2NDLINE 16
2005年6月29日シローは見送ったあとも不愉快を隠せなかった。
「なんだよ。僕は僕で、必死でやってるんだ!」
外来の終わった暗い部屋で、彼は事務長に怒りをぶつけていた。
「分かるよ。シロー先生。うんうん!」
事務長は真剣に話を聞いている。振りをしていた。
「いつまでもオーベン面して!なんだよ!」
「うんうん!そうだよね!オーベンヅラ!オーベンづらぜ!」
シローは大きく足踏みした。
「僕はもう、指導されるような立場じゃない!胃カメラや気管支鏡は1人でもできるようになったんだ!」
「助かります。先生のおかげで検査の件数も増えまして。先生のおかげです!先生がいなければ、ホント私ら路頭に迷わされて今頃は・・」
「相変わらず、君もゴマすりだね!」
「え?なして?」
「本音で語り合おうよ!事務長さんよ!」
「わ、私はいつも、本音ですって!」
「俺、家でも話し相手いないんだ!」
「奥さんがいるでしょう?それと生まれたばかりの・・」
「あ、ああ!」
シローは少し照れた。だがすぐにムキになった。
「女に話しても、ダメなんだよ。こういう話題は」
「そうですか?話してないだけでは?」
「話したよ。でも戻ってくる返事は同じ。<年上の先生のいうことだから、間違いない>って!だって!」
「そうだな、うんうん!」
「育児育児に追われて、こっちは生きてるのがやっとだ!」
「ん?」
「なんだよ?」
事務長はふとまた歌い始めた。
「生きてる・・・♪だ〜けで、あなた・・罪な男シャンシャンシャンシャン」
「な、なんだよ?」
「♪フフフフフフ〜ン、踊ればフンフン!フンフン!」
「何かあったの?いいこと?」
「♪関連!病院!見つけたのタンゴノワアアアア!」
「・・・関連病院の件、いけたのかい?よかったあ!」
シローの内線PHSが鳴る。
「もしもし?外来?終わったけど・・・?わかってる!わかってるって!」
『シロー先生。患者さん、まだ起きて待ってらっしゃる方が・・・!』
夜勤ナースからの催促だ。
『ユウキ先生とトシキ先生はもうすでに回診を済まされて・・』
「僕は外来があったんだ!今終わったんだ!メシも食べてない!わかってるよな!」
『ですが・・・重症の方の回診はせめて』
「はいはい!チルチル・ミチル婦長に言いつけられたら困るしな!」
シローは不機嫌のまま、病棟へ向かった。
「なんだよ。僕は僕で、必死でやってるんだ!」
外来の終わった暗い部屋で、彼は事務長に怒りをぶつけていた。
「分かるよ。シロー先生。うんうん!」
事務長は真剣に話を聞いている。振りをしていた。
「いつまでもオーベン面して!なんだよ!」
「うんうん!そうだよね!オーベンヅラ!オーベンづらぜ!」
シローは大きく足踏みした。
「僕はもう、指導されるような立場じゃない!胃カメラや気管支鏡は1人でもできるようになったんだ!」
「助かります。先生のおかげで検査の件数も増えまして。先生のおかげです!先生がいなければ、ホント私ら路頭に迷わされて今頃は・・」
「相変わらず、君もゴマすりだね!」
「え?なして?」
「本音で語り合おうよ!事務長さんよ!」
「わ、私はいつも、本音ですって!」
「俺、家でも話し相手いないんだ!」
「奥さんがいるでしょう?それと生まれたばかりの・・」
「あ、ああ!」
シローは少し照れた。だがすぐにムキになった。
「女に話しても、ダメなんだよ。こういう話題は」
「そうですか?話してないだけでは?」
「話したよ。でも戻ってくる返事は同じ。<年上の先生のいうことだから、間違いない>って!だって!」
「そうだな、うんうん!」
「育児育児に追われて、こっちは生きてるのがやっとだ!」
「ん?」
「なんだよ?」
事務長はふとまた歌い始めた。
「生きてる・・・♪だ〜けで、あなた・・罪な男シャンシャンシャンシャン」
「な、なんだよ?」
「♪フフフフフフ〜ン、踊ればフンフン!フンフン!」
「何かあったの?いいこと?」
「♪関連!病院!見つけたのタンゴノワアアアア!」
「・・・関連病院の件、いけたのかい?よかったあ!」
シローの内線PHSが鳴る。
「もしもし?外来?終わったけど・・・?わかってる!わかってるって!」
『シロー先生。患者さん、まだ起きて待ってらっしゃる方が・・・!』
夜勤ナースからの催促だ。
『ユウキ先生とトシキ先生はもうすでに回診を済まされて・・』
「僕は外来があったんだ!今終わったんだ!メシも食べてない!わかってるよな!」
『ですが・・・重症の方の回診はせめて』
「はいはい!チルチル・ミチル婦長に言いつけられたら困るしな!」
シローは不機嫌のまま、病棟へ向かった。
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