作品対談 「レジデント・ファースト」(ラリーキング・ライブ風) <下>
2005年7月4日「オーベンっていうのはむしろ院生や助手が多いんだね?」
「イエス。彼らも彼らで実験などの雑用がある。大変だと思うよ」
「これはオーベンではないが、松田ドクターは親切に指導してくれたね」
「松田・・・オー。イエス。彼は変わった人間だった。超音波検査をしても、所見を
なかなか言わない。こんな風にだ。うーん・・・うーん。けっこうそういうタイプ多いよ」
会場から笑い。
「ドクター松田は、のちのち君をおとしめる人間だね」
「イエス。彼は宗教に手を染める」
「ワイフのせいだね?」
「2001年頃、僕らは彼と戦う必要に迫られる。数ある中で、最も許せない人物の1人だ。
それにはシローが関わっている・・だが今日はこの話はよそう(絶句)」
会場が静まる。
「さて。君は忙しい忙しいと言いながら、女医をデートに誘う」
「そうだったかな・・」
会場から拍手。
「ミスター。医者になってから恋愛するものかい?」
「するさ。人間だもの」
会場から<オーーーー>という叫び。
「研修医自体は忙しくて恋愛どころではないのでは?」
「そうか?こういう仕事につくとき、<よし。僕は3年間恋愛なしだ>って割り切るのかい?」
「ノー。言い方が悪かった。恋愛をするという時間がないってことだよ」
「そんなことはない。出会いの場はある。医局のメンバー、ナースたち・・」
「病院に限られるのかな?」
「たしかに・・・職場関係が多いな。それは否定しない」
「合コンの機会は?」
「引く手はあるようだね。しかし、忙しいと次のデートにつなぐのが大変だ」
「そういう遊びも必要かな?」
「ノー。僕は嫌いだ。そういう<作られた自由>っていうのは僕は嫌いだ」
「<仕組まれた自由>だね」
会場から拍手。尾崎の<卒業>が流れる。
「ドクター。君は運がよくて彼女と知り合ったわけだ」
「イエス・・結末はあっけない」
「今でも彼女を・・?」
「ジーザス。勘弁してくれよ(笑顔)」
会場が賑わう。
「ドクター。このファーストシーズンにはいろいろと名言が入ってるそうだが」
「イエス。それは君らで判断して欲しい。教授は赤表示、オーベンのセリフは青表示でしてある」
「ERとかの引用もあるね」
「あれか(笑)。本当にあった話だ。<医者は?医者はどこに?>」
会場は爆笑。若い女性が何か叫ぶ。
「いろんな曲が登場する」
「イエス。DEENの歌、福山、大黒・・これらを登場させたのは、僕がまだ学生気分が抜けない
状態であることを表している」
「DEENの歌は感銘深いと?」
「イエス。睡眠不足で検診に出かけた夏、冷えにくいクーラーを顔にまともに浴びながら聴いた曲さ。
セーラームーンでなく、クーラーム〜ンさ!」
会場、静まる。
DEENの<瞳そらさないで>が流れる。
「検診で通った車は確かシビック」
「オーイエス!懐かしいなあ!オーマイ!」
「お金があまりなかったんだよね」
「イエス。研修医時代の月給の手取りは当時数万。バイトで稼いでも、本代などあっという間だ」
「医学書は高い?」
「ジーザス。高いなんてもんじゃない。3〜5万のものだってザラさ。1冊は医局で盗まれた」
「それは大変だ」
「(テレビに向かって)今テレビで<オレだ>と思った奴。返してくれよ!ヘイ!ユー!」
「私からも切にお願いする!」
「プロヘッサー・・教授が冒頭、つまらない指摘をするね」
「表現上のね。昔の人間は大好きさ」
「アサイティスも確かそうだったね。1字1句、厳しい世界なんだね」
「だが字が筆記体すぎて困るよ」
会場がドッとどよめく。
「ドクターは字が下手?」
「な人が多い。これは事実さ」
「試験は手書きだろ?」
「センターはマークシートだけどね。しかしあの字で、よくもまあ2次試験がパスできたなと」
「試験官があきらめたのかね?めんどくさくて」
「まあぎっしり書いてるからもういいか、なんてね。ジョークジョーク!この場面、削っといてよ」
「オーケー。君は勇敢にも1人で、消化器科のカンファレンスに飛び込んだね」
「イエス。あれが若さだ」
「今思うと?」
「イエス。だが結果的にうまくいった」
「ああいう行動もときには必要だね」
「大学病院では週1回のカンファレンスを逃すと、次のディスカッションが翌週、というのも
ザラだ」
「患者さんの病気は待ってくれないのに?」
会場からブーイング。
「イエス。重要な決定事項は教授ら上層部の意見だからね」
「上層部の都合で、治療が遅れることも?」
「なくはないと言える。部下が勝手に判断できない世界のもどかしさが、そこにある」
「大学の従う人間達を、君はたしか・・そうそう、こう呼ぶね。イエスメン!」
大拍手。
「イエス。その言葉をまた聞くとは思ってなかったな・・」
「彼らは好き好んでイエスマンになってるのかな?」
「大学に残って、教授ら上層部にゴマをする人間たちだ。今でもけっこう多い」
「憎むべき対象とまではいかないのでは?」
「イエス。しかし人間としては非常にプアだ。つきあいたい部類ではない」
「出世のためには必要なことでは?」
「ジーザス。出世する以前の問題だ」
会場がわずかに微笑む。
「急性心筋梗塞=AMIの症例が出たね」
「イエス。怖い病気だ」
「<研修医は泊まる必要がある>?」
「もちろんだ。研修医に限らない」
「今でも怖い?」
「怖いさ。ぶるぶる震えるという意味ではない。緊迫感がいつも漂う疾患なのさ」
「テンションが常にかかる疾患?」
「イエス。まさにそうさ。壊死した心筋の壁は、いつ破綻してしまうか分からない」
「心破裂=ラプチャーかい?」
「イエス。血圧の高さ、壁の薄さが大いに関係する」
「血圧は上がりすぎても下がりすぎてもいけないわけだね?」
「イエス。モニタリング教育が貧弱な大学病院では、レジデントらの監視能力がものをいう」
「見過ごしてはいけないから、泊まれってことだね」
「まあそうかな」
「回診の描写はリアルだね」
「ホンモノの描写だ。どこのドラマやマンガよりリアルだ」
「リアルさは<O&K>の方が上だという話が?」
「イエス。トシキの話のほうが上だ」
「それはまた今度触れよう」
拍手。
「最後は痛快だったね。教授の名前を出すことで事態を切り抜けた」
「イエス。奥の手だ」
「封建社会を逆手に取った。ググッ!(引っ張って裏返すしぐさ)」
「上下関係も、捨てたモンじゃないよ」
「2度は使えないメソッドだね」
「同じ医局ではね。だが患者に有益なら価値がある」
「今は大学に未練は?」
「ノーだ」
「ありがとう!では<レジデント・ファースト>についてはこれで終了!グッバイ!
ドクター。何かひとこと」
「ダッシュダッシュ!バンバンババン!」
「ホワットザヘル?」
「イエス。彼らも彼らで実験などの雑用がある。大変だと思うよ」
「これはオーベンではないが、松田ドクターは親切に指導してくれたね」
「松田・・・オー。イエス。彼は変わった人間だった。超音波検査をしても、所見を
なかなか言わない。こんな風にだ。うーん・・・うーん。けっこうそういうタイプ多いよ」
会場から笑い。
「ドクター松田は、のちのち君をおとしめる人間だね」
「イエス。彼は宗教に手を染める」
「ワイフのせいだね?」
「2001年頃、僕らは彼と戦う必要に迫られる。数ある中で、最も許せない人物の1人だ。
それにはシローが関わっている・・だが今日はこの話はよそう(絶句)」
会場が静まる。
「さて。君は忙しい忙しいと言いながら、女医をデートに誘う」
「そうだったかな・・」
会場から拍手。
「ミスター。医者になってから恋愛するものかい?」
「するさ。人間だもの」
会場から<オーーーー>という叫び。
「研修医自体は忙しくて恋愛どころではないのでは?」
「そうか?こういう仕事につくとき、<よし。僕は3年間恋愛なしだ>って割り切るのかい?」
「ノー。言い方が悪かった。恋愛をするという時間がないってことだよ」
「そんなことはない。出会いの場はある。医局のメンバー、ナースたち・・」
「病院に限られるのかな?」
「たしかに・・・職場関係が多いな。それは否定しない」
「合コンの機会は?」
「引く手はあるようだね。しかし、忙しいと次のデートにつなぐのが大変だ」
「そういう遊びも必要かな?」
「ノー。僕は嫌いだ。そういう<作られた自由>っていうのは僕は嫌いだ」
「<仕組まれた自由>だね」
会場から拍手。尾崎の<卒業>が流れる。
「ドクター。君は運がよくて彼女と知り合ったわけだ」
「イエス・・結末はあっけない」
「今でも彼女を・・?」
「ジーザス。勘弁してくれよ(笑顔)」
会場が賑わう。
「ドクター。このファーストシーズンにはいろいろと名言が入ってるそうだが」
「イエス。それは君らで判断して欲しい。教授は赤表示、オーベンのセリフは青表示でしてある」
「ERとかの引用もあるね」
「あれか(笑)。本当にあった話だ。<医者は?医者はどこに?>」
会場は爆笑。若い女性が何か叫ぶ。
「いろんな曲が登場する」
「イエス。DEENの歌、福山、大黒・・これらを登場させたのは、僕がまだ学生気分が抜けない
状態であることを表している」
「DEENの歌は感銘深いと?」
「イエス。睡眠不足で検診に出かけた夏、冷えにくいクーラーを顔にまともに浴びながら聴いた曲さ。
セーラームーンでなく、クーラーム〜ンさ!」
会場、静まる。
DEENの<瞳そらさないで>が流れる。
「検診で通った車は確かシビック」
「オーイエス!懐かしいなあ!オーマイ!」
「お金があまりなかったんだよね」
「イエス。研修医時代の月給の手取りは当時数万。バイトで稼いでも、本代などあっという間だ」
「医学書は高い?」
「ジーザス。高いなんてもんじゃない。3〜5万のものだってザラさ。1冊は医局で盗まれた」
「それは大変だ」
「(テレビに向かって)今テレビで<オレだ>と思った奴。返してくれよ!ヘイ!ユー!」
「私からも切にお願いする!」
「プロヘッサー・・教授が冒頭、つまらない指摘をするね」
「表現上のね。昔の人間は大好きさ」
「アサイティスも確かそうだったね。1字1句、厳しい世界なんだね」
「だが字が筆記体すぎて困るよ」
会場がドッとどよめく。
「ドクターは字が下手?」
「な人が多い。これは事実さ」
「試験は手書きだろ?」
「センターはマークシートだけどね。しかしあの字で、よくもまあ2次試験がパスできたなと」
「試験官があきらめたのかね?めんどくさくて」
「まあぎっしり書いてるからもういいか、なんてね。ジョークジョーク!この場面、削っといてよ」
「オーケー。君は勇敢にも1人で、消化器科のカンファレンスに飛び込んだね」
「イエス。あれが若さだ」
「今思うと?」
「イエス。だが結果的にうまくいった」
「ああいう行動もときには必要だね」
「大学病院では週1回のカンファレンスを逃すと、次のディスカッションが翌週、というのも
ザラだ」
「患者さんの病気は待ってくれないのに?」
会場からブーイング。
「イエス。重要な決定事項は教授ら上層部の意見だからね」
「上層部の都合で、治療が遅れることも?」
「なくはないと言える。部下が勝手に判断できない世界のもどかしさが、そこにある」
「大学の従う人間達を、君はたしか・・そうそう、こう呼ぶね。イエスメン!」
大拍手。
「イエス。その言葉をまた聞くとは思ってなかったな・・」
「彼らは好き好んでイエスマンになってるのかな?」
「大学に残って、教授ら上層部にゴマをする人間たちだ。今でもけっこう多い」
「憎むべき対象とまではいかないのでは?」
「イエス。しかし人間としては非常にプアだ。つきあいたい部類ではない」
「出世のためには必要なことでは?」
「ジーザス。出世する以前の問題だ」
会場がわずかに微笑む。
「急性心筋梗塞=AMIの症例が出たね」
「イエス。怖い病気だ」
「<研修医は泊まる必要がある>?」
「もちろんだ。研修医に限らない」
「今でも怖い?」
「怖いさ。ぶるぶる震えるという意味ではない。緊迫感がいつも漂う疾患なのさ」
「テンションが常にかかる疾患?」
「イエス。まさにそうさ。壊死した心筋の壁は、いつ破綻してしまうか分からない」
「心破裂=ラプチャーかい?」
「イエス。血圧の高さ、壁の薄さが大いに関係する」
「血圧は上がりすぎても下がりすぎてもいけないわけだね?」
「イエス。モニタリング教育が貧弱な大学病院では、レジデントらの監視能力がものをいう」
「見過ごしてはいけないから、泊まれってことだね」
「まあそうかな」
「回診の描写はリアルだね」
「ホンモノの描写だ。どこのドラマやマンガよりリアルだ」
「リアルさは<O&K>の方が上だという話が?」
「イエス。トシキの話のほうが上だ」
「それはまた今度触れよう」
拍手。
「最後は痛快だったね。教授の名前を出すことで事態を切り抜けた」
「イエス。奥の手だ」
「封建社会を逆手に取った。ググッ!(引っ張って裏返すしぐさ)」
「上下関係も、捨てたモンじゃないよ」
「2度は使えないメソッドだね」
「同じ医局ではね。だが患者に有益なら価値がある」
「今は大学に未練は?」
「ノーだ」
「ありがとう!では<レジデント・ファースト>についてはこれで終了!グッバイ!
ドクター。何かひとこと」
「ダッシュダッシュ!バンバンババン!」
「ホワットザヘル?」
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