3RDSPACE 46.
2006年1月4日奈良の病院。
僕とトシキのコンビネーションで、各患者の把握およびIVHなどの処置が、
なんとか一通り終わった。5日間近く要したことになる。
シローから病院への電話で、事務長代理が怪しいことが発覚。
急遽、僕ら全員は戻ろうという決心に落ち着いた。
あらましでは、あと2日ここに拘束されるのだが・・・。
そこでひらめいた事務長は、西川の携帯に電話した。
「西川を」
しばらくすると西川が出た。彼はちょうど医師らスタッフを引き連れ、真田病院へ
凱旋する途中だった。
「西川だ」
「西川。太田はクビにした。残念だったな!」
「なにを・・・」
「太田を真田病院の代表にして、病院をそっちに買い取らせる計画だったようだな。
それくらいは読めるんだよ!」
西川は愕然とした。バンの後ろには真珠会の中年医師が4人座っている。
何も知らず、女性らとグラスで乾杯している。
「そ、そんなの。作り話だろ・・」
「とにかく、全権は僕にある。土方先生との関係はどうなんだ?」
「くそ・・・」
「大学との関係は?」
「ま、待て。奈良の患者は大丈夫なんだろな?」
「かなりの患者さんが持ち直した」
「れ、礼を言う」
「患者はすべて、引き続き当院へ転院させる」
「な、なんだと・・・?それは・・・ならんならん!」
西川に焦りが見える。
バンの後ろの医師連中は、未だに気づかない。
「すまん。謝る。そこまでは・・」
「僕に謝るな!患者に謝れ!」
事務長が以前から言いたかったセリフだ。
「なに・・・どういう意味だ?」
「転院を阻止したければ、今すぐここに戻って引継ぎしろ!」
事務長は電話を切った。
「ひ〜!ひ〜!こわかったあ!でもスッキリしたあ!」
事務長は手足をプルプルさせた。
「ではあと数時間・・頑張るか!」
助手席の西川のアゴが震えていた。
「どうなるので・・?」
運転席の黒服が覗き込んだ。
西川は会長に電話した。
「申し訳・・ああ。ご存知でしたか。はい。処分は覚悟しております・・・」
電話を切り、西川は無念といった表情。
「どうにもこうにもならんぜよ・・・!」
「真田病院へは?」運転手が聞く。
「行ってもしようがない。退散だ」
バンは急にUターン、後部座席のテーブル・グラスがひっくり返った。
「おい西川!」
頭を濡らした老人・・神谷はタオルで頭を拭いた。
「何をしてるか何を!」
「会長命令だ。撤退する」
「なにい?わしらをバカにしておるのか?」
「あまり調子に乗ると、ここから引きずり降ろすぜ。じいさん」
みな黙ってしまい、車は虚しく走っていった。
僕とトシキのコンビネーションで、各患者の把握およびIVHなどの処置が、
なんとか一通り終わった。5日間近く要したことになる。
シローから病院への電話で、事務長代理が怪しいことが発覚。
急遽、僕ら全員は戻ろうという決心に落ち着いた。
あらましでは、あと2日ここに拘束されるのだが・・・。
そこでひらめいた事務長は、西川の携帯に電話した。
「西川を」
しばらくすると西川が出た。彼はちょうど医師らスタッフを引き連れ、真田病院へ
凱旋する途中だった。
「西川だ」
「西川。太田はクビにした。残念だったな!」
「なにを・・・」
「太田を真田病院の代表にして、病院をそっちに買い取らせる計画だったようだな。
それくらいは読めるんだよ!」
西川は愕然とした。バンの後ろには真珠会の中年医師が4人座っている。
何も知らず、女性らとグラスで乾杯している。
「そ、そんなの。作り話だろ・・」
「とにかく、全権は僕にある。土方先生との関係はどうなんだ?」
「くそ・・・」
「大学との関係は?」
「ま、待て。奈良の患者は大丈夫なんだろな?」
「かなりの患者さんが持ち直した」
「れ、礼を言う」
「患者はすべて、引き続き当院へ転院させる」
「な、なんだと・・・?それは・・・ならんならん!」
西川に焦りが見える。
バンの後ろの医師連中は、未だに気づかない。
「すまん。謝る。そこまでは・・」
「僕に謝るな!患者に謝れ!」
事務長が以前から言いたかったセリフだ。
「なに・・・どういう意味だ?」
「転院を阻止したければ、今すぐここに戻って引継ぎしろ!」
事務長は電話を切った。
「ひ〜!ひ〜!こわかったあ!でもスッキリしたあ!」
事務長は手足をプルプルさせた。
「ではあと数時間・・頑張るか!」
助手席の西川のアゴが震えていた。
「どうなるので・・?」
運転席の黒服が覗き込んだ。
西川は会長に電話した。
「申し訳・・ああ。ご存知でしたか。はい。処分は覚悟しております・・・」
電話を切り、西川は無念といった表情。
「どうにもこうにもならんぜよ・・・!」
「真田病院へは?」運転手が聞く。
「行ってもしようがない。退散だ」
バンは急にUターン、後部座席のテーブル・グラスがひっくり返った。
「おい西川!」
頭を濡らした老人・・神谷はタオルで頭を拭いた。
「何をしてるか何を!」
「会長命令だ。撤退する」
「なにい?わしらをバカにしておるのか?」
「あまり調子に乗ると、ここから引きずり降ろすぜ。じいさん」
みな黙ってしまい、車は虚しく走っていった。
コメント