2NDLINE 18
2005年6月29日トドロキは後輩のハヤブサに肩を組んだ。
「今日は胃カメラ12件!楽勝だ!」
「先輩。CFが午後4件もあります・・」
「病棟は行けないな・・」
「電話指示でいいでしょう?いいですよね!」
「俺たちは働きすぎなんだよ!」
彼らは内視鏡室に入った。患者はすでにベッドに横になっている。
「ロヒプノール、注入!」
注射器から少量、うすめたロヒプノールが注入される。
中年男性患者は徐々に、うつろうつろに。
カメラは口元から・・・食道へ。3秒。
ハヤブサは機械的だが迅速に、カメラを回していった。
「食道・・OK。胃・・・」
十二指腸入り口。難なく入る。
患者の口から大きなゲップ。胃カメラから大量の空気が送り込まれるからだ。
「ナース。ブスコパンはしたのか?」
「グルカゴンです」
「緑内障か前立腺肥大でも?」
「不整脈」
「そうだったか。ナースが気づいてよかったな。ま、俺たちには循環器は、分からん!」
十二指腸下行脚から、球部へ戻り、境界のP-ring付近から胃を観察。
「胃角はシャープ!」
横でトドロキが生検の準備。
「表層性胃炎。ピロリはします?」
「する。2箇所生検!」
次の患者が、ナースによって検査前処置。
物凄い速さで検査は進んでいく。
事務長はちょろっと顔を出した。
「6例目の人がもう来てる。時間のことは伝えたか?」
「紙を渡しましたよ」
ナースが処置しながら答えた。
「おばあさんだぞ。紙を渡してそれで終わりではダメだ!」
「だって他には誰も・・」
「家族に連絡するとか!君はもうちょっと配慮を!」
事務長は部屋を出た。携帯が鳴ったのだ。
朝礼で指摘があったせいなのか、少しピリピリぎみの事務長だった。
「もしもし?」
『事務員、田中です。救急隊から搬送連絡あり』
事務長の両側を患者らが行きかう。
「受け入れろ」
『呼吸不全のようです。呼吸器がつく可能性が』
「とりあえず、受け入れろ!」
『いいんですか?』
「とりあえずだ!救急隊の言葉を、そのまま信じるな!」
彼はPHSをポッケにしまった。
『シロー先生は救急室へ!』
全館放送だ。
『シロー先生は救急室!』
「救急か」
僕は外来で患者を聴診していた。
「腹部は異常なし・・と」
右手でカルテ記入、左手は聴診器。
同時に動かす。
「じゃ、起きて」
高齢女性が起きる。
「じゃ、膀胱炎の薬を」
「尿検査しましょうよ」
「時間がなくて」
「尿の白血球だけでも!お願い!」
「抗生剤ください」
「しょうがないな・・!クラビット3錠、分3、7日分!」
事務長が回ってきた。
「ユウキ先生。抗生剤はできれば3日か多くても5日・・」
「膀胱炎起こす人は、しょっちゅう使うぞ」
「この前、保険でけっこう目をつけられて」
「わかったよ。気をつける。次から・・」
次の患者。不眠。50代女性。
「全然効きませんわ。あの薬」
「?昨日来たばっかりでしょう?」
「ユーロジンもドラールも、全然効きまへん!」
「うーん・・・」
「なかなか寝つけません!」
寝付けない・・か。
「じゃ、いったん眠ったらけっこう寝続けれる?」
「はい。寝るまでが」
「そっか。短時間作用型だな」
「は?」
「アモバン」
「オバン?失礼な」
「アモバン!」
「ああ、薬の名前ですか」
せっかちなオバサンは感謝して出て行った。
長短時間型 ・・ ハルシオン、マイスリー、アモバン → 入眠障害
短時間型 ・・ デパス、レンドルミン → 入眠障害
中間型 ・・ ユーロジン、ロヒプノール → 中途覚醒
長時間型 ・・ ベンザリン、ドラ−ル → 早期覚醒
代表的なのは覚えておく。
「今日は楽勝だな。次!」
「今日は胃カメラ12件!楽勝だ!」
「先輩。CFが午後4件もあります・・」
「病棟は行けないな・・」
「電話指示でいいでしょう?いいですよね!」
「俺たちは働きすぎなんだよ!」
彼らは内視鏡室に入った。患者はすでにベッドに横になっている。
「ロヒプノール、注入!」
注射器から少量、うすめたロヒプノールが注入される。
中年男性患者は徐々に、うつろうつろに。
カメラは口元から・・・食道へ。3秒。
ハヤブサは機械的だが迅速に、カメラを回していった。
「食道・・OK。胃・・・」
十二指腸入り口。難なく入る。
患者の口から大きなゲップ。胃カメラから大量の空気が送り込まれるからだ。
「ナース。ブスコパンはしたのか?」
「グルカゴンです」
「緑内障か前立腺肥大でも?」
「不整脈」
「そうだったか。ナースが気づいてよかったな。ま、俺たちには循環器は、分からん!」
十二指腸下行脚から、球部へ戻り、境界のP-ring付近から胃を観察。
「胃角はシャープ!」
横でトドロキが生検の準備。
「表層性胃炎。ピロリはします?」
「する。2箇所生検!」
次の患者が、ナースによって検査前処置。
物凄い速さで検査は進んでいく。
事務長はちょろっと顔を出した。
「6例目の人がもう来てる。時間のことは伝えたか?」
「紙を渡しましたよ」
ナースが処置しながら答えた。
「おばあさんだぞ。紙を渡してそれで終わりではダメだ!」
「だって他には誰も・・」
「家族に連絡するとか!君はもうちょっと配慮を!」
事務長は部屋を出た。携帯が鳴ったのだ。
朝礼で指摘があったせいなのか、少しピリピリぎみの事務長だった。
「もしもし?」
『事務員、田中です。救急隊から搬送連絡あり』
事務長の両側を患者らが行きかう。
「受け入れろ」
『呼吸不全のようです。呼吸器がつく可能性が』
「とりあえず、受け入れろ!」
『いいんですか?』
「とりあえずだ!救急隊の言葉を、そのまま信じるな!」
彼はPHSをポッケにしまった。
『シロー先生は救急室へ!』
全館放送だ。
『シロー先生は救急室!』
「救急か」
僕は外来で患者を聴診していた。
「腹部は異常なし・・と」
右手でカルテ記入、左手は聴診器。
同時に動かす。
「じゃ、起きて」
高齢女性が起きる。
「じゃ、膀胱炎の薬を」
「尿検査しましょうよ」
「時間がなくて」
「尿の白血球だけでも!お願い!」
「抗生剤ください」
「しょうがないな・・!クラビット3錠、分3、7日分!」
事務長が回ってきた。
「ユウキ先生。抗生剤はできれば3日か多くても5日・・」
「膀胱炎起こす人は、しょっちゅう使うぞ」
「この前、保険でけっこう目をつけられて」
「わかったよ。気をつける。次から・・」
次の患者。不眠。50代女性。
「全然効きませんわ。あの薬」
「?昨日来たばっかりでしょう?」
「ユーロジンもドラールも、全然効きまへん!」
「うーん・・・」
「なかなか寝つけません!」
寝付けない・・か。
「じゃ、いったん眠ったらけっこう寝続けれる?」
「はい。寝るまでが」
「そっか。短時間作用型だな」
「は?」
「アモバン」
「オバン?失礼な」
「アモバン!」
「ああ、薬の名前ですか」
せっかちなオバサンは感謝して出て行った。
長短時間型 ・・ ハルシオン、マイスリー、アモバン → 入眠障害
短時間型 ・・ デパス、レンドルミン → 入眠障害
中間型 ・・ ユーロジン、ロヒプノール → 中途覚醒
長時間型 ・・ ベンザリン、ドラ−ル → 早期覚醒
代表的なのは覚えておく。
「今日は楽勝だな。次!」
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