ブレよろ 73

2004年12月31日
東山ふうが駐車場でタバコを吸っていた。
「俺の許可もなく、よくやるもんだぜ」
彼は遠くを見渡した。
「あの中の物品には、指1本触れさせねえ!」

ふと見やると、ピーポー音が聞こえてくる。

遠ざかる?いや・・・

向かってくる。

あれは・・・。

「おっしゃあ!」
東山ふうはタバコを放り投げ、救急室へ走った。

ドクターズ・カーがその後ろから現れ、段差を乗り上げるように
ガガンと揺れながら走ってきた。

そのままゆっくりスピン。

もう少し、中の患者への配慮が欲しかった。

救急外来にバックでドクターズ・カーは入ってきた。

「オーライ!オーライ!」
東山ふうが誘導している。

トドロキ医長は詰所と連絡を取りながら、患者を1人ずつ病棟へ上げていた。彼も車に気づいた。

「ストップ!」

今度は当たることなく、車は停車した。

「一言はかけてほしいもんだなあ。兄ちゃんよ。あれ?」
彼は助手席の僕を見て驚いた。
「またあんた?そっか・・・やっと戻ったんだね!よろしく!」

僕は浮かない顔で、車から降りた。

東山ふうはハイテンションだ。
「さあみんなでワッショイするぜ!」
「待ってくれ」
僕は止めた。
「ベッドがないよね。満床だろ?」
「ああ。やっぱりダメだったようだ。ここで一夜明かすってのも、オツなもんだぜ」
「そうだな。おい少年隊」
「おいおい、誰がだい?」
「患者、診てて」
「え?」
「ドクターズ・カー専属なんだろ?」

僕と辻岡氏は走って病棟へ向かった。

病棟からのコールがあったからだ。

SOS要請。患者が暴れている。

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