2NDLINE  42

2005年7月1日
重症部屋ではひたすらアンビュー呼吸が施されている。

「あ!今は!」
ミチルの制止もきかず、家族は総出で部屋に入ってきた。

「ど、どうなってるんですか!」
長男が怒鳴り込んできた。
「うちのじいさんだけ、呼吸器が外された!外された!」
「それは・・」
アンビュー中のシローは困り果てていた。

他の家族が話しかけてきた。
「ひょっとして、病状がよくなったからですか?」
「それは、まずありません」

田中が動脈血測定を終えた。ミチルが奪い取った。
「二酸化炭素は、また下がってます。pHも改善中」
シローの手はくたびれていた。
「しかし。呼吸器はまだなのか・・・すみません。ミチルさん。代わって!」
孫が3人、ベッドを囲んだ。

「じいちゃん!がんばれ!」「じいちゃん!」「じいちゃん!」
「すまないけど、この子たちを・・・!」
シローは家族に部屋を出ることを指示したかった。

ミチルもこれには困った。
「処置中ですので!」

しかし子供たちは叫び続けた。
「じいちゃん!」「じいちゃん!」「じいちゃん!」「じいちゃん!」「じいちゃん!」

孫たちがあちこち占拠するため、そこらの物品が次々と床に落ちていく。

「うぬぬ・・・」シローはあちこち邪魔され、苛立った。

「じいちゃん!」「じいちゃん!」「じいちゃん!」「じいちゃん!」「じいちゃん!」

「う〜!」

「じいちゃん!」「じいちゃん!」「じいちゃん!」「じいちゃん!」「じいちゃん!」

「うるさ〜〜〜〜〜〜〜い!」

彼は怪物くんのごとく噴火した。

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