3RDSPACE ?
2005年12月31日「はあ、だる・・・」
ズドン、と僕は医局のソファに寝かかった。
「やっぱりどうしても、もう1人は要るよな・・・」
廊下から真吾が戻ってきた。浮かない顔だ。
「よう!オハロック!オハー!」
「それ、最近よく言われます」
「血ガスくらいは、とれるようになったか?」
「何回かは・・」
「全然だめだめ!」
ザッキーが机から立ち上がり、歩いて近づいた。
「入院患者はまだ診れませんね・・・この先生、<PPD>も知らないんですよ!」
「ザッキー。素直に<ツベルクリン反応>と言えよ」
「へへ・・」
「大学の人間みたいだぞ?」
続いて、医長がやってきた。
「ユウキ先生」
「は?」
「松田クリニックから紹介された呼吸不全。持っていただけますか」
「・・・その患者の主治医は確か、お前だろ?特発性の両心房拡張・・」
「ええ。ですが撤回を」
医長はタバコをふかした。
「自分が主治医に、まあなろうとはしましたが」
「主治医になって2日たつだろ?しかも珍しい症例じゃないか?」
「やはり自分は・・いいです。循環器専門医も取得しましたし」
「自慢かよ?ダメだよそんなの。患者になんと説明するんだよ?」
「フーッ・・・あそこのクリニックの患者さんはとても・・・」
「患者を選ぶな・・ってオーベンに教わっただろ?」
「オーベン?・・・そんな人、もう忘れました」
「<センター>のこと、まだ根に持ってるのか?」
とまでは言わなかった。
医長はモバイルで患者の振り分けをし始めた。
「じゃ、先輩はもういいです。主治医は・・・君が」
真吾が名指しされた。
「君が診てくれ。治療はほぼ終わりで点滴も内服に変わった。右心カテも抜いたし」
「呼吸不全・・・原因は」
真吾はうつむいたまま聞いた。
「さっき言ってただろ。聞いてなかったのか?特発性の両心房拡張症」
「・・・・?」
本で見ているが、どうやら載ってない。
「教科書でなく、文献検索して調べろ。楽に身に着けようとするな」
医長はタバコを放った。
「心不全は落ち着いていて、あとは内服切り替えだけだ。分からないことがあったら適宜、僕のほうへ」
真吾は・・内心複雑だった。どんどん患者を当てられていく。自分としては1人ずつゆっくり勉強しながら診たいという希望があった。
「重症もそろそろ当てていくから。ビシバシと」
医長はタバコを投げ捨てた。
僕は時計を見ていた。
「・・・・・じゃ、行くか!」
僕に引き続き、4人が黒板の札を次々と<病棟>に裏返す。僕は医局のドアを開けたとたんツーステップし、肘で手すりに飛び乗った。
ズドン、と僕は医局のソファに寝かかった。
「やっぱりどうしても、もう1人は要るよな・・・」
廊下から真吾が戻ってきた。浮かない顔だ。
「よう!オハロック!オハー!」
「それ、最近よく言われます」
「血ガスくらいは、とれるようになったか?」
「何回かは・・」
「全然だめだめ!」
ザッキーが机から立ち上がり、歩いて近づいた。
「入院患者はまだ診れませんね・・・この先生、<PPD>も知らないんですよ!」
「ザッキー。素直に<ツベルクリン反応>と言えよ」
「へへ・・」
「大学の人間みたいだぞ?」
続いて、医長がやってきた。
「ユウキ先生」
「は?」
「松田クリニックから紹介された呼吸不全。持っていただけますか」
「・・・その患者の主治医は確か、お前だろ?特発性の両心房拡張・・」
「ええ。ですが撤回を」
医長はタバコをふかした。
「自分が主治医に、まあなろうとはしましたが」
「主治医になって2日たつだろ?しかも珍しい症例じゃないか?」
「やはり自分は・・いいです。循環器専門医も取得しましたし」
「自慢かよ?ダメだよそんなの。患者になんと説明するんだよ?」
「フーッ・・・あそこのクリニックの患者さんはとても・・・」
「患者を選ぶな・・ってオーベンに教わっただろ?」
「オーベン?・・・そんな人、もう忘れました」
「<センター>のこと、まだ根に持ってるのか?」
とまでは言わなかった。
医長はモバイルで患者の振り分けをし始めた。
「じゃ、先輩はもういいです。主治医は・・・君が」
真吾が名指しされた。
「君が診てくれ。治療はほぼ終わりで点滴も内服に変わった。右心カテも抜いたし」
「呼吸不全・・・原因は」
真吾はうつむいたまま聞いた。
「さっき言ってただろ。聞いてなかったのか?特発性の両心房拡張症」
「・・・・?」
本で見ているが、どうやら載ってない。
「教科書でなく、文献検索して調べろ。楽に身に着けようとするな」
医長はタバコを放った。
「心不全は落ち着いていて、あとは内服切り替えだけだ。分からないことがあったら適宜、僕のほうへ」
真吾は・・内心複雑だった。どんどん患者を当てられていく。自分としては1人ずつゆっくり勉強しながら診たいという希望があった。
「重症もそろそろ当てていくから。ビシバシと」
医長はタバコを投げ捨てた。
僕は時計を見ていた。
「・・・・・じゃ、行くか!」
僕に引き続き、4人が黒板の札を次々と<病棟>に裏返す。僕は医局のドアを開けたとたんツーステップし、肘で手すりに飛び乗った。
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