3RDSPACE ?

2005年12月31日
島がまた訪問にやってきた。土方先生の書類を持ってきたのだという。

同日、僕は彼に屋上まで呼び出されていた。

「で?もういいか?仕事があるんで」
「いや、ほかにも聞きたいんです」
「どんな待遇を?」
「税金はどのくらい・・・」
「だから言っただろ!俺らくらいの年収になれば税率は跳ね上がり、4割近くが持っていかれる!」
「す、すごいな・・・」

島は目を輝かせていた。

「金のために、民間病院に出たいのか?」
「学位は取りましたからね」
「それとこれとは別だぜ」
僕は指を立てて風の方向を調べた。

「大学で技術を習得してから、そっちのほうに出向きますんで」
「こっちに来たら、厳しいぜ」
「新任の真吾ってヤツ・・・先生知ってますか?」
「かわいいヤツだよ。何か?」

島は意地悪そうに微笑んだ。

「あいつはね、先生。ドクターバンクとつるんでますよ」
「ドクターバンク?の紹介ってのは知ってるよ」
「悪巧みなんですよ」
「ドロボウでもしてんのか?」
「いえいえ。彼らの動き知ってますか?半年毎に病院を」
「半年毎に病院を移動か・・・大学人事でもありうるぞ」
「ドクターバンクって業者がなぜもうけてるか、知ってますか?」
「仲介の料金だろ?うちの事務長もかなり払ったって聞く。
たしかドクターの給与の1か月分・・・」
「たいていはそのようで。へへ」

島は完全に下手に出ている。いつこちらへ異動するか分からない
からだ。

「へへ・・・半年したら、バンクと病院事務側との<契約>が切れるんです」
「へえ。そうなの」
「半年過ぎたら、バンクにはその後お金が入らないんです」
「そしたら・・バンクはどうするんだ?」
「そこですよ。へへ。バンクにとっては利益にならない。なのでよりいい病院を仲介して、ドクターを引き上げる」
「ドクターは嫌がるだろう?」
「一部のとこは、そこをまあうまいことやって・・・」
「金の分配か?」
「さあ。まあそうだと思いますが」

島と僕はより大きな風にさらされた。

「じゃあ真吾は・・半年したら引き上げる?」
「絶対そうっすよ。今までもそうでしたから」
「イナゴの大群みたいな奴らだな・・・」
「なので私の異動はその頃にと」
「イナゴの大移動だな。まさしく。だる・・・」

僕は島の横を通り過ぎようとした。

「ユウキ先生。へへ・・・」
「なんだよ?」
「今後ともよろしくお願い・・」
「知るかそんなの!」

僕はそのままダッシュし、階段脇の手すりへジャンプした。

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