新感覚・医学講座を実演中!
2005年2月15日「起立!」
「・・・寒くなったのお!」
「着席!」
「こら!礼をせんか!礼を!」
「れ、礼!」
「学級委員だけ、立っとれ!」
みな着席。
「今日はなあ、みんなの苦手な、すい臓についてじゃ。テキストの238ページ!おっと待て!閉じろ!伏せて!」
みな本を開いたまま裏返し。
「小川。すい臓の病気で代表的なのは?」
「はい。膵炎、膵癌です」
「ん、まあよかろう。で、」
「あと膵のう胞と」
「待て待て待て!わしがまだ喋っとるっちゅうに!」
「すみません」
「すみませんでは済まぬわ!立っとれ!」
小川君は立たされた。
「腹痛の患者の20人に1人が急性膵炎。これは膵臓の中にある消化液が、なんと膵臓そのものを溶かしてしまうという恐ろしい病気じゃな。小川くん!」
「はい、そうです」
「じゃあそれを調べるには、何を測定する?」
「測定・・」
「身長?体重?」
教室中に笑いが巻き起こった。
「はい。今大笑いしていた学級委員さん!」
「あ、はい・・」
「笑えるくらい簡単じゃな。じゃあ答えよ」
「アミラーゼ」
「ちゃんと目上の方に対して答えるときは、<はい!○○です!>と丁寧に!これが面接試験やったら落ちてるぞ!お前!」
「い、言い直します。アミラーゼです!」
「もう遅いワイ。アミラーゼな。ほかに、上がる酵素は?」
「ほかに・・・あ、リパーゼ!」
「・・・」
「りり、リパーゼです!」
「どう違うの?」
「あっ・・」
沈黙が支配した。
「わしの質問は、そこなんじゃ!そこ!」
「違い・・」
「そうじゃ。違いの分かる男。マイルドブレンド」
「マイルド・・」
「パラパ〜(CMの歌)パ〜パラパ〜パラパ〜・・」
「・・・」
「パ〜パラパ〜、ア〜〜〜〜!」
後ろの隅で拍手が聞こえる。
「誰や?今、拍手したやつ!」
「はい・・」
女学生がおそるおそる手を挙げた。
「じゃあ、今度は君。リパーゼとアミラーゼの違い」
「はい。アミラーゼは検査結果がたいていその日に分かりますが、リパーゼのほうは数日かかることが多いです」
「測定機械の問題ということじゃな。で?」
「アミラーゼの場合、急性膵炎が発症して3日くらい経ってしまうと正常化してしまうことがあります。リパーゼは長期に渡り高値が持続します」
「それはなぜに?」
「半減期の問題です」
「ん〜!こうスラスラ言われると、気持ちがええわい。ほんと、彼女の爪の垢を煎じて、こいつらに飲ませてくれるわ!なあ小川!学級委員!で?彼女。ということは」
「はい」
「膵炎を起こして日にちが経ってそうな患者の場合、アミラーゼが正常でリパーゼが異常ってことが、ありうるわけだな?」
「そうです。なので最初からいっしょに測定しても」
「わしもいいと思うな。よく聞いとけよ!立ちんぼ組!」
2人は立たされたまま、授業は進行した。
「小川。チャンスをやろう。次は膵癌」
「はい」
「この中で見落としやすいのは?」
「体尾部癌です!」
「分かるように説明せんかい!」
「す、膵臓をピストルに例えますと・・」
「こら!わしに向けるな!」
小川君は右手の親指・人差し指・中指を立て、あとはグーでみぞおちの部分に当てた。
「小川。親指は下向き!」
「あ、はい」
小川君は手首をねじった。
「ちゃんと曲げて!」
「いてて・・」
「この軟弱者が!ゲームばっかりするからじゃ!で・・人差し指・中指以外のところが膵頭部。ここの癌は比較的早く見つかる。比較的な」
「いたた・・」
「だが、超音波やCTでも見つけにくいのが、この2指のところ。根元が膵体部。指先が、膵尾部!発見された時点でかなり進行している」
「てて!」
小川君は手を元に戻した。
「小川。早期発見が必要な病気じゃ」
「そうですね」
「お前に<そうですね>呼ばわりなど!」
「は、はい!」
「どうやって見つけるべきだ?」
「しゅ、腫瘍マーカー・・」
「具体的には?」
「し、CA19-9。です!」
「せいぜい半分でしか上がらんと聞くぞ!」
「・・・」
「学級委員!」
「はい!膵管です!」
「ばか者!何の検査かを聞いとるのに!」
「あ!ちょ、超音波です!」
「超音波検査で、膵管の・・何を見る?」
「膵管の・・・」
「まだ立っとれ!ボケチン!答えは≪膵管の拡張≫!小川は座っていい」
小川君は着席。
「じゃあ学級委員。もし君がその下手な超音波をやって、膵臓がんを疑った場合は・・?」
「CTをします」
「ほお。CTで見た目、異常がなかったら納得かね?」
「そそ、それは」
「君は超音波で疑ったわけじゃぞ。ならもう少し突っ込んでも・・」
「MRI」
「ん。膵臓の場合それは?」
「・・・」
「さっきの彼女。答えを」
女生徒は余裕で答えた。
「MRCPです」
「よろしい!君と授業すると、非常にスムース!そこで初めて、ERCPの内視鏡検査へといくわけだな」
「ただし体内金属がある場合はMRCPは受けられません」
「そっ、そこまで聞いてないわ!たっ・・・立っとれ!」
女生徒は立たされた。
「今日はこれで終わるが、MRCPは新しい検査じゃ。横になるだけで撮影できる。じゃがこの検査の存在すら知らない開業医が多い。なぜかの?学級委員」
「年だから?」
「開業医は年寄りだらけか?スカタン!」
「・・・」
「もうええもうええ!今度は抜き打ちテストじゃ!」
えええ〜!と教室に不満が広がる。
「新しい医学書を買わんとお目にかかれんからじゃよ!うわっはっは!」
同時にチャイムが鳴った。
「終わろう!」
「礼!」
「・・・寒くなったのお!」
「着席!」
「こら!礼をせんか!礼を!」
「れ、礼!」
「学級委員だけ、立っとれ!」
みな着席。
「今日はなあ、みんなの苦手な、すい臓についてじゃ。テキストの238ページ!おっと待て!閉じろ!伏せて!」
みな本を開いたまま裏返し。
「小川。すい臓の病気で代表的なのは?」
「はい。膵炎、膵癌です」
「ん、まあよかろう。で、」
「あと膵のう胞と」
「待て待て待て!わしがまだ喋っとるっちゅうに!」
「すみません」
「すみませんでは済まぬわ!立っとれ!」
小川君は立たされた。
「腹痛の患者の20人に1人が急性膵炎。これは膵臓の中にある消化液が、なんと膵臓そのものを溶かしてしまうという恐ろしい病気じゃな。小川くん!」
「はい、そうです」
「じゃあそれを調べるには、何を測定する?」
「測定・・」
「身長?体重?」
教室中に笑いが巻き起こった。
「はい。今大笑いしていた学級委員さん!」
「あ、はい・・」
「笑えるくらい簡単じゃな。じゃあ答えよ」
「アミラーゼ」
「ちゃんと目上の方に対して答えるときは、<はい!○○です!>と丁寧に!これが面接試験やったら落ちてるぞ!お前!」
「い、言い直します。アミラーゼです!」
「もう遅いワイ。アミラーゼな。ほかに、上がる酵素は?」
「ほかに・・・あ、リパーゼ!」
「・・・」
「りり、リパーゼです!」
「どう違うの?」
「あっ・・」
沈黙が支配した。
「わしの質問は、そこなんじゃ!そこ!」
「違い・・」
「そうじゃ。違いの分かる男。マイルドブレンド」
「マイルド・・」
「パラパ〜(CMの歌)パ〜パラパ〜パラパ〜・・」
「・・・」
「パ〜パラパ〜、ア〜〜〜〜!」
後ろの隅で拍手が聞こえる。
「誰や?今、拍手したやつ!」
「はい・・」
女学生がおそるおそる手を挙げた。
「じゃあ、今度は君。リパーゼとアミラーゼの違い」
「はい。アミラーゼは検査結果がたいていその日に分かりますが、リパーゼのほうは数日かかることが多いです」
「測定機械の問題ということじゃな。で?」
「アミラーゼの場合、急性膵炎が発症して3日くらい経ってしまうと正常化してしまうことがあります。リパーゼは長期に渡り高値が持続します」
「それはなぜに?」
「半減期の問題です」
「ん〜!こうスラスラ言われると、気持ちがええわい。ほんと、彼女の爪の垢を煎じて、こいつらに飲ませてくれるわ!なあ小川!学級委員!で?彼女。ということは」
「はい」
「膵炎を起こして日にちが経ってそうな患者の場合、アミラーゼが正常でリパーゼが異常ってことが、ありうるわけだな?」
「そうです。なので最初からいっしょに測定しても」
「わしもいいと思うな。よく聞いとけよ!立ちんぼ組!」
2人は立たされたまま、授業は進行した。
「小川。チャンスをやろう。次は膵癌」
「はい」
「この中で見落としやすいのは?」
「体尾部癌です!」
「分かるように説明せんかい!」
「す、膵臓をピストルに例えますと・・」
「こら!わしに向けるな!」
小川君は右手の親指・人差し指・中指を立て、あとはグーでみぞおちの部分に当てた。
「小川。親指は下向き!」
「あ、はい」
小川君は手首をねじった。
「ちゃんと曲げて!」
「いてて・・」
「この軟弱者が!ゲームばっかりするからじゃ!で・・人差し指・中指以外のところが膵頭部。ここの癌は比較的早く見つかる。比較的な」
「いたた・・」
「だが、超音波やCTでも見つけにくいのが、この2指のところ。根元が膵体部。指先が、膵尾部!発見された時点でかなり進行している」
「てて!」
小川君は手を元に戻した。
「小川。早期発見が必要な病気じゃ」
「そうですね」
「お前に<そうですね>呼ばわりなど!」
「は、はい!」
「どうやって見つけるべきだ?」
「しゅ、腫瘍マーカー・・」
「具体的には?」
「し、CA19-9。です!」
「せいぜい半分でしか上がらんと聞くぞ!」
「・・・」
「学級委員!」
「はい!膵管です!」
「ばか者!何の検査かを聞いとるのに!」
「あ!ちょ、超音波です!」
「超音波検査で、膵管の・・何を見る?」
「膵管の・・・」
「まだ立っとれ!ボケチン!答えは≪膵管の拡張≫!小川は座っていい」
小川君は着席。
「じゃあ学級委員。もし君がその下手な超音波をやって、膵臓がんを疑った場合は・・?」
「CTをします」
「ほお。CTで見た目、異常がなかったら納得かね?」
「そそ、それは」
「君は超音波で疑ったわけじゃぞ。ならもう少し突っ込んでも・・」
「MRI」
「ん。膵臓の場合それは?」
「・・・」
「さっきの彼女。答えを」
女生徒は余裕で答えた。
「MRCPです」
「よろしい!君と授業すると、非常にスムース!そこで初めて、ERCPの内視鏡検査へといくわけだな」
「ただし体内金属がある場合はMRCPは受けられません」
「そっ、そこまで聞いてないわ!たっ・・・立っとれ!」
女生徒は立たされた。
「今日はこれで終わるが、MRCPは新しい検査じゃ。横になるだけで撮影できる。じゃがこの検査の存在すら知らない開業医が多い。なぜかの?学級委員」
「年だから?」
「開業医は年寄りだらけか?スカタン!」
「・・・」
「もうええもうええ!今度は抜き打ちテストじゃ!」
えええ〜!と教室に不満が広がる。
「新しい医学書を買わんとお目にかかれんからじゃよ!うわっはっは!」
同時にチャイムが鳴った。
「終わろう!」
「礼!」
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