プライベート・ナイやん 4-11 面接へ
2005年5月13日僕は例のごとく遅刻でやってきた。
「おはよう!」
品川くんが大きな声で挨拶してきた。
「しっ!うるさい・・!」
「朝帰りで?」
「なにが!バイト先からの帰りだ!」
僕は外来を素通りし、医局へ向かった。
医局では三品先生がパソコンをいじっていた。
「ユウキ。i-MACってすげえ売れてるな」
「アイマック・・」
「何だ?知らないのか?」
「僕はパソコンは・・」
「お前、大学戻ったら大変だぞ。スライド作りとか」
「どうやって学んだらいいのか」
「まずパソコンを買う!買わないと!」
彼は手を休めた。
「うちの大学じゃ、パソコン使えないと遅れを取るぞ」
遅れをとった先生の言葉だ。
「ったく、島のヤツ・・!」
「しま?」
「え?ああ。俺達の医局に入ったヤツだ」
「レジデントですか」
「お前のあと入ってきたヤツだと思う」
彼はなにやら苛立っているようだ。
「俺が関連病院で落ち着いたら、アイツを大学ごと潰してやる!」
なにか雰囲気がホンモノっぽい。何かあったのか・・。
彼はテレビのところへ歩き、プレステをセットした。
「なあにがおい!<カラテやってました>だ!」
彼は『ギャラクシアン』を始めた。
「ユウキ!副院長がやってきそうなら教えろ!」
彼は慣れた操作で、1面目を難なくクリアした。
「来い島!来い!」
暗い人だな・・。
「三品先生。真田病院っていう病院?」
「なに?ああっ!」
隙をつかれたのか、三品先生の戦闘機はドカーン、と爆破された。
「話しかけるな!大事なときに!」
「すみません・・」
「パープルエイリアンのときは特にな!」
「パープル・・?」
気配を感じさせず、品川くんが僕の背後にいた。
「ユウキ先生・・・面接はいつ?」
「3日後」
「急いだほうがいいですよ」
「わかってる。でもいったん大学に戻るから」
「・・・そうでしたね」
三品先生は4面目に突入した。
「ああくそ!2面目でしくじったのがなあ!尾を引いてる!で?
真田病院だって?おいおい、あそこは・・・!」
「?」
「やめとけ。恐ろしいところだぞ」
「・・・」
品川くんが配慮したのか、少しムカッとしたようだ。
「お言葉ですが・・何か苦情でも?」
「おっと!いたのか品川!うわあ!」
彼は2機目を失った。
「品川!交代!」
彼はコントロールを品川くんに渡した。
「僕はギャラガ世代なので・・・切り替えます」
三品先生はタバコに火をつけ、天井に煙った。
「ユウキ・・まさかお前」
「いやその・・・患者さんを紹介しようと」
「そうか。ならいいが。あそこはうちの医局員が何人か行ったんだ」
「そうなんですか?」
「そりゃ検査などは充実してるし、やれないことは殆どないさ」
「・・・」
「だがな。そこで何人潰されてるか知ってるか?」
「そうですか・・」
「ユウキ先生!参考程度ですよ!そんな話!」
ゲームに興じながら品川くんは叫んだ。
「噂はあくまでも噂!」
彼の戦闘機は2機くっついている。
「やるな!」
三品先生は画面を見入った。
「ユウキ。ヘンな気は起こすな」
「ですから、僕は・・・」
「なあに。誰でも考えるもんだ。金や自由につられてな」
「・・・・・」
「だが長続きはせんよ。お互い大学からぬくぬくと守ってもらおうや!」
「わっ?」
2機のファイターは下から攻撃を受け、あっという間に1機になった。
動揺している間にその1機も撃破された。
「ああ・・・」
それは僕の将来を予見していた。
いよいよ、面接。その前に・・・。
僕は洗面器から顔を上げ、タオルで頭を拭いてもらっていた。
散髪屋だ。真田病院の近く。
「ドライヤーは・・・真ん中で2つに?」
「ええ。分けてください」
新入りに当たってしまい、有用な情報は何もないまま。
「お客さん。今度、聞いときましょうか?情報」
「いいよ。そこまでしなくても。ただ僕は評判を」
「ドクター・カーいうのがあるらしいね」
そう答えたのは2人向こうの若いお客だった。
「わしは胆石でかかったことがあるけど、すごく活気があったよ」
「活気・・」
「先生やナースの方々も、みんなええ人ばかりで」
「へえ・・・」
「募集が殺到しとるらしいわな」
大げさにも聞こえるが、どうやら悪い評判はないようだ。
借金の噂も、破産の噂も・・。
お金を払い、病院まで数分歩いていった。
そこの<真田理事長>と会う。
病院閉鎖まで、あと22日。
「おはよう!」
品川くんが大きな声で挨拶してきた。
「しっ!うるさい・・!」
「朝帰りで?」
「なにが!バイト先からの帰りだ!」
僕は外来を素通りし、医局へ向かった。
医局では三品先生がパソコンをいじっていた。
「ユウキ。i-MACってすげえ売れてるな」
「アイマック・・」
「何だ?知らないのか?」
「僕はパソコンは・・」
「お前、大学戻ったら大変だぞ。スライド作りとか」
「どうやって学んだらいいのか」
「まずパソコンを買う!買わないと!」
彼は手を休めた。
「うちの大学じゃ、パソコン使えないと遅れを取るぞ」
遅れをとった先生の言葉だ。
「ったく、島のヤツ・・!」
「しま?」
「え?ああ。俺達の医局に入ったヤツだ」
「レジデントですか」
「お前のあと入ってきたヤツだと思う」
彼はなにやら苛立っているようだ。
「俺が関連病院で落ち着いたら、アイツを大学ごと潰してやる!」
なにか雰囲気がホンモノっぽい。何かあったのか・・。
彼はテレビのところへ歩き、プレステをセットした。
「なあにがおい!<カラテやってました>だ!」
彼は『ギャラクシアン』を始めた。
「ユウキ!副院長がやってきそうなら教えろ!」
彼は慣れた操作で、1面目を難なくクリアした。
「来い島!来い!」
暗い人だな・・。
「三品先生。真田病院っていう病院?」
「なに?ああっ!」
隙をつかれたのか、三品先生の戦闘機はドカーン、と爆破された。
「話しかけるな!大事なときに!」
「すみません・・」
「パープルエイリアンのときは特にな!」
「パープル・・?」
気配を感じさせず、品川くんが僕の背後にいた。
「ユウキ先生・・・面接はいつ?」
「3日後」
「急いだほうがいいですよ」
「わかってる。でもいったん大学に戻るから」
「・・・そうでしたね」
三品先生は4面目に突入した。
「ああくそ!2面目でしくじったのがなあ!尾を引いてる!で?
真田病院だって?おいおい、あそこは・・・!」
「?」
「やめとけ。恐ろしいところだぞ」
「・・・」
品川くんが配慮したのか、少しムカッとしたようだ。
「お言葉ですが・・何か苦情でも?」
「おっと!いたのか品川!うわあ!」
彼は2機目を失った。
「品川!交代!」
彼はコントロールを品川くんに渡した。
「僕はギャラガ世代なので・・・切り替えます」
三品先生はタバコに火をつけ、天井に煙った。
「ユウキ・・まさかお前」
「いやその・・・患者さんを紹介しようと」
「そうか。ならいいが。あそこはうちの医局員が何人か行ったんだ」
「そうなんですか?」
「そりゃ検査などは充実してるし、やれないことは殆どないさ」
「・・・」
「だがな。そこで何人潰されてるか知ってるか?」
「そうですか・・」
「ユウキ先生!参考程度ですよ!そんな話!」
ゲームに興じながら品川くんは叫んだ。
「噂はあくまでも噂!」
彼の戦闘機は2機くっついている。
「やるな!」
三品先生は画面を見入った。
「ユウキ。ヘンな気は起こすな」
「ですから、僕は・・・」
「なあに。誰でも考えるもんだ。金や自由につられてな」
「・・・・・」
「だが長続きはせんよ。お互い大学からぬくぬくと守ってもらおうや!」
「わっ?」
2機のファイターは下から攻撃を受け、あっという間に1機になった。
動揺している間にその1機も撃破された。
「ああ・・・」
それは僕の将来を予見していた。
いよいよ、面接。その前に・・・。
僕は洗面器から顔を上げ、タオルで頭を拭いてもらっていた。
散髪屋だ。真田病院の近く。
「ドライヤーは・・・真ん中で2つに?」
「ええ。分けてください」
新入りに当たってしまい、有用な情報は何もないまま。
「お客さん。今度、聞いときましょうか?情報」
「いいよ。そこまでしなくても。ただ僕は評判を」
「ドクター・カーいうのがあるらしいね」
そう答えたのは2人向こうの若いお客だった。
「わしは胆石でかかったことがあるけど、すごく活気があったよ」
「活気・・」
「先生やナースの方々も、みんなええ人ばかりで」
「へえ・・・」
「募集が殺到しとるらしいわな」
大げさにも聞こえるが、どうやら悪い評判はないようだ。
借金の噂も、破産の噂も・・。
お金を払い、病院まで数分歩いていった。
そこの<真田理事長>と会う。
病院閉鎖まで、あと22日。
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