2NDLINE  43

2005年7月1日
僕が診察していた外来に、緊急連絡が入った。

「ピートから?もしもし!」
『すぐそこまで来てるぞ!』
「はあ?だったら早く来てくれよ!」
『そこの事務員らは、もう帰ったみたいだな!』
「なんだよ?だから俺に来いと?」
目の前にはまだカルテが30冊ほどある。

『各自、手を放せない状況だ!ユウキなら来れるだろう?』
「俺だってほら、このカルテの数をみろ!見えないか。すまん」『とにかく待つ!』

電話は切られた。

またかけるが・・

「くそ、年末で混線だ!」http://japan.internet.com/allnet/20021227/4.html

僕は信号が切り替わり、薬局へと走った。

途中、待合で罵声をかけられた。
「おい先生!どうなってんねや!2年ごしに待たせておいて!」
「(一同)そうやそうや!」
僕は走りすぎたあと、振り向いた。

「今年もよろしくお願いいたします!」
「あほう!なめとんか!薬だけくれ!」
若い衆が叫んだ。

「く、薬もいいけど・・」
「おお?」
「カレーもね!」
http://www.ctv.co.jp/gourmet/wspe/menu/2001/0104.html

僕は薬局へ駆け込んだ。
「すまんが、笛と・・・・これhttp://www.rakuten.co.jp/tyd/567774/568097/#551940を貸してくれ!」

外来患者を待たせたまま、僕はダッシュで取り掛かった。

「先生!僕が行くのに!」
田中事務員が走ってきた。
「外来の事務を今やってんだろ?抜けられたら困る!」
「外来主治医が消えたら、もっと困ります!」
「呼吸器の扱いを知ってる奴が行ったほうがええって!」

どう見ても、外来を抜け出す口実だった。

僕は玄関の自動ドアに立った。田中は走ってきた。
「外来をされるのが嫌なので?」
「何をいう?」
「早見優?」
「スカタン!」

「僕が・・・する」
ハヤブサが現れた。
「ユウキ先生。行ってください。外来は僕が・・」
「い、いいのか?」
「すみませんでした」
「はあ?何がだ?」
「僕の先輩も、決して根は悪くないんです」
「ハヤブサ先生・・」

田中事務員は遠目で見始めた。

「先生方・・・」
「?」
「できてるので?」
「なんでそんな発想なんだよ!」

僕はハヤブサに向き直った。
「そうだよな。こういう一大事のときに、よく分かる。人間同士、つまらんミエの張り合いなどすべきじゃない」
「ええ」
「俺たちはやり直せるか?」
「今ならいけるかと!」

事務員は壁にもたれた。
「できてる。絶対できてる。こいつら・・エーメン!」
彼は胸でクロスを切った。

僕は幅70cmの台車に右足を乗せ、自動ドアから飛び出した。
「シュシュッシュッ!バンババン!」
http://columbia.jp/eternal_edition/mazinger/5_6.html
左足がさっそうと道を蹴り、加速をつける。

目的地を定め、人ごみと同方向に流れた。
携帯を鳴らす。
「ピート!道筋を教えて!」
笛を鳴らし、お祭りのように台車はひた走った。

ハヤブサが外来のイスに座ったとたん、トドロキがやってきた。
「おい!俺の指示もなしに手伝うな!」
「先生。もうやめましょう」
「胸部内科の連中に染まったか?」
「ではないです。ですが、先輩」
「俺に逆らうのか?」
「自分自身考えましたが・・・」
「なにい?」
「自分は真珠会には入りません」
「ほう?どういうことだ?」
「汚い手を使ってまで、この病院を潰そうとまでは・・」
「そそ、それはお前の当て推量だ!汚いのは奴らだ!」
「自分はスパイとは違う!営業妨害もしない!」
「ひっ?」
トドロキは圧倒された。

「自分は仲間とともに、仲良くやりたいだけだ!組織の犬に
なるのが目的じゃないです!」
「犬?」
「そう。犬です。じゃ、患者さん入って!」
ナースは慌てて患者を呼びに出た。

ハヤブサは顔をカーテンに向けていた。
「先輩。すみませんが出てください」
「・・・・・・・」
「出ていってくれ!」

トドロキはショックを受け、無言で出て行った。

近くを田中事務員が通りかかった。
「♪出て行ってくれ〜ああ〜ああ〜あああ〜!」
http://www15.plala.or.jp/hiroiosa/index-ikinuki-mysong-kattenisiyagare.htm

みんなの冷たい視線が注がれた。

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