シロー先生は満足げに、自宅へ戻った。

「ただいま!」
「あら」
ワイフが出てきた。

「今日は機嫌、いいのね」
「そう!」
「患者さんが良くなったとか・・?」
「そうだな。それもある」

シローは上着を脱ぎ、エモンかけにつるした。

「自分って、変えれるもんだな」
「?」
「自分が変われば、周りも変われる」
「?」

いつも通り、テレビのスイッチを入れる。
彼は少しためらいながら、またスイッチを消した。

「僕は時々君を怒ったり、困らせたりだけど」
「ううん、あたしだって・・」
「もしあっても聞き流して。それって小さな問題だ」
「・・・・」
「毎日こうして、生きて家に帰る」
「・・・・」
「それがすごく、すばらしいと思う」

彼の言葉で、彼らのわだかまりは一瞬にして消えた。

シローは彼女の大き目のお腹を、ゆっくりとさすった。


<この道を選んで、よかったよ・・・>




     シローの思い出に。

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