ブレよろ 71

2004年12月31日
ドクターズ・カーでは僕らスタッフ、家族がひたすら患者のそばで佇んでいた。

僕は分院・事務室からの電話を切った。

「患者さんの・・お母さんね」
「はい?」
「申し上げにくいんだが・・」
「ええ」
「うちの病院は満床でして」
「すると?」
「別の病院へ。それも無線で当たってもらってはいるんですが」
「ふむ?」
「どこも取ってくれそうにないんです」

家族はうつむいた。

「(トシキ・・・・1床くらい、何とか空けてくれよ!)」

車は分院へと次第に近づきつつあった。

ナースが家族の肩に手を当てた。
「大丈夫。大丈夫」
「ええ・・・」
「何とかします」

僕も声をかけた。
「なんでしたら・・」
「?」
「いっそ、ここをベッドとして使いましょうよ」
「ここを?」
「病棟が空くまで、ここで治療を続けるんです」
「い、いいんでしょうか?」
「わたしが責任を」

いいのかなあ・・。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年5月  >>
27282930123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

お気に入り日記の更新

最新のコメント

この日記について

日記内を検索