ブレよろ 51
2004年12月29日「おい!リカ!」
「リカ?」
「今ユウキと一緒なんだが。招待状、もらってなかったとよ?え?結婚式!」
「リカ・・・」
冷や汗が出てきた。
「俺たちの結婚式の!そうそう、2年前だったかな!」
「リカ・・・」
動悸が激しくなってきた。
「病院の事務長宛に?そうだよな!そうそう!ユウキ!代わるか?」
「い、いや・・・」
リカ・・。
野中は電話を切り、赤信号前でまた急ブレーキを踏んだ。
「MRから、お前のいた病院の事務長宛に出したそうだが・・」
「品川・・・」
「なんかのミスかな?」
「野中・・・そうか。そうだったか」
「ユウキ。すまないな。てっきり・・」
場が気まずくなった。野中が僕に謝ったのはこれが最初で最後だ。
「俺が東京のセンターに行ったのがキッカケだ。そのリカからメールがあった。
それから遠距離恋愛だ」
「・・・・・」
「遠距離で失敗したお前の教訓もあって、俺はセンターを中退」
「あのなあ・・」
「今の幸せを選んだ」
「もう話題、変えてくれ」
しばらく沈黙が続いた。
「ユ、ユウキ。俺のコベンだった奴がいる」
「トシキって奴だろ」
「噂では、病院職員の間ではかなりブーイングがあるらしい」
「問題児か?」
「いや。かなり頑固なんだ。妥協を許さない」
「几帳面すぎるんだろうな」
「この3年間、いろんな医者がやってきてアイツを絞ろうとしたが、結局
反対に打ち負かされてる」
「何だよ。俺もすぐにクビなのか?」
「トシキより役に立たなければ、クビにされるという噂だ」
だが、下にもう1人「同類」がいると聞いたな。
「野中。そうビビらすな。今日はオリエンテーションだ」
車は病院と思しき場所の、広大な駐車場に到着した。
僕は手提げカバンを出し、地面に降り立った。
「ユウキ。今日の新聞を?」
「スポーツ欄しか見ない」
「大阪の病院が潰れたのは?」
「それならテレビでやってたな」
「ここの姉妹病院らしい」
「へっ?」
車はゆっくりと動き出した。
「ユウキ。ここも危ない。大学側にはいつ戻ってきても・・」
「おお、奥さんに・・・よろしく!」
最後の言葉をと必死に悩み発した言葉がこれだ。
車は次第に小さくなった。
僕はゆっくりと病院の正面玄関へ近づいた。朝の11時。
真横の救急外来のドアが開いた。白衣のスタッフが数人。
さすが救急受付24時間だな。さては今から救急車の受け入れか。
でも僕はショックが隠しきれない。
僕の永遠のあこがれだった彼女が・・・彼女が。
まさかアイツの・・・アレだったなんて。
「リカ?」
「今ユウキと一緒なんだが。招待状、もらってなかったとよ?え?結婚式!」
「リカ・・・」
冷や汗が出てきた。
「俺たちの結婚式の!そうそう、2年前だったかな!」
「リカ・・・」
動悸が激しくなってきた。
「病院の事務長宛に?そうだよな!そうそう!ユウキ!代わるか?」
「い、いや・・・」
リカ・・。
野中は電話を切り、赤信号前でまた急ブレーキを踏んだ。
「MRから、お前のいた病院の事務長宛に出したそうだが・・」
「品川・・・」
「なんかのミスかな?」
「野中・・・そうか。そうだったか」
「ユウキ。すまないな。てっきり・・」
場が気まずくなった。野中が僕に謝ったのはこれが最初で最後だ。
「俺が東京のセンターに行ったのがキッカケだ。そのリカからメールがあった。
それから遠距離恋愛だ」
「・・・・・」
「遠距離で失敗したお前の教訓もあって、俺はセンターを中退」
「あのなあ・・」
「今の幸せを選んだ」
「もう話題、変えてくれ」
しばらく沈黙が続いた。
「ユ、ユウキ。俺のコベンだった奴がいる」
「トシキって奴だろ」
「噂では、病院職員の間ではかなりブーイングがあるらしい」
「問題児か?」
「いや。かなり頑固なんだ。妥協を許さない」
「几帳面すぎるんだろうな」
「この3年間、いろんな医者がやってきてアイツを絞ろうとしたが、結局
反対に打ち負かされてる」
「何だよ。俺もすぐにクビなのか?」
「トシキより役に立たなければ、クビにされるという噂だ」
だが、下にもう1人「同類」がいると聞いたな。
「野中。そうビビらすな。今日はオリエンテーションだ」
車は病院と思しき場所の、広大な駐車場に到着した。
僕は手提げカバンを出し、地面に降り立った。
「ユウキ。今日の新聞を?」
「スポーツ欄しか見ない」
「大阪の病院が潰れたのは?」
「それならテレビでやってたな」
「ここの姉妹病院らしい」
「へっ?」
車はゆっくりと動き出した。
「ユウキ。ここも危ない。大学側にはいつ戻ってきても・・」
「おお、奥さんに・・・よろしく!」
最後の言葉をと必死に悩み発した言葉がこれだ。
車は次第に小さくなった。
僕はゆっくりと病院の正面玄関へ近づいた。朝の11時。
真横の救急外来のドアが開いた。白衣のスタッフが数人。
さすが救急受付24時間だな。さては今から救急車の受け入れか。
でも僕はショックが隠しきれない。
僕の永遠のあこがれだった彼女が・・・彼女が。
まさかアイツの・・・アレだったなんて。
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