3RDSPACE 44.
2006年1月4日ズンズンズン・・・と詰所に土方が入ってきた。
ナースのリーダーが焦ってやってくる。
「ごご、ご報告します。呼吸器のついている患者さん・・」
「ん」
「アラームが夜間続くため確認。ドクターに確認してもらい」
「何を?」
「動脈血です。その後設定が変更」
「ん・・・」
カルテには彼らの所見・解釈がビッシリ書かれている。
循環器領域に関しても書かれており、土方はわけが分からない。
「先生!土方先生!」ボケッとした土方にナースは叫んだ。
「む!で?」
気配を感じ土方が振り向くと、真吾が立っていた。
「土方先生。私らのほうから10点ほど・・」
「食欲のないバアサンは?」
「感染症が落ち着いても同様です。胃カメラを予約」
「腹部の超音波・・」
「今日です」
「わしは便の検査は昨日出したが。それみて胃カメ・・」
「カメラは待たずします。鉄剤飲んでますので」
「・・・・・」
サッサと答えだした真吾に圧倒され、土方は言葉を失った。
「土方先生。パルス療法について家族が説明をと」
「真吾先生。それはわしが判断・・」
「昨日の先生の説明での理解がいまひとつ」
「分かったと言ってた。わしが言うから間違いな・・」
「3時に来ます」
「ぬ・・でも先生。パルスは効かないんですよ」
「3時です」
「・・・・」
真吾は土方にすれ違うたび、用件を告げていく。
「土方先生」
「待て。わしは忙しい」
「塵肺で入院した方、心不全の疑いが」
「その人は以前から心臓が大きいんですよ先生。今に始まったことじゃな・・」
「これ。大動脈弁閉鎖不全」
「・・・・・」
「左室はかなり拡張。拡張末期で68mm。待ってください先生」
早足の土方を、真吾は追いかける。
「なに?なんだ?」
「お願いします」
「お、おう。早くせい!」
真吾はカルテ・資料を台の上に広げた。
「心筋障害の所見が軽度」
「だから何や?」
「輸液の変更を」
「なら書いて、わしに見せよ!」
「これでいいでしょうか」
真吾はメモを見せていく。
「うーん。ま、それでいいか」
「どこかおかしいですか?」
「ま、いい」
「後で言われるのはイヤなので」
「そうだよね。いいぞシンゴ!」
シローがすれ違う。土方は顔をしかめる。
土方の後ろからザッキーが近づく。
「土方先生。心カテ3例あります。セカンド担当をお願いします」
「カテ?わしはせんよ」
「お願いします。そのうち1人は、外来主治医が土方先生なので」
「わしはせんでいいのですよ」
「教えますから。先生」
渡された外来カルテは、土方が初診から数回診た患者だった。
「主治医であれば、せめてセカンドを」ザッキーは遠慮しなかった。
「しつこいな。わしゃ心カテはせんっちゅうのに」
「主治医なのに?」
「おいお前!」
廊下が静まった。
「おいお前!いったい誰にものを言うてる!おい!」
「主治医です」ザッキーは譲らなかった。
「人に命令できる立場か!」
「命令はしてません。主治医なら心配かと思って」
「何様のつもりや?」
「気管支鏡は先生からかなり教わりました。今度は僕らが教えますから先生」
「いらん!この前わしが持ちかけた、東京の施設の話はええのか?」
「興味ないです」
ザッキーはしたたかだった。
「フ−ン。なら大学に戻るわけですな」
「誰が?まさか」
ザッキーは敵意むき出しすぎて、危なっかしい。
土方は返す言葉がなく、病室へ逃げていった。
ザッキーは真吾の肩を叩いた。
「すまん。これまで・・・君を見下していたかもしれない」
「ザッキー先生・・・ありがたいです」
「やめないでくれよ!」
「はい!」
ナースのリーダーが焦ってやってくる。
「ごご、ご報告します。呼吸器のついている患者さん・・」
「ん」
「アラームが夜間続くため確認。ドクターに確認してもらい」
「何を?」
「動脈血です。その後設定が変更」
「ん・・・」
カルテには彼らの所見・解釈がビッシリ書かれている。
循環器領域に関しても書かれており、土方はわけが分からない。
「先生!土方先生!」ボケッとした土方にナースは叫んだ。
「む!で?」
気配を感じ土方が振り向くと、真吾が立っていた。
「土方先生。私らのほうから10点ほど・・」
「食欲のないバアサンは?」
「感染症が落ち着いても同様です。胃カメラを予約」
「腹部の超音波・・」
「今日です」
「わしは便の検査は昨日出したが。それみて胃カメ・・」
「カメラは待たずします。鉄剤飲んでますので」
「・・・・・」
サッサと答えだした真吾に圧倒され、土方は言葉を失った。
「土方先生。パルス療法について家族が説明をと」
「真吾先生。それはわしが判断・・」
「昨日の先生の説明での理解がいまひとつ」
「分かったと言ってた。わしが言うから間違いな・・」
「3時に来ます」
「ぬ・・でも先生。パルスは効かないんですよ」
「3時です」
「・・・・」
真吾は土方にすれ違うたび、用件を告げていく。
「土方先生」
「待て。わしは忙しい」
「塵肺で入院した方、心不全の疑いが」
「その人は以前から心臓が大きいんですよ先生。今に始まったことじゃな・・」
「これ。大動脈弁閉鎖不全」
「・・・・・」
「左室はかなり拡張。拡張末期で68mm。待ってください先生」
早足の土方を、真吾は追いかける。
「なに?なんだ?」
「お願いします」
「お、おう。早くせい!」
真吾はカルテ・資料を台の上に広げた。
「心筋障害の所見が軽度」
「だから何や?」
「輸液の変更を」
「なら書いて、わしに見せよ!」
「これでいいでしょうか」
真吾はメモを見せていく。
「うーん。ま、それでいいか」
「どこかおかしいですか?」
「ま、いい」
「後で言われるのはイヤなので」
「そうだよね。いいぞシンゴ!」
シローがすれ違う。土方は顔をしかめる。
土方の後ろからザッキーが近づく。
「土方先生。心カテ3例あります。セカンド担当をお願いします」
「カテ?わしはせんよ」
「お願いします。そのうち1人は、外来主治医が土方先生なので」
「わしはせんでいいのですよ」
「教えますから。先生」
渡された外来カルテは、土方が初診から数回診た患者だった。
「主治医であれば、せめてセカンドを」ザッキーは遠慮しなかった。
「しつこいな。わしゃ心カテはせんっちゅうのに」
「主治医なのに?」
「おいお前!」
廊下が静まった。
「おいお前!いったい誰にものを言うてる!おい!」
「主治医です」ザッキーは譲らなかった。
「人に命令できる立場か!」
「命令はしてません。主治医なら心配かと思って」
「何様のつもりや?」
「気管支鏡は先生からかなり教わりました。今度は僕らが教えますから先生」
「いらん!この前わしが持ちかけた、東京の施設の話はええのか?」
「興味ないです」
ザッキーはしたたかだった。
「フ−ン。なら大学に戻るわけですな」
「誰が?まさか」
ザッキーは敵意むき出しすぎて、危なっかしい。
土方は返す言葉がなく、病室へ逃げていった。
ザッキーは真吾の肩を叩いた。
「すまん。これまで・・・君を見下していたかもしれない」
「ザッキー先生・・・ありがたいです」
「やめないでくれよ!」
「はい!」
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