3RDSPACE 32.
2006年1月3日『さてと。みなさん、今週!も!お疲れさんでした!』
事務長はマイクを持って話しかける。
大勢が駐車場に並び、頭上の雲・・天気を心配している。
『いよいよですね。当院より遠征組が奈良まで出発します!』
みなの拍手とともに、きゃしゃなピートと、小太りの眼科医が前に出た。
『私とこの2人で、今度合併する病院のスタッフらとともに協議・視察に行ってまいります!』
しかしみなあまり興味はなく、手足がブランブランしている。
土曜日であり、早く帰りたい。
『そこでの協議がうまくいけば、当院ともう1つの勢力がタッグを組み!奈良の病院が移転という形で当院に<合体>します!』
「合体って・・・その病院はここのどこにできるんだ?」
外科医が質問した。
事務長はマイクを外した。
「どこ・・・?ここ。ここですよ!みなさんが立っている!ここ!」
事務長は広大な駐車場・・の一部である自分の足元を指差した。
『ドクターを2名ほどあずかるのと、重症患者の転送などで、病棟は少し忙しくなるとは思いますが・・』
「おい事務長!」オークの1人が挙手した。
『はいどうぞ!』
「忙しくなるのは分かったけど・・・約束のスキヤキパーティーはどうなったの?」
オーク軍団はざわめいた。やがて号令にかわっていく。
「(オーク一同)スーキヤキ!スーキヤキ!」
『スキヤキはまあするにしても・・・』
「へ?」
『給料はスエオキだ!ははは!』
オークらは一斉に雪をつかみ、投げ出した。
事務長は一斉放火を浴びた。
『おいおいおい!うわっ!』
事務長はマスター台から転げ落ちた。
『でで!では車が来ましたので・・・』
ドクターズ・カー1台に、BMW系統が2台が登場。
雪を投げつけられながらも、事務長はマイクを片付けた。
「ではまあ3日ほどではありますが。頑張ってきますので」
事務長はそのまま車に乗った。主導権は新任の事務員に与えられた。ジャニーズ系だ。もとホストらしい。
事務長はサッと手を挙げた。
「じゃ、太田君。頼むよ!」
「光栄です。事務長」
運転手の田中は太田を見ていた。
「イケメンを雇いましたね。事務長」
「うちの女性陣が食われないよう、見張ってくれよ」
「噂では、もう3人食われたらしいです」
「かまわん。でも信用がおける奴だよ。土方大先生の知り合いだそうだ」
「まさか土方先生がホストクラブへ?」
「なんでそういう発想なんだ?だる。あああ!ユウキが移った!」
「世も末だ!」
オーク集団が車の周囲を取り囲み、デモは続く。
事務長は安堵のため息。
「なんなら轢いてもいいよ」
「そういうわけには・・」
田中がハンドルを小刻みに動かす。
車はやっと国道に出た。
「そうだ。これユウキ先生から」田中はティッシュの包みを出した。
「なんだよ。アイツの精子なんか要らないよ」
「まさか・・」
事務長は匂いをかぎ、包みを開けた。
『ファイザーからもらったバイアグラのサンプルを1つ。ここぞという時にでも使え ユウキより』
「バイアグラ?子供だましみたいな薬を・・」
「あの。では私がいただいても?」
田中は横目で見ていた。
「新薬は何が起こるかわからないしね。今後、ここぞというときのために」
事務長は大事そうに、自分のポッケにしまった。
遠ざかっていくスタッフ達を、事務長は助手席から見送る。
「さてはてうう・・・それはいいとして」
事務長は運転席に話しかけた。
「奈良の病院・・・連絡がいきなりつかなくなったっていうのは本当か?」
「らしいです」
事務長はまさか・・・?といった表情を見せた。
もう1台の車の後部座席に、眼科医とピートが座っていた。
「ピート。何もしなくていいんだよな」
「せいぜい、入院患者の大まかな把握と・・ご挨拶程度だろ」
「何かあったら、たた頼むよ」
「特別手当、もらってんだろーが!おめえも働けよ!」
「目の患者なら・・」
「鬼太郎のオヤジなら診れるのか?」
車2台とドクターズカーは、山道へと入っていった。
どんどん小さくなっていく街並み。
それこそマッチ箱のように。
永遠に帰れないような予感。
事務長は思いを馳せた。
「♪あの子〜が、ふっていた・・・真っ赤な〜すかああふ・・・」
「♪誰の・・ためだと・・・思っているうかあ・・」事務員も歌う。
「♪誰のためえでえもお・・・いひいいい・・じゃないかあ」
「♪みんな〜・・その気で・・いいれええば、いいい・・どうぞ事務長!」
「♪た〜び〜だつ・・・」
「♪う〜た〜びだつ〜」
「♪おとこのむねにい〜いは〜」
「♪う〜むねには〜」
「♪ロ〜マ〜ンの」
「♪ロマンの〜」
「♪かっけらがほっしい〜のさ」
「♪ほ〜しい!どうぞ事務長!」
「♪ララララララ〜!」
「♪ララ〜ラララ!」
「♪ララララララ〜!」
「♪ララ〜ラララ!」
「(同時)♪ラ〜ララ!まっ!かな〜!ス〜カ〜アフ〜!」
病院の夢を乗せ、車は山間部に入った。
事務長はマイクを持って話しかける。
大勢が駐車場に並び、頭上の雲・・天気を心配している。
『いよいよですね。当院より遠征組が奈良まで出発します!』
みなの拍手とともに、きゃしゃなピートと、小太りの眼科医が前に出た。
『私とこの2人で、今度合併する病院のスタッフらとともに協議・視察に行ってまいります!』
しかしみなあまり興味はなく、手足がブランブランしている。
土曜日であり、早く帰りたい。
『そこでの協議がうまくいけば、当院ともう1つの勢力がタッグを組み!奈良の病院が移転という形で当院に<合体>します!』
「合体って・・・その病院はここのどこにできるんだ?」
外科医が質問した。
事務長はマイクを外した。
「どこ・・・?ここ。ここですよ!みなさんが立っている!ここ!」
事務長は広大な駐車場・・の一部である自分の足元を指差した。
『ドクターを2名ほどあずかるのと、重症患者の転送などで、病棟は少し忙しくなるとは思いますが・・』
「おい事務長!」オークの1人が挙手した。
『はいどうぞ!』
「忙しくなるのは分かったけど・・・約束のスキヤキパーティーはどうなったの?」
オーク軍団はざわめいた。やがて号令にかわっていく。
「(オーク一同)スーキヤキ!スーキヤキ!」
『スキヤキはまあするにしても・・・』
「へ?」
『給料はスエオキだ!ははは!』
オークらは一斉に雪をつかみ、投げ出した。
事務長は一斉放火を浴びた。
『おいおいおい!うわっ!』
事務長はマスター台から転げ落ちた。
『でで!では車が来ましたので・・・』
ドクターズ・カー1台に、BMW系統が2台が登場。
雪を投げつけられながらも、事務長はマイクを片付けた。
「ではまあ3日ほどではありますが。頑張ってきますので」
事務長はそのまま車に乗った。主導権は新任の事務員に与えられた。ジャニーズ系だ。もとホストらしい。
事務長はサッと手を挙げた。
「じゃ、太田君。頼むよ!」
「光栄です。事務長」
運転手の田中は太田を見ていた。
「イケメンを雇いましたね。事務長」
「うちの女性陣が食われないよう、見張ってくれよ」
「噂では、もう3人食われたらしいです」
「かまわん。でも信用がおける奴だよ。土方大先生の知り合いだそうだ」
「まさか土方先生がホストクラブへ?」
「なんでそういう発想なんだ?だる。あああ!ユウキが移った!」
「世も末だ!」
オーク集団が車の周囲を取り囲み、デモは続く。
事務長は安堵のため息。
「なんなら轢いてもいいよ」
「そういうわけには・・」
田中がハンドルを小刻みに動かす。
車はやっと国道に出た。
「そうだ。これユウキ先生から」田中はティッシュの包みを出した。
「なんだよ。アイツの精子なんか要らないよ」
「まさか・・」
事務長は匂いをかぎ、包みを開けた。
『ファイザーからもらったバイアグラのサンプルを1つ。ここぞという時にでも使え ユウキより』
「バイアグラ?子供だましみたいな薬を・・」
「あの。では私がいただいても?」
田中は横目で見ていた。
「新薬は何が起こるかわからないしね。今後、ここぞというときのために」
事務長は大事そうに、自分のポッケにしまった。
遠ざかっていくスタッフ達を、事務長は助手席から見送る。
「さてはてうう・・・それはいいとして」
事務長は運転席に話しかけた。
「奈良の病院・・・連絡がいきなりつかなくなったっていうのは本当か?」
「らしいです」
事務長はまさか・・・?といった表情を見せた。
もう1台の車の後部座席に、眼科医とピートが座っていた。
「ピート。何もしなくていいんだよな」
「せいぜい、入院患者の大まかな把握と・・ご挨拶程度だろ」
「何かあったら、たた頼むよ」
「特別手当、もらってんだろーが!おめえも働けよ!」
「目の患者なら・・」
「鬼太郎のオヤジなら診れるのか?」
車2台とドクターズカーは、山道へと入っていった。
どんどん小さくなっていく街並み。
それこそマッチ箱のように。
永遠に帰れないような予感。
事務長は思いを馳せた。
「♪あの子〜が、ふっていた・・・真っ赤な〜すかああふ・・・」
「♪誰の・・ためだと・・・思っているうかあ・・」事務員も歌う。
「♪誰のためえでえもお・・・いひいいい・・じゃないかあ」
「♪みんな〜・・その気で・・いいれええば、いいい・・どうぞ事務長!」
「♪た〜び〜だつ・・・」
「♪う〜た〜びだつ〜」
「♪おとこのむねにい〜いは〜」
「♪う〜むねには〜」
「♪ロ〜マ〜ンの」
「♪ロマンの〜」
「♪かっけらがほっしい〜のさ」
「♪ほ〜しい!どうぞ事務長!」
「♪ララララララ〜!」
「♪ララ〜ラララ!」
「♪ララララララ〜!」
「♪ララ〜ラララ!」
「(同時)♪ラ〜ララ!まっ!かな〜!ス〜カ〜アフ〜!」
病院の夢を乗せ、車は山間部に入った。
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