プライベート・ナイやん 4-6 あと一ヶ月・・・!
2005年5月11日品川事務員は、ホワイトボードにマジックを押し当てた。
僕は1歩下がって見上げていた。
「大学病院以外の病院事情は、私にお任せを」
「そ、そうだよ。詳しそうだからこうやって相談してるんだ」
「大学人事から離れれば・・ユウキ先生はもう一個人です」
「ふむ・・」
「つまりユウキ先生の実力そのものが、個人の評価になります」
「・・・・・」
「実力がない人間を、ずっと置いておけますか?」
「いつでもクビにできるんだよな」
「そりゃそうです。誰も文句はいいません」
「大学人事なら・・」
「そう。大学医局が黙っておかない。たとえ能無しのペーペーでもね」
「俺の顔見て、言うな!」
しかし参考になる話だ。
「大学の関連病院っていうのは、こうして大学から脅されてるも同じです。なぜか?」
「そりゃ・・」
「そう!大学人事に歯向かえば、その関連病院は冷遇されてしまうからです!」
「大学から守られてる医者は相当いそうだな」
「そう!」
「やっぱ大学にいようかな・・」
「待て!」
彼は青筋を立てながらホワイトボードを叩いた。
「ユウキ先生。もし大学医局から離れるなら・・」
「や、やっぱ不安だよ」
「私が応援しますさかい」
「何、大阪人ぶってんだよ?」
「ユウキ先生は独身ですよね?」
「ああ・・」
僕はタジタジだった。彼のオーラはものすごい。
「大学から離れても、人間関係のほうは・・」
「そうだな。親友って奴はいないな。野中は宿敵だし。悲しい・・」
「さっきの三品先生の話みたいな、女性関係とか・・・結婚前提の」
「ああそれか。川口っていう、本気で好きな子はいたよ。研修医のとき」
「振られたんですね」
「ま。そうなんだろな・・・」
「かわいそうに」
「おいおい?何の話をしてるんだ?」
彼はメモをしだした。
「ユウキ先生。1つ教えてあげようか」
「何、ため口してんだよ?」
「ここの病院も・・・あと1ヶ月も持ちませんよ」
「そうなの?」
「買取りが決まってます」
「へえ?ここも買い取られるの?どうなってんだ一体?」
彼は何もかも知ってそうだったが、口をつぐんだ。
「品川くん。実は1箇所、誘われてるところが・・」
「ほう?どこです?」
「真田病院って知ってる?」
「ええ」
「さすがだな」
「知ってるもなにも・・・・私が面接したところです」
「面接?いつ?」
「ついこの前。再就職先としてね」
「何だよ。品川君も、ここ辞めるのかよ」
「潰れるような病院に、いたくはないしね。あ、でも面接の結果はまだですよ」
僕と彼、場合によっては同じ病院で働くのか・・。
これは偶然なのか、それとも・・・。
それにしても、三品先生はかわいそうだな。
転勤早々、病院が潰れるなんて・・。
僕は品川くんに礼をした。
「ありがとう。さっきは・・」
「え?」
「すまなかった」
「何をおっしゃる。ユウキ先生・・僕らは友達です!」
彼はエリを正して消えていった。
「そうだ・・ユウキ先生!」
「ん?」
「救急病院、あそこも買い取られ・・ご存知ですよね?」
「ああ」
「早期退職がかなり多くて、人手不足らしいですよ」
「お願いしてみようかな。あと一ヶ月間・・」
「私が連絡しておきます。いけるでしょう、多分」
「す、すまん!」
こうして、再び僕はあと1ヶ月間、バイト先に向かうことができた。
しかし理由は・・・学びたいということだけではなかった。
言葉にするなら・・<彼女に会い続けたい>ったからだ。
大学病院に関しては素直に人事に従い、時期をみて医局を去り
新しい民間病院で勤務する方針とした。
ここももう、あと一ヶ月・・・。
僕は1歩下がって見上げていた。
「大学病院以外の病院事情は、私にお任せを」
「そ、そうだよ。詳しそうだからこうやって相談してるんだ」
「大学人事から離れれば・・ユウキ先生はもう一個人です」
「ふむ・・」
「つまりユウキ先生の実力そのものが、個人の評価になります」
「・・・・・」
「実力がない人間を、ずっと置いておけますか?」
「いつでもクビにできるんだよな」
「そりゃそうです。誰も文句はいいません」
「大学人事なら・・」
「そう。大学医局が黙っておかない。たとえ能無しのペーペーでもね」
「俺の顔見て、言うな!」
しかし参考になる話だ。
「大学の関連病院っていうのは、こうして大学から脅されてるも同じです。なぜか?」
「そりゃ・・」
「そう!大学人事に歯向かえば、その関連病院は冷遇されてしまうからです!」
「大学から守られてる医者は相当いそうだな」
「そう!」
「やっぱ大学にいようかな・・」
「待て!」
彼は青筋を立てながらホワイトボードを叩いた。
「ユウキ先生。もし大学医局から離れるなら・・」
「や、やっぱ不安だよ」
「私が応援しますさかい」
「何、大阪人ぶってんだよ?」
「ユウキ先生は独身ですよね?」
「ああ・・」
僕はタジタジだった。彼のオーラはものすごい。
「大学から離れても、人間関係のほうは・・」
「そうだな。親友って奴はいないな。野中は宿敵だし。悲しい・・」
「さっきの三品先生の話みたいな、女性関係とか・・・結婚前提の」
「ああそれか。川口っていう、本気で好きな子はいたよ。研修医のとき」
「振られたんですね」
「ま。そうなんだろな・・・」
「かわいそうに」
「おいおい?何の話をしてるんだ?」
彼はメモをしだした。
「ユウキ先生。1つ教えてあげようか」
「何、ため口してんだよ?」
「ここの病院も・・・あと1ヶ月も持ちませんよ」
「そうなの?」
「買取りが決まってます」
「へえ?ここも買い取られるの?どうなってんだ一体?」
彼は何もかも知ってそうだったが、口をつぐんだ。
「品川くん。実は1箇所、誘われてるところが・・」
「ほう?どこです?」
「真田病院って知ってる?」
「ええ」
「さすがだな」
「知ってるもなにも・・・・私が面接したところです」
「面接?いつ?」
「ついこの前。再就職先としてね」
「何だよ。品川君も、ここ辞めるのかよ」
「潰れるような病院に、いたくはないしね。あ、でも面接の結果はまだですよ」
僕と彼、場合によっては同じ病院で働くのか・・。
これは偶然なのか、それとも・・・。
それにしても、三品先生はかわいそうだな。
転勤早々、病院が潰れるなんて・・。
僕は品川くんに礼をした。
「ありがとう。さっきは・・」
「え?」
「すまなかった」
「何をおっしゃる。ユウキ先生・・僕らは友達です!」
彼はエリを正して消えていった。
「そうだ・・ユウキ先生!」
「ん?」
「救急病院、あそこも買い取られ・・ご存知ですよね?」
「ああ」
「早期退職がかなり多くて、人手不足らしいですよ」
「お願いしてみようかな。あと一ヶ月間・・」
「私が連絡しておきます。いけるでしょう、多分」
「す、すまん!」
こうして、再び僕はあと1ヶ月間、バイト先に向かうことができた。
しかし理由は・・・学びたいということだけではなかった。
言葉にするなら・・<彼女に会い続けたい>ったからだ。
大学病院に関しては素直に人事に従い、時期をみて医局を去り
新しい民間病院で勤務する方針とした。
ここももう、あと一ヶ月・・・。
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