3RDSPACE ?

2005年12月31日
病棟での処置もいったん終わり、一同は医局に会していた。

シローは携帯で家族と話している。
「ああそうだよ。だから?僕が?帰るまでの子供の面倒は?」
何やら、もめている。

「シローがまた夫婦喧嘩?」ピートが僕の横の机で。
「みたいだな」
「結婚生活は地獄みたいだぜ」
「結婚自体はいいものなんだろ?問題になるのはその後のようだ」
「詳しいな?」
「離婚歴のある総統がおっしゃるには、結婚というのは人生の治療薬。即効性はあるが予後には多少問題が」
「なんだかPDE阻害剤みたいだぜ!」
「まあしかし、結婚して変わる人間は多いよな」

以前、松田夫婦にお世話になったのを思い出した。

「性格の違う男と女。それが1つ屋根の下で暮らすんだ。よく考えたら・・なあピート」
「戦争も起こるってか?」
「でもどっちかが譲ることで、家庭が守られていくんだろ?」
「オレは無理だな」
「シローは凄いよ。これだけ忙しくて西松屋で買い物まで」
「あんだけ金稼いでるのに、地味な奴だよな」
「ローンとか、あるんだよ」
「シローのワイフっておい?マジかよ?」
「なに?」
「新興宗教・・・」
「その話題はやめとけ!」
「シローも尻に敷かれたもんだな」
「男はみなそうだろ・・・」

僕はザッキーや他のドクターの座っているソファへとなだれこんだ。

ザッキーが外科ドクターと雑談中。

「ようザッキー!またオレの悪口か!」
「冗談、きついっす・・・!」
「テンポラリー入れるのも、もう訳ないな!」
「パーマネント(恒久的ペースメーカー)のファーストに、早く入りたいっす!」
ザッキーには勢いがあった。

彼は笑いながら席をあけた。

「ユウキ先生。もうすぐですね」
「あ?」
「出張が」
「あーあれか。断ったよ。ピートと眼科医が行くんだろ?な、ピート!」
壁の張り紙をはがした。

 あと2週間で、合併する予定の病院の見学に行かなければならない。ただの見学ではなく、スタッフや入院している患者の把握と聞いている。

 こっちはカテなどで忙しく、出兵を断った。くじ引きで、眼科医とピートが行くことに。

 ドクターや事務長が見学して評価することで、病院合併に見合ったものかどうかメドをつけるものだ。最初と現実で話が食い違うことはよくあるからだ。

「それとさ、ザッキー。お前。大学に知り合いは?」
「え?大勢いますよ」
「そっか。何か情報はある?」
「最近の情報ねえ・・・名義貸しのニュースに合わせて、大学院生がブーイング!」
「奴らの履歴書があちこちの病院から、大量に消えたからな」
「コスト(給料)はかなり減ったようですね」
「だろな」
「兵隊ならこっそり集められますが?」
「そうじゃなくて。ちょっと気になるんだよ。大学からもう1人、うちに補充が来るだろ」
「さっきの医者は参りましたよ・・今も詰所でウロウロ」
「ヨカンがしてて、ウロウロしてんじゃないか?」
「ヨカンがしますヨカンがします!」

「(一同)あっはっはっはっは!」

一方、医長は患者配分のため病棟で缶詰だ。

僕は話を続けた。

「うん、そのウロウロ医者はまあいいとして。もう1人の話だ」
「大学からのね。事務長は何も?」
「昨日、あまりにも何も言わないから、<何か一言でも言え!>って言ったんだよ」
「ええ」
「そしたらな・・」
「ほうほう!そしたらそしたら!」

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