3RDSPACE 52.

2006年1月4日
カテーテル室では総統がシローと術衣で準備中。

「尿はあなた、どんだけ・・?」
「2リットル」
「2リットル!そんなに出して・・大丈夫だったの?」
「それはこれから・・・」
「あんまり関心できないわね・・」

真吾はカテーテル類をすべて洗浄、終了した。
シローが穿刺、総統が台を動かしカテの尖端を追う。

患者の周囲で透視がグルグル回る。

ザッキーは放射線部に入ってきた。ガラスごしに総統らが見える。
「真吾先生。持ち直したよ!さっきはほんとに・・」
真吾は横でガラスの向こうを見ていたが、やがてザッキーに握手を求めた。

「礼を言うのは、こちらです」
「あ?ああ」
「年上とかなんとか言いましたけども。やはり私は先生の後輩です」

技師はそろ〜っと横目で見ていた。
「こ、こいつらできてる。できてる。マジで・・・!あ!」

画面に冠動脈の造影が映し出された。左冠動脈、前下行枝の前半部・・・
6番以降の病変。
「あっちゃー。99%、with delayか」
「なんです?」真吾は技師に問うた。
「つまりかけの病変があるために、その部位から下の造影がワンテンポ遅れるのさ」
「では拡張を・・・」
「ああ。まずワイヤーだな。でも詰まってなくて幸いだな」

総統は角度を変えていく。
「6番が拡がったとしても、その先がつぶれているかもしれないわよ!」
「ではお願いします先生!」
シローはセカンドに交代した。

技師は画面をプレイバック、記録してMOに落としていく。
「右の冠動脈も有意な病変はあるけど、大したことない。コラテが伸びてる」
「コラテ・・・」
「真吾先生も、まあこれからだな」
「コラテ?」
「ある血管が詰まったり詰まりかけたとき、他の血管が手を伸ばして血液を補給してやること。だよね」
「手を伸ばす・・・助けか」

真吾の携帯が鳴った。
「はい?」
『ミチルです。病棟でまた急変が。土方先生の患者さんで』
「行きます!」

総統とシローは、早速病変部の拡張にとりかかった。
「ステント3本連続留置、いくわよ!」

重症病棟では、ミチルらが廊下を走り回っている。
「真吾先生!こっちこっち!」
「土方先生は・・・」
「土方先生はイレウスチューブのほうで難渋してて・・ザッキー先生は今しがた救急外来へ!」
「僕でよかったら・・・そりゃ!」

真吾はズドーン、と重症部屋に突入した。

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