3RDSPACE 38.

2006年1月4日
夜中。誰もいない医局。

真吾の席のスタンドだけが光っている。
彼は落ち込むように、うつむいて何かを考えていた。
「・・・・・・・・・・・・・」

彼はこれまでのことを考えていた。

大学からいったん内科系の臨床に就職したが数ヶ月で見切りを
つけられたこと。適当な基礎系を見つけて飛び込んだこと。しかしそこでも生きがいを見出せなかったこと。

間もなくドクターバンクに登録し、転々と勤務した民間病院。
誰も何も教えてくれず、また付き合いもないまま過ぎていった単調な日々。

半年毎の転勤。バンク側によるあっせん、説得。
寝るだけで金をもらうことに嫌気が差し、思い切ってとった行動。

これはやはり間違いだったのか・・・。

この数ヶ月間、基本についていろいろ教えてもらった。土方も厳しいながらも、いい教訓を教えてくれる。

 しかしここ最近のことを思うと、自分の身の危険を感じずにはいられない。大学で1からやり直すというのは客観的にみて異論ないことかもしれないが、自分にとってはここぞという職場をやっと見つけたところなのだ。

 大学の思うがままに転勤族を繰り返すつもりなど、毛頭ない。

ここ数ヶ月でいろんな手技を覚えた。
・ IVH
・ テンポラリー(まだ2例)
・ ドレーン挿入
・ マルク
・ 腰椎穿刺(2例)
・ 腹部超音波(補助つき)
・ 心臓超音波(補助つき)
・ 画像読影(レ線、CT、胃透視、注腸)

しかしまだ、
・ 食道エコー
・ 心カテ
・ 恒久的ペースメーカー
・ 気管支鏡
など、新しく覚えることは多い。

症例としては
・ 肺炎(8例)
・ COPD・喘息(14例)
・ 弁膜症(9例)
・ 心筋症(4例)
・ AMI(7例)
・ 心内膜炎(1例)
・ 糖尿病(11例)
・ 高血圧(6例)
・ 腎不全(3例)

を中心に持ってきた。

勉強の仕方もわかったし、患者に向き合う姿勢も出てきた。

「もう少し、ここで勉強できないだろうか・・・」

ただただ、願う真吾だった。

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