プライベート・ナイやん 3-4 ちょっとANCA!
2005年4月12日「染色パターンよりP-ANCA(核周辺型)とC-ANCA(細胞質型)に分けられます。C-ANCAはWG(ウェゲナー肉芽腫症)で高率に陽性となります。
頻度は80-90%。活動性、つまり病状の推移を反映します」
肉芽腫っていうのは・・・何かの炎症に対して体が免疫攻撃、その結果固体として残ったもの。マクロファージの集合体。顕微鏡で見えるくらい小さいブツブツ形をイメージ。
おとなしいものと思われがちだが、これが内臓の中にできると炎症を起こして厄介だ。代表的なのは『サルコイドーシス』。
自己免疫疾患の1つだ。http://jssog.room.ne.jp/といった学会まで存在する。
さて、壊死性血管炎を伴う肉芽腫性疾患(2つある)というのが、まず↓
□ Wegener肉芽腫症 ・・ 肉芽腫が出来る場所が割と限定され、結果的に
? 上気道 ? 肺 ? 腎 の症状が出る。
? 上気道症状・・特に鼻の症状
? 肺・・血痰・呼吸困難
? 腎・・ 糸球体腎炎。蛋白尿・血尿・膿尿など
「他にC-ANCAの陽性率が高い疾患は?」
後ろの誰かが質問した。
「MPAですね。=顕微鏡的多発血管炎。でも50%しか検出しません・・・次。次はP-ANCAのほうね。こちらはWGでは20%と低いが、さきほどのMPA、それからAGA(アレルギー性肉芽腫性血管炎)ではそれぞれ50-75%、70%と高い陽性率を示す」
もう1つの、壊死性血管炎を伴う肉芽腫性疾患が・・↓
□ AGA = ( 気管支喘息 +好酸球増加:2000以上! ) → 血管炎(肺の出血・間質性肺炎、腎臓は腎炎、あと皮下・消化管出血)。
多発単神経炎が高率に合併。
血管を一部直接採取して顕微鏡で見る<生検>で確定診断、ということになる。確定診断すればAGA、そこまでいかなければ
<Churg-Strauss症候群>と表現。
気管支喘息だったら、ふつう好酸球は増加するのは誰でも知ってる。だがその後に血管炎が起きてくる予想なんて立てれるかどうか・・。
すると何か、喘息発作の時点で好酸球を至急で測定すること、また発作が軽快するまでは連日受診してもらう必要があるわけか。
『血管炎になる場合もありますよ』って説明したら余計不安だろうしな・・。
難しいな、それ。
「みんな、分かってるだろね」
赤井先生が振り向いた。
「いろんな疾患名が出てきたぞ。これらの疾患は非常によく似通っているわけだね。侵される血管が最小の動脈で、臨床症状も似てる」
みんなメモを必死に取り出した。壇上のレジデントは続ける。
「これらMPA、WG、AGAの御三家を合わせて、ANCA関連血管炎というのです」
何だ、そうなのかよ。最初に言ってくれよ。だがなんとなく分かった気がする。
「全身の血管炎ですので、全身の臓器症状が出ます。そのような印象を受けた場合、これらANCA関連血管炎も念頭に置いて、P-ANCA・C-ANCAの
測定をオーダーするべきです」
クタクタだ。これでやっと午前中分が終了。といっても2時だ。
医局へ向かうと、後ろからアパムがついてくる。
「アパ・・・弘田先生。昼食はどこで?」
「しょ、職員しょく・・」
「職員食堂?」
地下の食堂だ。すでに大勢が集まっている。あちこちで活発な議論が。
僕らは静かなところに座った。
「弘田先生。医局はどこ?」
「ほほ、北陸の・・」
「地元がここ?」
「うん・・はい」
そういや、父親が町長だったな。
「座るね」
ヒロスエ似だ。気になる存在だ。研修医のときも、こういうクールな女医いたよな・・。
「ユウキ先生。民間病院ではどうなの?」
「は?」
「どんな・・暮らし?」
「君は・・・ここで修行し続けるの?」
「あたし?そんなわけ、ないじゃない」
「じゃあ修行が終わったら・・」
「大学へは戻らないわ」
「そうなの・・」
「あそこへ戻ったら、臨床はできないし」
そうだな・・。
最近、医者の大学医局離れが流行しているようだ。
でも雇ってくれる病院って・・・大丈夫なのかな。
「ああゴメンゴメン。民間病院の暮らし、ね」
「そうそう」
「給料はいいと思う。それに・・」
周囲に人だかりが出来始めた。なんだ、こいつら・・。
無視だ。
「手続きがめんどくない。治験もカンファもほとんどやらないから、患者を診ることに
かなり時間をかけれる」
療養病棟で働いてる奴が言える事かよ。トホホ・・。
「検査も治療も積極的にやれる」
「それっていい事?」
「大事な内容はも、もちろん上の先生に一言いるとは思うけど・・」
「へえ。じゃ、ユウキ先生は1人であれこれ自由にやってるんだー」
「そ、そこまでテキパキとは・・」
「カテは何例?気管支鏡も?胃カメラも?」
「そ、それは・・」
「何でもさせてもらえるのよね?」
「う、うん・・」
「みんな和気アイアイで?アットホーム?」
「そうかなあ・・」
「上下関係もあまりなく?」
「かな・・」
だんだん自信がなくなってきた。
「夜間の居残りもあまりないのよね?」
「ま、義務ではないけど・・」
「当直医が1人で当番するんでしょ?」
「ま、まあね。他のドクターは帰る」
「そっか。ここみたいに連日徹夜じゃないわけね」
周りのレジデントたちがうなずいた。
そのうちの1人がつぶやいた。
「ユウキ先生の病院・・どこですか?僕、興味あります」
「僕も!」「僕も!」
応募が殺到した。
「その話はまた・・」
僕は食器を片付け、出ようとした。
「いいオーベンに当たったな!アパム!」
レジデントの1人が弘田先生をからかった。
食堂を出て医局へ行くと、赤井先生が待っていた。
「病棟の回診が済んだら、例の・・」
「?」
「職員の家へ」
「夜はそこで介護でしたね」
「そう。週1回」
「職員・・・ナースの方ですか?」
彼は少しとまどっていた。
「・・・院長」
「ええっ?」
ちょっとアンカ、いやアンタ・・素(す)でそんなこと、言うなよ。
ANCA関連血管炎 WG + AGA + MPA
どう覚えようかな・・。
アンタ は(わ) アジャパー!
ANCA WG AGA MPA
ウッシッシー パンパ がええ!
WG C-ANCA高率 P-ANCA高率 MPA AGA
<C3PO> ・・ C-ANCAはPR3-ANCAのほう
苦しいな・・。アジャパー、ってどれくらいの人が知ってるのか・・『かいけつゾロリ』。
頻度は80-90%。活動性、つまり病状の推移を反映します」
肉芽腫っていうのは・・・何かの炎症に対して体が免疫攻撃、その結果固体として残ったもの。マクロファージの集合体。顕微鏡で見えるくらい小さいブツブツ形をイメージ。
おとなしいものと思われがちだが、これが内臓の中にできると炎症を起こして厄介だ。代表的なのは『サルコイドーシス』。
自己免疫疾患の1つだ。http://jssog.room.ne.jp/といった学会まで存在する。
さて、壊死性血管炎を伴う肉芽腫性疾患(2つある)というのが、まず↓
□ Wegener肉芽腫症 ・・ 肉芽腫が出来る場所が割と限定され、結果的に
? 上気道 ? 肺 ? 腎 の症状が出る。
? 上気道症状・・特に鼻の症状
? 肺・・血痰・呼吸困難
? 腎・・ 糸球体腎炎。蛋白尿・血尿・膿尿など
「他にC-ANCAの陽性率が高い疾患は?」
後ろの誰かが質問した。
「MPAですね。=顕微鏡的多発血管炎。でも50%しか検出しません・・・次。次はP-ANCAのほうね。こちらはWGでは20%と低いが、さきほどのMPA、それからAGA(アレルギー性肉芽腫性血管炎)ではそれぞれ50-75%、70%と高い陽性率を示す」
もう1つの、壊死性血管炎を伴う肉芽腫性疾患が・・↓
□ AGA = ( 気管支喘息 +好酸球増加:2000以上! ) → 血管炎(肺の出血・間質性肺炎、腎臓は腎炎、あと皮下・消化管出血)。
多発単神経炎が高率に合併。
血管を一部直接採取して顕微鏡で見る<生検>で確定診断、ということになる。確定診断すればAGA、そこまでいかなければ
<Churg-Strauss症候群>と表現。
気管支喘息だったら、ふつう好酸球は増加するのは誰でも知ってる。だがその後に血管炎が起きてくる予想なんて立てれるかどうか・・。
すると何か、喘息発作の時点で好酸球を至急で測定すること、また発作が軽快するまでは連日受診してもらう必要があるわけか。
『血管炎になる場合もありますよ』って説明したら余計不安だろうしな・・。
難しいな、それ。
「みんな、分かってるだろね」
赤井先生が振り向いた。
「いろんな疾患名が出てきたぞ。これらの疾患は非常によく似通っているわけだね。侵される血管が最小の動脈で、臨床症状も似てる」
みんなメモを必死に取り出した。壇上のレジデントは続ける。
「これらMPA、WG、AGAの御三家を合わせて、ANCA関連血管炎というのです」
何だ、そうなのかよ。最初に言ってくれよ。だがなんとなく分かった気がする。
「全身の血管炎ですので、全身の臓器症状が出ます。そのような印象を受けた場合、これらANCA関連血管炎も念頭に置いて、P-ANCA・C-ANCAの
測定をオーダーするべきです」
クタクタだ。これでやっと午前中分が終了。といっても2時だ。
医局へ向かうと、後ろからアパムがついてくる。
「アパ・・・弘田先生。昼食はどこで?」
「しょ、職員しょく・・」
「職員食堂?」
地下の食堂だ。すでに大勢が集まっている。あちこちで活発な議論が。
僕らは静かなところに座った。
「弘田先生。医局はどこ?」
「ほほ、北陸の・・」
「地元がここ?」
「うん・・はい」
そういや、父親が町長だったな。
「座るね」
ヒロスエ似だ。気になる存在だ。研修医のときも、こういうクールな女医いたよな・・。
「ユウキ先生。民間病院ではどうなの?」
「は?」
「どんな・・暮らし?」
「君は・・・ここで修行し続けるの?」
「あたし?そんなわけ、ないじゃない」
「じゃあ修行が終わったら・・」
「大学へは戻らないわ」
「そうなの・・」
「あそこへ戻ったら、臨床はできないし」
そうだな・・。
最近、医者の大学医局離れが流行しているようだ。
でも雇ってくれる病院って・・・大丈夫なのかな。
「ああゴメンゴメン。民間病院の暮らし、ね」
「そうそう」
「給料はいいと思う。それに・・」
周囲に人だかりが出来始めた。なんだ、こいつら・・。
無視だ。
「手続きがめんどくない。治験もカンファもほとんどやらないから、患者を診ることに
かなり時間をかけれる」
療養病棟で働いてる奴が言える事かよ。トホホ・・。
「検査も治療も積極的にやれる」
「それっていい事?」
「大事な内容はも、もちろん上の先生に一言いるとは思うけど・・」
「へえ。じゃ、ユウキ先生は1人であれこれ自由にやってるんだー」
「そ、そこまでテキパキとは・・」
「カテは何例?気管支鏡も?胃カメラも?」
「そ、それは・・」
「何でもさせてもらえるのよね?」
「う、うん・・」
「みんな和気アイアイで?アットホーム?」
「そうかなあ・・」
「上下関係もあまりなく?」
「かな・・」
だんだん自信がなくなってきた。
「夜間の居残りもあまりないのよね?」
「ま、義務ではないけど・・」
「当直医が1人で当番するんでしょ?」
「ま、まあね。他のドクターは帰る」
「そっか。ここみたいに連日徹夜じゃないわけね」
周りのレジデントたちがうなずいた。
そのうちの1人がつぶやいた。
「ユウキ先生の病院・・どこですか?僕、興味あります」
「僕も!」「僕も!」
応募が殺到した。
「その話はまた・・」
僕は食器を片付け、出ようとした。
「いいオーベンに当たったな!アパム!」
レジデントの1人が弘田先生をからかった。
食堂を出て医局へ行くと、赤井先生が待っていた。
「病棟の回診が済んだら、例の・・」
「?」
「職員の家へ」
「夜はそこで介護でしたね」
「そう。週1回」
「職員・・・ナースの方ですか?」
彼は少しとまどっていた。
「・・・院長」
「ええっ?」
ちょっとアンカ、いやアンタ・・素(す)でそんなこと、言うなよ。
ANCA関連血管炎 WG + AGA + MPA
どう覚えようかな・・。
アンタ は(わ) アジャパー!
ANCA WG AGA MPA
ウッシッシー パンパ がええ!
WG C-ANCA高率 P-ANCA高率 MPA AGA
<C3PO> ・・ C-ANCAはPR3-ANCAのほう
苦しいな・・。アジャパー、ってどれくらいの人が知ってるのか・・『かいけつゾロリ』。
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