2NDLINE 41
2005年7月1日事務長は呼吸器を片手に、一般道・高速道間の仕切りの上を、おそるおそる登った。
ドクターズ・カーが再び登場し、急ストップした。ピートがトランクを開ける。
事務長は股を壁に挟んだまま。
「ここ、こわ・・」
「さあ!早く!降りろって!」
ドクターズ・カーも仕切りスレスレに停まっている。
「事務長!早く下に降りて、トランクへ呼吸器を入れるんだ!」
ピートの仕事・性格上、この場の行動もスタンドプレーだった。
ピートの後方の一般道後方は赤信号のためか、後続に車がいないの。それがラッキーだった。
「車がドッと押し寄せたら、大事故だぜ!」
ピートはトランクを片手で押し上げたまま、手を差し伸ばした。
「呼吸器を渡せ!」
事務長はゆっくり片足から着地していった。
「こ・・・こわ・・」
事務長は腹ばいになり、呼吸器を片手でゆっくり下へ下げていった。
「ててててて!」
軽量の呼吸器とはいえ、片手では無理のある重たさだ。
「よし!つかんだ!」
ピートは呼吸器を多少ぶつけながらも、トランク内へ素早く収納できた。
「アディオス!」
彼はトランクを閉めた。
「待っておくんなせえ!」
事務長は崩れるように一般道へ落ちた。
「おいおいオッサン!死ぬぞ!」
ピートは走って戻り、事務長の肩を背負った。
「いてててて!脱臼するだっきゅうする!」
カッターシャツに血が流れていく。頭部・背部などを強く打っており、顔が摩擦であちこち削れている。
「てててて!血が血が!オレの血!」
後方に爆音が聞こえてきた。
「事務長!暴走族だ!早く入れ!」
ピートは助手席を開け、中に入った。
「わかった。わあ!」
事務長は間一髪で入れた。
猛スピードのバイク数台が、車の左をブンブンと駆け抜けていく。
「くく・・・」
後続にヤンキー車が多数。煙を撒き散らしながらやってくる。
スピードを落とす気配は全く感じられない。
「ベルトしろ!」
ピートはエンジンをかけた。
「事務長!座る向きが反対!」
「ああ・・」
全身が痛くて、向きが変えられない。
「ダッシュするぞ・・・ダッシュ・・・ダッシュ・・・」
一瞬ためらったが、病院の姿が頭をよぎった。
「バンバンババン!だったっけ!」
彼は一回転、スポッと助手席に埋まった。
「出るぞ!」
ピートは急発進させ、ゴムの摩擦・匂いをアスファルトに刻み込んだ。
「はあ、はあ・・・」
埃と血でまみれた事務長の顔は、ホラー映画顔負けだった。
「事務長って、大変だな・・・」
彼は気絶するように、全身の力を抜いた。
「おい事務長!ブレーキだ!」
車の速度は徐々に落ちていった。下界は通行人による歩行者天国状態だ。
ピートはナビのボタンであれこれ調べた。
「通常ならあと5分で着くんだが・・」
片道4車線の道を真っ直ぐ行きたいところだが、信号待ちの車で詰まってきている。
「詰まってる。事務長。どうしたらいい?」
事務長はうつろうつろ、寝言を言い出した。
「つつ、つまってるなら、かんちょう・・」
「かんちょう?」
2人とも、かなり疲れていた。
ドクターズ・カーが再び登場し、急ストップした。ピートがトランクを開ける。
事務長は股を壁に挟んだまま。
「ここ、こわ・・」
「さあ!早く!降りろって!」
ドクターズ・カーも仕切りスレスレに停まっている。
「事務長!早く下に降りて、トランクへ呼吸器を入れるんだ!」
ピートの仕事・性格上、この場の行動もスタンドプレーだった。
ピートの後方の一般道後方は赤信号のためか、後続に車がいないの。それがラッキーだった。
「車がドッと押し寄せたら、大事故だぜ!」
ピートはトランクを片手で押し上げたまま、手を差し伸ばした。
「呼吸器を渡せ!」
事務長はゆっくり片足から着地していった。
「こ・・・こわ・・」
事務長は腹ばいになり、呼吸器を片手でゆっくり下へ下げていった。
「ててててて!」
軽量の呼吸器とはいえ、片手では無理のある重たさだ。
「よし!つかんだ!」
ピートは呼吸器を多少ぶつけながらも、トランク内へ素早く収納できた。
「アディオス!」
彼はトランクを閉めた。
「待っておくんなせえ!」
事務長は崩れるように一般道へ落ちた。
「おいおいオッサン!死ぬぞ!」
ピートは走って戻り、事務長の肩を背負った。
「いてててて!脱臼するだっきゅうする!」
カッターシャツに血が流れていく。頭部・背部などを強く打っており、顔が摩擦であちこち削れている。
「てててて!血が血が!オレの血!」
後方に爆音が聞こえてきた。
「事務長!暴走族だ!早く入れ!」
ピートは助手席を開け、中に入った。
「わかった。わあ!」
事務長は間一髪で入れた。
猛スピードのバイク数台が、車の左をブンブンと駆け抜けていく。
「くく・・・」
後続にヤンキー車が多数。煙を撒き散らしながらやってくる。
スピードを落とす気配は全く感じられない。
「ベルトしろ!」
ピートはエンジンをかけた。
「事務長!座る向きが反対!」
「ああ・・」
全身が痛くて、向きが変えられない。
「ダッシュするぞ・・・ダッシュ・・・ダッシュ・・・」
一瞬ためらったが、病院の姿が頭をよぎった。
「バンバンババン!だったっけ!」
彼は一回転、スポッと助手席に埋まった。
「出るぞ!」
ピートは急発進させ、ゴムの摩擦・匂いをアスファルトに刻み込んだ。
「はあ、はあ・・・」
埃と血でまみれた事務長の顔は、ホラー映画顔負けだった。
「事務長って、大変だな・・・」
彼は気絶するように、全身の力を抜いた。
「おい事務長!ブレーキだ!」
車の速度は徐々に落ちていった。下界は通行人による歩行者天国状態だ。
ピートはナビのボタンであれこれ調べた。
「通常ならあと5分で着くんだが・・」
片道4車線の道を真っ直ぐ行きたいところだが、信号待ちの車で詰まってきている。
「詰まってる。事務長。どうしたらいい?」
事務長はうつろうつろ、寝言を言い出した。
「つつ、つまってるなら、かんちょう・・」
「かんちょう?」
2人とも、かなり疲れていた。
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