レジデント・セカンド を振り返る <CNNインタビュー風> ?
2005年12月22日『 「今君のようなクセがついてしまえば、そいつは一生そういう医者になるんだ。
この目でいろいろ見てきた。今の時期は、死に物狂いでやらなきゃいかんぞ」 』
N:「このセリフ、こたえますね」
Y:「<セカンド>で一番強烈なセリフだ。まだ医者になってない人間も、ここで疑似体験することになる」
N:「<サーガ>の目的は疑似体験?」
Y:「イエス。現場の雰囲気を味わってもらうためだ。ただ現場の仕事内容ではなく、不安・焦りなどの人間特有の
深層心理だ」
N:「死に物狂い・・・過労死が懸念されている現代でも、言われ続けている言葉なのでしょうか」
Y:「ただし漠然とした言葉だ。一生懸命やれ、という言葉の究極型に過ぎない。しかし最近ではこういう
熱い指導が消えつつある。残念だ」
N:「最近のオーベンたちに情熱がないと?」
Y:「そういうわけではない。ただ世代が新しくなって、その上の世代とのギャップが出てきたのは確かだ」
N:「そして現在のスーパーローテ。オーベンも数ヶ月単位で大変ですね」
Y:「そうなんだ。オーベンのやりがいを奪った。賛成出来ない制度だ」
N:「結果的に大学離れが進んでますが」
Y:「そうだ。国は大学を潰したい。だからいろんなアプローチを試みてる。これはその1例に過ぎない」
『 狭い詰所では太った看護婦2人がしかめっ面で忙しそうに駆け回っている。
「どうされましたか」
「脈が30しかないんです・・・」 』
Y:「ジーザス。懐かしい場面だ。臨時のバイト先で困った困った」
N:「療養病棟ですね?」
Y:「イエス。正確には療養病棟+老健施設だ。しかしそういうとこでも重症患者を抱えているところはある」
N:「一般病棟のあるとこで積極的に治療を・・」
Y:「そうだ。この患者はまあ僕が紹介したわけだが、かなり強引だった」
N:「療養病棟から出せないケースも?」
Y:「あるよ。治療が必要だが暴れるケース、家族の同意がないケース・・・」
N:「国は療養病棟を廃止する方向に動いてるとか・・」
Y:「らしいね。なので将来は、一般病棟と老健施設のみになる」
N:「ひと悶着ありそうですね」
『 散らかり放題のカンファレンスルームへ。冷蔵庫の中は・・・何もない。ゴミ箱はインスタントラーメンの空箱の山だ。「UFO」の匂いがする。 』
N:「大学病院なので、清潔そうな雰囲気はありますが・・」
Y:「ノーノー。まあきれいなとこもあるかもしれないが、なんせ食事する時間すら奪われるんだ。とりあえずラーメン食ってゴミ箱にポイだ!」
N:「医局から何か支給されるとか・・」
Y:「そんなものはない。みんな自腹でインスタントを買い、学食で学生と混じってメシを食う」
N:「医者という立場なのに、健康管理はズサンですね」
Y:「医者だから、と言ってくれよ!」
『 「?・・・・もう、もう入ったの?」
「ええ」
「ああよかったー、よかったー。これからはこの先生に入れてもらおう」 』
N:「注射当番。これは大学の研修医の特権ですね」
Y:「イエス。思えばこれがいい経験になった」
N:「このようなことはあるのですか?医者と患者の相性というか・・」
Y:「不思議だが、ある。いつも上手いドクターがしてもなかなか点滴が入らないのに、パッとしない別の者がしたら
うまくいった・・・これはナースでもあると思う」
N:「上手くいかなければ、手を変えるということ?」
Y:「いい表現だ。患者に迷惑がかかるからね」
『 「VTだ!」 』
N:「たまたま病棟でモニターを見ていると不整脈が・・」
Y:「誰もが経験する。こういうときに体がすぐ動くかどうか・・」
N:「呼吸停止に遭遇することも?」
Y:「あるね。特に呼吸停止では数秒の遅れが重大な後遺症につながることもある。脳より以前に、体が反応すべきだ」
N:「救急のABCに乗っ取って?」
Y:「イエス。脈がなく返答もなければ、アンビュー換気を施しながら人を呼ぶ。マッサージを始め板を敷く」
N:「最初は動揺しますね」
Y:「以前、医局でオーベンがいきなり僕の前で倒れて、死んだふりをしたことがある」
N:「先生はそこで?」
Y:「マウスtoマウス呼吸を考慮してアゴを抑えにかかった。そしたら・・」
N:「何が?」
Y:「オレに触るな!こら!って・・実は僕の横の女医にしてほしかったそうだ。ジーザス!」
N:「ユウキ先生はマッサージ担当をすべきだったと?」
Y:「オーマイ。危うくオーベンとキスするとこだった!」
『 「さ・・・・回診しましょうっと」
川口は聴診器を首にかけ、さっそうと出て行った。野中もあとに続いた。
僕も回診を始めた。』
N:「これといった場面ではなさそうですが・・」
Y:「いや、これはレジデントの仕事ぶりをリアルに伝える場面だ」
N:「電池が付いたように、動き始める?」
Y:「掛け声みたいなのをするようになる。<さ!行くか!>とか」
N:「気が進まない表現?」
Y:「いや。そうではない。テンションの入れ替え。心の入れ替えだ。
医局で冗談言ってて笑ってても、患者のほうに向かうときは別人になるものさ」
N:「割り切りは大事?」
Y:「ジーザス。そういう表現はやめてくれよ。マスコミが騒ぐ」
『 振り返り、僕は次のことを考えた。夜は、注射当番があって、月曜日のカンファレンスの準備をして・・・。どう計算しても、徹夜になる。』
Y:「仕事はいくらでもあるものさ」
N:「どう考えても終わらない仕事を1つずつする感じ・・?」
Y:「そうとも言えるな。王道はない。どれもいい加減にはできない」
N:「体力がよくもちますね」
Y:「やはり気力だ。漫然としてると気力はバテてしまう。なので気力を持続させることが重要だった」
N:「何か努力を?」
Y:「数時間の仮眠。車でひとっ走り。カラオケ」
N:「息を抜きすぎでは?」
Y:「ノー。これを同じ仲間でやるんだよ。すると妙な連帯感が生まれる。解剖実習でもそのような経験があったな」
N:「同じ釜のメシを食う?」
Y:「そうだ。≪人は独りでは生きられない≫。仲間ってのは好きな言葉だな!」
N:「井上、大好き?」
Y:「それは<大輔(だいすけ)>だろ?ユーバスタード!」
<レジデント・セカンド・インタビュー。次回は第3弾です>
この目でいろいろ見てきた。今の時期は、死に物狂いでやらなきゃいかんぞ」 』
N:「このセリフ、こたえますね」
Y:「<セカンド>で一番強烈なセリフだ。まだ医者になってない人間も、ここで疑似体験することになる」
N:「<サーガ>の目的は疑似体験?」
Y:「イエス。現場の雰囲気を味わってもらうためだ。ただ現場の仕事内容ではなく、不安・焦りなどの人間特有の
深層心理だ」
N:「死に物狂い・・・過労死が懸念されている現代でも、言われ続けている言葉なのでしょうか」
Y:「ただし漠然とした言葉だ。一生懸命やれ、という言葉の究極型に過ぎない。しかし最近ではこういう
熱い指導が消えつつある。残念だ」
N:「最近のオーベンたちに情熱がないと?」
Y:「そういうわけではない。ただ世代が新しくなって、その上の世代とのギャップが出てきたのは確かだ」
N:「そして現在のスーパーローテ。オーベンも数ヶ月単位で大変ですね」
Y:「そうなんだ。オーベンのやりがいを奪った。賛成出来ない制度だ」
N:「結果的に大学離れが進んでますが」
Y:「そうだ。国は大学を潰したい。だからいろんなアプローチを試みてる。これはその1例に過ぎない」
『 狭い詰所では太った看護婦2人がしかめっ面で忙しそうに駆け回っている。
「どうされましたか」
「脈が30しかないんです・・・」 』
Y:「ジーザス。懐かしい場面だ。臨時のバイト先で困った困った」
N:「療養病棟ですね?」
Y:「イエス。正確には療養病棟+老健施設だ。しかしそういうとこでも重症患者を抱えているところはある」
N:「一般病棟のあるとこで積極的に治療を・・」
Y:「そうだ。この患者はまあ僕が紹介したわけだが、かなり強引だった」
N:「療養病棟から出せないケースも?」
Y:「あるよ。治療が必要だが暴れるケース、家族の同意がないケース・・・」
N:「国は療養病棟を廃止する方向に動いてるとか・・」
Y:「らしいね。なので将来は、一般病棟と老健施設のみになる」
N:「ひと悶着ありそうですね」
『 散らかり放題のカンファレンスルームへ。冷蔵庫の中は・・・何もない。ゴミ箱はインスタントラーメンの空箱の山だ。「UFO」の匂いがする。 』
N:「大学病院なので、清潔そうな雰囲気はありますが・・」
Y:「ノーノー。まあきれいなとこもあるかもしれないが、なんせ食事する時間すら奪われるんだ。とりあえずラーメン食ってゴミ箱にポイだ!」
N:「医局から何か支給されるとか・・」
Y:「そんなものはない。みんな自腹でインスタントを買い、学食で学生と混じってメシを食う」
N:「医者という立場なのに、健康管理はズサンですね」
Y:「医者だから、と言ってくれよ!」
『 「?・・・・もう、もう入ったの?」
「ええ」
「ああよかったー、よかったー。これからはこの先生に入れてもらおう」 』
N:「注射当番。これは大学の研修医の特権ですね」
Y:「イエス。思えばこれがいい経験になった」
N:「このようなことはあるのですか?医者と患者の相性というか・・」
Y:「不思議だが、ある。いつも上手いドクターがしてもなかなか点滴が入らないのに、パッとしない別の者がしたら
うまくいった・・・これはナースでもあると思う」
N:「上手くいかなければ、手を変えるということ?」
Y:「いい表現だ。患者に迷惑がかかるからね」
『 「VTだ!」 』
N:「たまたま病棟でモニターを見ていると不整脈が・・」
Y:「誰もが経験する。こういうときに体がすぐ動くかどうか・・」
N:「呼吸停止に遭遇することも?」
Y:「あるね。特に呼吸停止では数秒の遅れが重大な後遺症につながることもある。脳より以前に、体が反応すべきだ」
N:「救急のABCに乗っ取って?」
Y:「イエス。脈がなく返答もなければ、アンビュー換気を施しながら人を呼ぶ。マッサージを始め板を敷く」
N:「最初は動揺しますね」
Y:「以前、医局でオーベンがいきなり僕の前で倒れて、死んだふりをしたことがある」
N:「先生はそこで?」
Y:「マウスtoマウス呼吸を考慮してアゴを抑えにかかった。そしたら・・」
N:「何が?」
Y:「オレに触るな!こら!って・・実は僕の横の女医にしてほしかったそうだ。ジーザス!」
N:「ユウキ先生はマッサージ担当をすべきだったと?」
Y:「オーマイ。危うくオーベンとキスするとこだった!」
『 「さ・・・・回診しましょうっと」
川口は聴診器を首にかけ、さっそうと出て行った。野中もあとに続いた。
僕も回診を始めた。』
N:「これといった場面ではなさそうですが・・」
Y:「いや、これはレジデントの仕事ぶりをリアルに伝える場面だ」
N:「電池が付いたように、動き始める?」
Y:「掛け声みたいなのをするようになる。<さ!行くか!>とか」
N:「気が進まない表現?」
Y:「いや。そうではない。テンションの入れ替え。心の入れ替えだ。
医局で冗談言ってて笑ってても、患者のほうに向かうときは別人になるものさ」
N:「割り切りは大事?」
Y:「ジーザス。そういう表現はやめてくれよ。マスコミが騒ぐ」
『 振り返り、僕は次のことを考えた。夜は、注射当番があって、月曜日のカンファレンスの準備をして・・・。どう計算しても、徹夜になる。』
Y:「仕事はいくらでもあるものさ」
N:「どう考えても終わらない仕事を1つずつする感じ・・?」
Y:「そうとも言えるな。王道はない。どれもいい加減にはできない」
N:「体力がよくもちますね」
Y:「やはり気力だ。漫然としてると気力はバテてしまう。なので気力を持続させることが重要だった」
N:「何か努力を?」
Y:「数時間の仮眠。車でひとっ走り。カラオケ」
N:「息を抜きすぎでは?」
Y:「ノー。これを同じ仲間でやるんだよ。すると妙な連帯感が生まれる。解剖実習でもそのような経験があったな」
N:「同じ釜のメシを食う?」
Y:「そうだ。≪人は独りでは生きられない≫。仲間ってのは好きな言葉だな!」
N:「井上、大好き?」
Y:「それは<大輔(だいすけ)>だろ?ユーバスタード!」
<レジデント・セカンド・インタビュー。次回は第3弾です>
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