3RDSPACE 57.
2006年1月5日事務長は司会を続けた。
『今、ここで1人の男が・・・信念に目覚めた。信念だ!』
事務長は横に真吾を立たせ、腕をいっしょに挙げた。
『何か言いたいことは?(ヒソヒソ声→)真吾先生。打ち合わせどおり!』
「そうですね。家にいる娘に、ひとこと言いたい」
『ポパルポルペムペムペ!(←ロシア語のつもり)』
「愛してるぞ〜!これでいいんですかね?」
『パピペプポ〜!(←これもロシア語のつもり)』
僕は呆れていた。
「死になさいよ。君たち・・・」
事務長の拍手に合わせ、みな拍手を始めた。
人波の飲まれるがごとく、真吾はみんなに囲まれたまま病院へ。
事務長はオーク軍団に囲まれた。
「な。なんでしょうか・・・」
「なんかこのあと、焼肉屋に連れてってくれるって?」
中年ナースが呟いた。
「えっ?誰がそんなことを?」
「そう聞いたよ」
「誰が?」
「それは言わないように言われてるし」
「あわわ」
「さ、行こう!」
「じ、自分は用事が!」
「ミチル!いい?借りても?」
ミチルは玄関で立っていた。
「いいわよ。今日だけね」
「マジかよ?」
事務長は逃げ出した。しかしオーク軍団はついてくる。
早くも2列編隊だ。
ザッザッザッ・・・!と駆け足が始まった。
「た、助けてくだせえ!」
事務長は後ろから首をつかまれ、そのまま繁華街へ走っていった。
僕が玄関に入りかけたところで、ミチルが笑っていた。
事務長の上着から、薬を取り出していた。
「こんな薬に頼ろうなんて。人をナメてんの?バカが!」
僕は隠れてザッキーに耳打ちした。
「やべ。ミチル注意報だよ・・・」
「全員集合?」
「帰ろ帰ろ・・・」
「待てっ!」やはり呼び止められた。
「なんでせうか」
「山ほど指示があるっ!」
「土曜日の昼だよ。もう帰る時間・・・」
「待て!患者を放って逃げるのか!」
「うわっ?」
ミチルは僕らを追いかけてきた。病院には入らず、駐車場を逃げ回る。
するとシローの車が突っ込んできた。
「うわっ!危ないよ!」ザッキーが座り込んだ。
「シロー先生。まさか集会に行くんじゃないでしょうね?」
僕は走りながら、ザッキーの側を通り過ぎる。
「集会?どういうことだ?」
逃げ回るザッキーが、また交差していく。
「しゅ!しゅうかいってのは!しゅうきょう!のしゅうかい!」
「しろー!まさか!入会!したのか!」
僕らはまた離れ、また交差する。
「よめ!と!むすこ!が!つれて!いかれ!る!」
「松田!と!いっしょ!か!」
ミチルは僕とザッキーを交互に追いかけた。執拗だ。
ザッキーは車にしがみついた。
「シロー先生。止めにいくんでしょう?」
「しゃべったのかい?ユウキ先生に!」
「何時の新幹線ですか?」
「松田夫婦を許せない。許せない!」
「ダメだ・・・聞き耳もたずだ!」
ザッキーは後部座席になだれ込んだ。
僕もなだれ込んだところで、シローは車を急発進させた。
「待てこら!お前ら!」
車が国道に出ても、ミチルは追いかけてきた。
「ワンワン!ガウガウ!」
最後はそんなふうに聞こえた。
『今、ここで1人の男が・・・信念に目覚めた。信念だ!』
事務長は横に真吾を立たせ、腕をいっしょに挙げた。
『何か言いたいことは?(ヒソヒソ声→)真吾先生。打ち合わせどおり!』
「そうですね。家にいる娘に、ひとこと言いたい」
『ポパルポルペムペムペ!(←ロシア語のつもり)』
「愛してるぞ〜!これでいいんですかね?」
『パピペプポ〜!(←これもロシア語のつもり)』
僕は呆れていた。
「死になさいよ。君たち・・・」
事務長の拍手に合わせ、みな拍手を始めた。
人波の飲まれるがごとく、真吾はみんなに囲まれたまま病院へ。
事務長はオーク軍団に囲まれた。
「な。なんでしょうか・・・」
「なんかこのあと、焼肉屋に連れてってくれるって?」
中年ナースが呟いた。
「えっ?誰がそんなことを?」
「そう聞いたよ」
「誰が?」
「それは言わないように言われてるし」
「あわわ」
「さ、行こう!」
「じ、自分は用事が!」
「ミチル!いい?借りても?」
ミチルは玄関で立っていた。
「いいわよ。今日だけね」
「マジかよ?」
事務長は逃げ出した。しかしオーク軍団はついてくる。
早くも2列編隊だ。
ザッザッザッ・・・!と駆け足が始まった。
「た、助けてくだせえ!」
事務長は後ろから首をつかまれ、そのまま繁華街へ走っていった。
僕が玄関に入りかけたところで、ミチルが笑っていた。
事務長の上着から、薬を取り出していた。
「こんな薬に頼ろうなんて。人をナメてんの?バカが!」
僕は隠れてザッキーに耳打ちした。
「やべ。ミチル注意報だよ・・・」
「全員集合?」
「帰ろ帰ろ・・・」
「待てっ!」やはり呼び止められた。
「なんでせうか」
「山ほど指示があるっ!」
「土曜日の昼だよ。もう帰る時間・・・」
「待て!患者を放って逃げるのか!」
「うわっ?」
ミチルは僕らを追いかけてきた。病院には入らず、駐車場を逃げ回る。
するとシローの車が突っ込んできた。
「うわっ!危ないよ!」ザッキーが座り込んだ。
「シロー先生。まさか集会に行くんじゃないでしょうね?」
僕は走りながら、ザッキーの側を通り過ぎる。
「集会?どういうことだ?」
逃げ回るザッキーが、また交差していく。
「しゅ!しゅうかいってのは!しゅうきょう!のしゅうかい!」
「しろー!まさか!入会!したのか!」
僕らはまた離れ、また交差する。
「よめ!と!むすこ!が!つれて!いかれ!る!」
「松田!と!いっしょ!か!」
ミチルは僕とザッキーを交互に追いかけた。執拗だ。
ザッキーは車にしがみついた。
「シロー先生。止めにいくんでしょう?」
「しゃべったのかい?ユウキ先生に!」
「何時の新幹線ですか?」
「松田夫婦を許せない。許せない!」
「ダメだ・・・聞き耳もたずだ!」
ザッキーは後部座席になだれ込んだ。
僕もなだれ込んだところで、シローは車を急発進させた。
「待てこら!お前ら!」
車が国道に出ても、ミチルは追いかけてきた。
「ワンワン!ガウガウ!」
最後はそんなふうに聞こえた。
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