3RDSPACE　?

「＜あ＞・・・って言ったらな！ユウキのやつ！ええ〜っ？て！わはは！」
「ひひ！ひひ！やめてやめて！死ぬ！」

事務長は田中と事務室で笑いこけていた。

「ははは！アイツ、おかしいですよね！」
田中はイエスマンに徹していた。
「ところで事務長。合コンの話が」
「またか？いつ？」
事務長はペンを取り出した。
「毎週金曜日のほかに、月曜日・・」
「スッチーか？」
「保母さんです」
「顔は平均で？」
「80点。ただし200点満点」
「なぬ？」
「冗談です」
「今度言ったらクビだ」

スケジュール帳にいろいろ書き込まれていく。

「よし。じゃあ、期待に股間を膨らませつつ・・！」
「股間といえばユウキですね。へへ」
「恨みでもあるのか？」
「いえいえ。他人のドジは何度見ても面白いなと・・」
「性格悪いな」
「じ、じ事務長！私は決して悪気など・・！」
「もうよいもうよい」
「決して誰かをおとしめようとかそんな考えなど！」
「あるのか？」

事務長は関西圏の地図を開いた。

「いよいよ、奈良への訪問が近づいたな・・！」
「英雄は東へ進むものですね！」
「合併したらそこの職員らと合コンして、むふふ」
「若い子呼んで、ムフフのフ」
「年寄り頼むぞムフフのフ！」
「ハーレム築いてムフフのフ！」
「そうなのか？」
「言い過ぎました・・・」

田中は時計を見てハッと気づいた。

「ああやっと思い出した！事務長！医師会医師会！」
「そそ、そうだった！」
彼らはすぐさま立ち上がり、荷物をまとめた。

夜逃げのように、彼らはスーツとカバンで駈けていく。

「ダッシュダッシュ！田中！」
「バンバン！カバン！」田中がカバンを2つ抱える。
カバンはベンツSクラスのトランクへ。

「じゃ、乗れ！」
「ははっ」
田中が助手席へ。

車の轟音は医局まで響いてきた。

「なんだ。あれ？」
僕はガラスごしに急発進する車を目で追った。
「またどっかへ逃げるのか？」

車はゲートをくぐり、大通りへと出た。