3RDSPACE ?
2005年12月31日僕は医長のナマイキさに腹が立ち、事務所へと入った。
田中事務員がレセプト入力している。
「田中君。レセ、大変だなあ」
「ちわす。今日から1週間、泊り込みです!」
「だる・・・医事課はいつも大変だな」
「お疲れのようですね!おい!誰かコーヒーを!カフィカフィ!」
「2人目の新入りは?ドクターの」
田中君の手がピタッと止まった。
「こちらへ向かっているようです・・・」
「変な噂を聞いたんだが」
「変な・・・?」
「とぼけるなよ。なんかすごく年長のドクターで・・・伝説的な人物だろ?」
「て聞きますね。ユウキ先生方の先輩で」
「というか、同門だな」
どんなドクターなのか、気になる。
女性事務員(60点/200点満点中)がコーヒーを持ってきた。
「どーぞ。新しい先生ですか?」
「もう来るらしいぜ」
「カッコイイ先生だったらいいのにな〜」
「だる・・・お前らそればっかだな」
事務長がドアを蹴破る勢いで入ってきた。
「はあはあ!ささ、来られたぞ!みんな、失礼のないように!」
年長ドクター・・ひげ面・メガネでノッポの先生が軽快に歩いてきた。
表情はメガネで見えない。その後ろに・・・見たことのある顔が2人。
「あれは・・・Y2K問題の相談で出向いたときのコンビだ」
医局長と、島。島は薄ら笑いを浮かべている。
「こんにちは。ユウキ先生」
「おはよう」
僕はわざとかわした。
家族控え室で彼ら3人と、僕・事務長・田中君が向かい合う。
事務長は書類を医局長からもらう。
「条件は以上で・・・ではさっそく病棟・医局の案内を」
「ではいいですね?」
医局長は勝ち誇ったように言い放った。
事務長は僕をキョロキョロ見ながら答えた。
「ええ・・・では院長としてこの病院を」
院長?いきなり院長か?
「医局では医局長・内科医長としても責任を。それに伴う報酬を
お願いします」
医局長から条件が次々と突き出されていく。
「以上は当科の教授からのご意見だ」
こう言われてしまえば、関連の病院はまず逆らえない。
「トシキ医長には伝えておきます・・・医長は交代ということで」
事務長はすごすごと頭を下げた。トシキ医長の曇った顔が目に浮かぶ。
新任ドクターはずっと僕の顔を見ている。冷淡そうに見えるが・・・。
「わし、基本的にサボリですからな」
「は?」
思わず答えた。
「いやね。医局長がいろいろと輪をかけて話されるもんで・・はは!」
フニャフニャ顔になり、その場の雰囲気が和らいできた。
「わしがね、すごい怖いだとかなんとか・・・言うんですわ。この医局長は」医局長は照れている。
「ユウキです」僕は握手を求めた。
「土方です。ドカタのとっつあんと呼んでくださいや」
「いえいえ・・」
「先生のことは知ってますよ。真田本院が潰れたとき、1人で率先して患者を・・」
「ああ。あれですか」
「ドクターカーの中で、いきなり透析を始めたんでしたっけな?」
「また変な風に伝わってますね・・ええ。まあそんなとこです」
土方は周囲をクルクル見回した。まだ緊張感が漂う。
「医局長。みんなわしを偏見で見ておるよ。わしはここでゆっくりさせてもらうっちゅうのに!」
「以前の先生の厳しさを知っている者としましては・・はは」
「もう年をとりまくって、ここ20年は怒ったことはないですわ!」
「またまたあ、先生・・・ははは」
「ま。周囲の先生方の迷惑にはならんようにやりますよ。追い出されたらかなわんし。はは!ま。お手柔らかに!」
どうやら謙虚な先生だな・・・。やっていけそうだ。
田中事務員がレセプト入力している。
「田中君。レセ、大変だなあ」
「ちわす。今日から1週間、泊り込みです!」
「だる・・・医事課はいつも大変だな」
「お疲れのようですね!おい!誰かコーヒーを!カフィカフィ!」
「2人目の新入りは?ドクターの」
田中君の手がピタッと止まった。
「こちらへ向かっているようです・・・」
「変な噂を聞いたんだが」
「変な・・・?」
「とぼけるなよ。なんかすごく年長のドクターで・・・伝説的な人物だろ?」
「て聞きますね。ユウキ先生方の先輩で」
「というか、同門だな」
どんなドクターなのか、気になる。
女性事務員(60点/200点満点中)がコーヒーを持ってきた。
「どーぞ。新しい先生ですか?」
「もう来るらしいぜ」
「カッコイイ先生だったらいいのにな〜」
「だる・・・お前らそればっかだな」
事務長がドアを蹴破る勢いで入ってきた。
「はあはあ!ささ、来られたぞ!みんな、失礼のないように!」
年長ドクター・・ひげ面・メガネでノッポの先生が軽快に歩いてきた。
表情はメガネで見えない。その後ろに・・・見たことのある顔が2人。
「あれは・・・Y2K問題の相談で出向いたときのコンビだ」
医局長と、島。島は薄ら笑いを浮かべている。
「こんにちは。ユウキ先生」
「おはよう」
僕はわざとかわした。
家族控え室で彼ら3人と、僕・事務長・田中君が向かい合う。
事務長は書類を医局長からもらう。
「条件は以上で・・・ではさっそく病棟・医局の案内を」
「ではいいですね?」
医局長は勝ち誇ったように言い放った。
事務長は僕をキョロキョロ見ながら答えた。
「ええ・・・では院長としてこの病院を」
院長?いきなり院長か?
「医局では医局長・内科医長としても責任を。それに伴う報酬を
お願いします」
医局長から条件が次々と突き出されていく。
「以上は当科の教授からのご意見だ」
こう言われてしまえば、関連の病院はまず逆らえない。
「トシキ医長には伝えておきます・・・医長は交代ということで」
事務長はすごすごと頭を下げた。トシキ医長の曇った顔が目に浮かぶ。
新任ドクターはずっと僕の顔を見ている。冷淡そうに見えるが・・・。
「わし、基本的にサボリですからな」
「は?」
思わず答えた。
「いやね。医局長がいろいろと輪をかけて話されるもんで・・はは!」
フニャフニャ顔になり、その場の雰囲気が和らいできた。
「わしがね、すごい怖いだとかなんとか・・・言うんですわ。この医局長は」医局長は照れている。
「ユウキです」僕は握手を求めた。
「土方です。ドカタのとっつあんと呼んでくださいや」
「いえいえ・・」
「先生のことは知ってますよ。真田本院が潰れたとき、1人で率先して患者を・・」
「ああ。あれですか」
「ドクターカーの中で、いきなり透析を始めたんでしたっけな?」
「また変な風に伝わってますね・・ええ。まあそんなとこです」
土方は周囲をクルクル見回した。まだ緊張感が漂う。
「医局長。みんなわしを偏見で見ておるよ。わしはここでゆっくりさせてもらうっちゅうのに!」
「以前の先生の厳しさを知っている者としましては・・はは」
「もう年をとりまくって、ここ20年は怒ったことはないですわ!」
「またまたあ、先生・・・ははは」
「ま。周囲の先生方の迷惑にはならんようにやりますよ。追い出されたらかなわんし。はは!ま。お手柔らかに!」
どうやら謙虚な先生だな・・・。やっていけそうだ。
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