3RDSPACE 23.
2005年12月31日また真吾と土方だけになった。
「ではわしが、レントゲンから教えましょう!」
土方はレントゲンを数枚シャーカステンに掲げた。
「レントゲンは1枚だけ出しても無意味ですよ。こうやって時系列で見ないと!」
「はい」
「わしはまず、心臓の大きさ・CPアングル・肺野をザッと見るんですな」
「・・・・・・・」
「つまり心不全、胸水、肺炎の有無の順番ですな」
真吾はマメにメモっていく。
「先生。正常のスケッチをこの紙に」
「正常・・・?」
「このレントゲンを見ずに。さあしなさい」
真吾は肺の形のようなものを書いた。
「まるでネコの耳ですな。それだけ?」
「・・・・・・」
「気管支は?」
「あ・・・」
気管支を記入。しかし1本だけで分岐がない。
「はは。気管支は1本のままですか?貸しなさい」
土方はペンをとり、両側の肺に1本ずつ分岐させた。
「右の角度が急ですな。なので誤嚥は右に落ちますわな・・・」
「・・・・・・」
「次はCPアングルのとこ・・・鋭角なら『<』のマークを入れる癖を」
「・・・・・・」
「肺野。漠然と見てはいけませんぞ。先生」
肺門部から・・・末梢にかけて線が繊細になり・・しかしどんどん細い線。
線は末梢の最後までは描出しない。
「末梢まで気管支の枝は映りません。映った場合はDPBを疑うこと」
「それはCTでも同じ・・?」
「当然です。さ、あとは?」
「骨」
「うん。まあ骨は最後に見るとして、スケッチではまあいいでしょう。でも他にあるでしょうが?なあザッキー先生」
ザッキーは別のCTを確認中。
「頑張れよ!シンゴ!」
今度はザッキーが通りかかり、立ち止まった。
真吾は緊張して考えがわかない。
「はっはは・・いいですか先生。PAを忘れちゃいかん。肺動脈」
右肺門に縦の太い線、左肺門はマル。
「左のPAは夕陽が隠れるような感じなので評価しにくい。でも右は縦に走って分かりやすい。正常の太さは?」
「・・・・・」
「ザッキー先生」
「付近の肋骨の太さと同等。シンゴ大丈夫か?」
ザッキーは呟き、出て行った。
「あとはですな。それ以外見落としがないか。盲点なのは心臓と肺の接する部分」
「ぜ・・舌区?」
「うん。まあいいかな。そこがぼやけていれば、舌区に炎症があるわけですわな」
「中葉症候群・・・」
「それと正面像ではどうしても、下肺の・・・心臓のちょうど裏。ここを見落としてしまいがちですわ。なので側面像は1回はとる。健診ではしません。あれは問題やね!」
僕らもやってきて、思わず聞き入っていた。
「あとはここにも注目」
土方はレントゲンの左下を指差した。
「実はここに胆石があったりするんですな」
実際そこにそれらしきものが映っていた。
「漫然としていればつまらんでしょう?なんでも。しかしやね、こうやって興味を持ちながらやれば、おのずと勉強法は分かってくるんですよ先生。な!」
土方は僕らを見回した。
「わし、ヘン?」
僕らは拍手した。
「ではわしが、レントゲンから教えましょう!」
土方はレントゲンを数枚シャーカステンに掲げた。
「レントゲンは1枚だけ出しても無意味ですよ。こうやって時系列で見ないと!」
「はい」
「わしはまず、心臓の大きさ・CPアングル・肺野をザッと見るんですな」
「・・・・・・・」
「つまり心不全、胸水、肺炎の有無の順番ですな」
真吾はマメにメモっていく。
「先生。正常のスケッチをこの紙に」
「正常・・・?」
「このレントゲンを見ずに。さあしなさい」
真吾は肺の形のようなものを書いた。
「まるでネコの耳ですな。それだけ?」
「・・・・・・」
「気管支は?」
「あ・・・」
気管支を記入。しかし1本だけで分岐がない。
「はは。気管支は1本のままですか?貸しなさい」
土方はペンをとり、両側の肺に1本ずつ分岐させた。
「右の角度が急ですな。なので誤嚥は右に落ちますわな・・・」
「・・・・・・」
「次はCPアングルのとこ・・・鋭角なら『<』のマークを入れる癖を」
「・・・・・・」
「肺野。漠然と見てはいけませんぞ。先生」
肺門部から・・・末梢にかけて線が繊細になり・・しかしどんどん細い線。
線は末梢の最後までは描出しない。
「末梢まで気管支の枝は映りません。映った場合はDPBを疑うこと」
「それはCTでも同じ・・?」
「当然です。さ、あとは?」
「骨」
「うん。まあ骨は最後に見るとして、スケッチではまあいいでしょう。でも他にあるでしょうが?なあザッキー先生」
ザッキーは別のCTを確認中。
「頑張れよ!シンゴ!」
今度はザッキーが通りかかり、立ち止まった。
真吾は緊張して考えがわかない。
「はっはは・・いいですか先生。PAを忘れちゃいかん。肺動脈」
右肺門に縦の太い線、左肺門はマル。
「左のPAは夕陽が隠れるような感じなので評価しにくい。でも右は縦に走って分かりやすい。正常の太さは?」
「・・・・・」
「ザッキー先生」
「付近の肋骨の太さと同等。シンゴ大丈夫か?」
ザッキーは呟き、出て行った。
「あとはですな。それ以外見落としがないか。盲点なのは心臓と肺の接する部分」
「ぜ・・舌区?」
「うん。まあいいかな。そこがぼやけていれば、舌区に炎症があるわけですわな」
「中葉症候群・・・」
「それと正面像ではどうしても、下肺の・・・心臓のちょうど裏。ここを見落としてしまいがちですわ。なので側面像は1回はとる。健診ではしません。あれは問題やね!」
僕らもやってきて、思わず聞き入っていた。
「あとはここにも注目」
土方はレントゲンの左下を指差した。
「実はここに胆石があったりするんですな」
実際そこにそれらしきものが映っていた。
「漫然としていればつまらんでしょう?なんでも。しかしやね、こうやって興味を持ちながらやれば、おのずと勉強法は分かってくるんですよ先生。な!」
土方は僕らを見回した。
「わし、ヘン?」
僕らは拍手した。
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