こんな時間に検査されないほうがいいのに」
「必要だと思ったからやったんだ」
「時間外には好ましくないでしょう?」
「わかってるって」
「もし何かあったら・・・僕らまで迷惑なんです」
他の5人も目を合わさずとも頷いている。
「ミタライ先生。STは少しずつ戻ってきてるよ」
「ではカテーテル検査を」
「する前提でのフォローでね。それにしても」
イヤだな。この雰囲気・・・。
島先生はパソコンをしまい、出口へ向った。
「オホン!ユウキ先生」
「なんだよ」
「医局へ寄られます?」
「なんだ?やるのか?」
「何をですか・・?」
彼は一歩ずつゆっくり僕に近づいた。180cmはある巨体。肥満+筋肉質だ。
「何をするんですか?先生」
「言葉に気をつけろって」
「ああそうでしたね。すみません」
「なんだそれ・・・」
「これからは、何につけても病棟医長か僕の許可を得てください」
「そういう決まりかよ」
「そうですよ先生。ここは大学病院ですから」
煮え切らない言葉を残し、彼は出て行った。
引き続き、残りの先生たちも片づけを始めた。
心電図ではSTは安静時に戻った。
しかし僕の怒りはおさまっていなかった。
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