3RDSPACE ?
2005年12月31日「医長先生もやな。弱った患者さんに説明もせずに一方的に治療して、患者を奴隷扱いするのはやめてえな」
「僕が?奴隷扱い?」
「わし、黙ってたんやけど。松田先生がそれを心配してたんや。紹介するのにそこが気になるって」
「どういう意味ですか・・・?」
ミチルは見かねていた。
「合田さん。来たときは息苦しさで言葉も出ない状態だったのよ。ドクターや医療側に主導権を持たせるべきでしょ?」
「そ、そうなんやけどもやな!主導権持ったら何でも命令聞くと思ったら大間違いや!」
患者は息切れしながら詰所を出て行こうとした。
「患者をオモチャにすな!」
これでは<労作時逆ギレ>だ。
医長は後ろから呼び止めた。
「また病院に来るはめになりますよ」
「そ、そのときはもう・・・ここには来んわい!」
バタンとドアが閉められた。
婦長は大きくため息をついた。
「ああいう患者さん。増えましたね・・・特にあのクリニック」
「ユウキ先生の言うとおり、まさしく<信者>だよ・・・。ところで真吾先生!」
医長は真吾を怒鳴りつけた。
「あの人に何をしたんだ?」
「な、何も・・・」
「いきなり採血でもしようとしたのか?」
「き、気になったので・・・」
「気になった?僕は言っただろ?点滴は終わって飲み薬に代えるだけって!」
「呼吸が荒いような・・」
「そりゃ君みたいに人を怒らせたら、誰でも息が荒くなるよ!こっちだってね!」
婦長らはスローで、しかし耳ダンボで仕事を再開した。
真吾は完全に黙ってしまった。
「全く。僕の評判まで・・・」
医長は涙を浮かべながらカルテ台を・・・けった。バサバサとカルテが数冊落ちた。
以前は注意していた婦長も、これにはビビリまくっていた。
「ん?なんだ?」
ちょうど僕が現れると、床にカルテの用紙がバラバラに散乱していた。
「カルテが床にバラバラ・・という感じ?」
1枚ずつ拾うが、医長はうつむいて顔が真っ赤だ。
「どしたんだ?お前ら・・・」
真吾も下をジーッと見つめている。
「おい。真吾?」
真吾の下から見上げる。彼はプイッと向こうを向いた。
「なんだよ真吾?黙ってても・・・」
そんな僕を無視し、婦長は医長に歩み出た。
「医長。松田クリニックとなんとか手を切れませんか」
婦長の後ろにナースが次々と集まってくる。
「疲れます。先生もでしょうけど」
「間違った教育を受けた患者を助ける・・・それが僕らの使命だ」
「カッコええこと言うなあ。お前!」
僕はカルテを綴じなおした。
医長は涙をぬぐった。
「今回のは僕にも責任がある。タイミングが悪かった。でも、クリニックとは縁は切れない。シローのバイト先だし」
「おい医長!シローに結びつけるなよ!」
「関係あります。僕だってあのクリニックはイヤだ。でもシローには重要な収入源なんでしょう?」
「バカ!ここで言うな・・・」
「僕のどこがバカなんですか?」
ナースらはずっと聞き入った。
中年ナースが呟く。
「常勤先のここで十分もらってるじゃないの。なのにもう1件かけもちって・・」
「ローンとか、いろいろあるんでしょ?」
また別のナースが囁く。
「トシキ。病診連携は、うちの病院の経営方針ってことだろ?シローのせいにするな!」
「松田先生は何か企んでいると思いますよ?」
「シローが巻き込まれないなら、それでいいじゃないか!」
「先輩は表面でしかものを見ていない・・・!」
「あのですね。お前に言われたくはなかったよ」
「僕が?奴隷扱い?」
「わし、黙ってたんやけど。松田先生がそれを心配してたんや。紹介するのにそこが気になるって」
「どういう意味ですか・・・?」
ミチルは見かねていた。
「合田さん。来たときは息苦しさで言葉も出ない状態だったのよ。ドクターや医療側に主導権を持たせるべきでしょ?」
「そ、そうなんやけどもやな!主導権持ったら何でも命令聞くと思ったら大間違いや!」
患者は息切れしながら詰所を出て行こうとした。
「患者をオモチャにすな!」
これでは<労作時逆ギレ>だ。
医長は後ろから呼び止めた。
「また病院に来るはめになりますよ」
「そ、そのときはもう・・・ここには来んわい!」
バタンとドアが閉められた。
婦長は大きくため息をついた。
「ああいう患者さん。増えましたね・・・特にあのクリニック」
「ユウキ先生の言うとおり、まさしく<信者>だよ・・・。ところで真吾先生!」
医長は真吾を怒鳴りつけた。
「あの人に何をしたんだ?」
「な、何も・・・」
「いきなり採血でもしようとしたのか?」
「き、気になったので・・・」
「気になった?僕は言っただろ?点滴は終わって飲み薬に代えるだけって!」
「呼吸が荒いような・・」
「そりゃ君みたいに人を怒らせたら、誰でも息が荒くなるよ!こっちだってね!」
婦長らはスローで、しかし耳ダンボで仕事を再開した。
真吾は完全に黙ってしまった。
「全く。僕の評判まで・・・」
医長は涙を浮かべながらカルテ台を・・・けった。バサバサとカルテが数冊落ちた。
以前は注意していた婦長も、これにはビビリまくっていた。
「ん?なんだ?」
ちょうど僕が現れると、床にカルテの用紙がバラバラに散乱していた。
「カルテが床にバラバラ・・という感じ?」
1枚ずつ拾うが、医長はうつむいて顔が真っ赤だ。
「どしたんだ?お前ら・・・」
真吾も下をジーッと見つめている。
「おい。真吾?」
真吾の下から見上げる。彼はプイッと向こうを向いた。
「なんだよ真吾?黙ってても・・・」
そんな僕を無視し、婦長は医長に歩み出た。
「医長。松田クリニックとなんとか手を切れませんか」
婦長の後ろにナースが次々と集まってくる。
「疲れます。先生もでしょうけど」
「間違った教育を受けた患者を助ける・・・それが僕らの使命だ」
「カッコええこと言うなあ。お前!」
僕はカルテを綴じなおした。
医長は涙をぬぐった。
「今回のは僕にも責任がある。タイミングが悪かった。でも、クリニックとは縁は切れない。シローのバイト先だし」
「おい医長!シローに結びつけるなよ!」
「関係あります。僕だってあのクリニックはイヤだ。でもシローには重要な収入源なんでしょう?」
「バカ!ここで言うな・・・」
「僕のどこがバカなんですか?」
ナースらはずっと聞き入った。
中年ナースが呟く。
「常勤先のここで十分もらってるじゃないの。なのにもう1件かけもちって・・」
「ローンとか、いろいろあるんでしょ?」
また別のナースが囁く。
「トシキ。病診連携は、うちの病院の経営方針ってことだろ?シローのせいにするな!」
「松田先生は何か企んでいると思いますよ?」
「シローが巻き込まれないなら、それでいいじゃないか!」
「先輩は表面でしかものを見ていない・・・!」
「あのですね。お前に言われたくはなかったよ」
コメント