ブレよろ 75
2004年12月31日「ユウキ先生!」
品川君が走ってきた。
「ユウキ先生!ご無事で?」
「ああ。渋滞もなんとかね」
「いえいえ。先生じゃなくって。患者さん」
「え?ああ、まだ下だけど」
「はいはい」
引き上げようとした彼の腕を、僕はつかんだ。
「いたっ?なに?」
「そうそう。教えてくれよ」
「ええっと・・たしか招待状がどうとか」
「そうだよ」
「結婚式の?」
「分かってるじゃねえか。こいつ!」
「ははあ、渡さなかった件ね・・」
「そうだよ」
「・・・・・」
「なぜだ?」
彼は周りを見回して、また僕に向き直った。
「すみません、先生。渡せなかったんです」
「なに?」
「先生の日頃の話から、先生があの女医さんに焦がれてたのは知ってました」
「ああそう。で?」
「先生のにっくきライバルの話も聞いてました」
「だよな。で?」
「そしたら先生・・・・招待状見てびっくり!」
「そっか。それで・・」
「渡したら先生、ショック受けるだろうし・・」
「いずれは分かるだろ?」
「いや、それでも・・」
「やっぱダメだよ、そんなことしたら!」
「いけなかった?」
「今日はおごれよ!」
「え?」
僕が本気で怒りもしないので、彼は不思議がった。
「ユウキ先生。怒らないんで・・?」
「うん・・・本院に行くまでは、こいつ絶対ぶん殴ってやろうと思ってた」
「はわわ?」
「でもね。患者の生死に久しぶりに立ち会った」
「ふむふむ」
「それに比べれば、自分の悩みなど」
「小さいものですよね」
「おい!」
彼は僕に首根っこをつかまれたまま、下へ降りていった。
キンキの2人は詰所でうろたえていた。
「じゅ、重症の人がさ、呼吸器はずれちゃってるんだけど・・・」
ハヤブサが周りのナースに確認している。
「修正したぞ」
トシキ先生が現れた。
「え?」
「治療を修正した」
トドロキ医長が現れた。
「主治医には、主治医の考えがあるんだ!」
「それは一人前が言う言葉だ」
トシキ先生は相変わらず自信満々だ。
「ましてや医長の僕に連絡もなく・・」
「医長は俺になった」
「うそ?」
「品川が決めた」
「うそ・・」
「ウソなんか言うかよ・・ハハハ」
トシキ先生は後ろのシロー先生をひきつれ、医局へ戻っていった。彼らももうフラフラだ。
品川君が走ってきた。
「ユウキ先生!ご無事で?」
「ああ。渋滞もなんとかね」
「いえいえ。先生じゃなくって。患者さん」
「え?ああ、まだ下だけど」
「はいはい」
引き上げようとした彼の腕を、僕はつかんだ。
「いたっ?なに?」
「そうそう。教えてくれよ」
「ええっと・・たしか招待状がどうとか」
「そうだよ」
「結婚式の?」
「分かってるじゃねえか。こいつ!」
「ははあ、渡さなかった件ね・・」
「そうだよ」
「・・・・・」
「なぜだ?」
彼は周りを見回して、また僕に向き直った。
「すみません、先生。渡せなかったんです」
「なに?」
「先生の日頃の話から、先生があの女医さんに焦がれてたのは知ってました」
「ああそう。で?」
「先生のにっくきライバルの話も聞いてました」
「だよな。で?」
「そしたら先生・・・・招待状見てびっくり!」
「そっか。それで・・」
「渡したら先生、ショック受けるだろうし・・」
「いずれは分かるだろ?」
「いや、それでも・・」
「やっぱダメだよ、そんなことしたら!」
「いけなかった?」
「今日はおごれよ!」
「え?」
僕が本気で怒りもしないので、彼は不思議がった。
「ユウキ先生。怒らないんで・・?」
「うん・・・本院に行くまでは、こいつ絶対ぶん殴ってやろうと思ってた」
「はわわ?」
「でもね。患者の生死に久しぶりに立ち会った」
「ふむふむ」
「それに比べれば、自分の悩みなど」
「小さいものですよね」
「おい!」
彼は僕に首根っこをつかまれたまま、下へ降りていった。
キンキの2人は詰所でうろたえていた。
「じゅ、重症の人がさ、呼吸器はずれちゃってるんだけど・・・」
ハヤブサが周りのナースに確認している。
「修正したぞ」
トシキ先生が現れた。
「え?」
「治療を修正した」
トドロキ医長が現れた。
「主治医には、主治医の考えがあるんだ!」
「それは一人前が言う言葉だ」
トシキ先生は相変わらず自信満々だ。
「ましてや医長の僕に連絡もなく・・」
「医長は俺になった」
「うそ?」
「品川が決めた」
「うそ・・」
「ウソなんか言うかよ・・ハハハ」
トシキ先生は後ろのシロー先生をひきつれ、医局へ戻っていった。彼らももうフラフラだ。
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