3RDSPACE 58.
2006年1月5日僕はゆっくり腰を据えた。
「ふうう・・・土方問題が片付いたと思ったらちゃんカツオ兄さん・・・」
シローは無言で爆走している。
「おいシロー。手段は選ばなくていいよな」
「・・・・・・・・・」
「シロー・・・」
シローの車は信号機をことごとく無視、猛スピードで片側4車線を爆走した。
ナビの矢印がどんどん進んでいく。
「子供を・・・子供を奪われてたまるか!」
パニックになりそうな自分を抑え、彼は薬をぐっと飲み込んだ。
何の薬なのか・・・
「シロー先生。こんなときにSSRIなんて」ザッキーがシートベルトした。
後部座席で僕らは話した。
「ユウキ先生。シロー先生かなり興奮しています」
「なんなんだ。いったい何が起こるんだ?」
車は信号をどんどん無視していく。
僕は情報を整理した。
「わかったぞ。シローのワイフが松田の宗教に入ってるから、松田夫婦とどっかの集会に
行くんだろう。シローはそれを止めに行くんだ」
「子供まで連れて行くとは・・・」
「木ばっかり見てるから、奴らは気が狂ったんだ」
大きな四つ角。
赤信号が黄色に変わりつつある。
「飛ばします!つかまれ!」
シローはアクセルを目一杯押し、なんとか走り抜けた。
すると向こう1つの信号も変わりかける。
「もういっちょ!」
これも越えられた。
後部座席で僕らは転げまわっていた。シートベルトを急いで装着。
「いてて・・新大阪駅か・・・」
「どうしたんですか?」
「よりによってあそこか。あそこはあまり・・」
「嫌な思い出でも?」
新大阪駅、新幹線プラットホーム。
松田夫婦は、シローのワイフと立ち話していた。息子はみんなに囲まれている。
松田は階段の下をうかがった。
「シローには声をかけてたんだが・・・強情な奴だな」
「おっほほ。まあいいじゃないのあなた」
ワイフの首、手首には宝石がちりばめられている。
クリニックの売り上げから買い集めた。
「今日は5千人くらい集まるんでしょう?」
シローのワイフは目を輝かせた。
「そうよ。もっと来るかも!」
松田ワイフも目を見開いた。
車はなんとか新御堂筋に乗っていた。
「ここを・・右に曲がればいいんだよな!」
シローはハンドルを右に切り、いよいよ到着の体勢に入った。
僕らは一斉にシートベルトを解除。
シローは車を駅ビル1階に乗りつけ、鍵も閉めず走り出した。
ザッキーと僕が追いかける。
「ザッキー!お前遅い!」
「はあ、はあ・・・お先にどうぞ・・はあはあ」
僕は1段とばしでエスカレーターを駆けていった。
過去の記憶のようだ。今度こそ間に合うのか・・・。
入場券を買い、なんとか最後の階段を登り始めた。シローはずっと先。心臓が張り裂けそうだ。しかし足は休めなかった。
「はあはあ・・・どこだ」
ホームに現れると、東京行きが・・・すでに到着しているのがある。
おそらくグリーン席。長い通路を走っていった。
「シロー。お前・・・話してくれればよかったのに!」
「ふうう・・・土方問題が片付いたと思ったらちゃんカツオ兄さん・・・」
シローは無言で爆走している。
「おいシロー。手段は選ばなくていいよな」
「・・・・・・・・・」
「シロー・・・」
シローの車は信号機をことごとく無視、猛スピードで片側4車線を爆走した。
ナビの矢印がどんどん進んでいく。
「子供を・・・子供を奪われてたまるか!」
パニックになりそうな自分を抑え、彼は薬をぐっと飲み込んだ。
何の薬なのか・・・
「シロー先生。こんなときにSSRIなんて」ザッキーがシートベルトした。
後部座席で僕らは話した。
「ユウキ先生。シロー先生かなり興奮しています」
「なんなんだ。いったい何が起こるんだ?」
車は信号をどんどん無視していく。
僕は情報を整理した。
「わかったぞ。シローのワイフが松田の宗教に入ってるから、松田夫婦とどっかの集会に
行くんだろう。シローはそれを止めに行くんだ」
「子供まで連れて行くとは・・・」
「木ばっかり見てるから、奴らは気が狂ったんだ」
大きな四つ角。
赤信号が黄色に変わりつつある。
「飛ばします!つかまれ!」
シローはアクセルを目一杯押し、なんとか走り抜けた。
すると向こう1つの信号も変わりかける。
「もういっちょ!」
これも越えられた。
後部座席で僕らは転げまわっていた。シートベルトを急いで装着。
「いてて・・新大阪駅か・・・」
「どうしたんですか?」
「よりによってあそこか。あそこはあまり・・」
「嫌な思い出でも?」
新大阪駅、新幹線プラットホーム。
松田夫婦は、シローのワイフと立ち話していた。息子はみんなに囲まれている。
松田は階段の下をうかがった。
「シローには声をかけてたんだが・・・強情な奴だな」
「おっほほ。まあいいじゃないのあなた」
ワイフの首、手首には宝石がちりばめられている。
クリニックの売り上げから買い集めた。
「今日は5千人くらい集まるんでしょう?」
シローのワイフは目を輝かせた。
「そうよ。もっと来るかも!」
松田ワイフも目を見開いた。
車はなんとか新御堂筋に乗っていた。
「ここを・・右に曲がればいいんだよな!」
シローはハンドルを右に切り、いよいよ到着の体勢に入った。
僕らは一斉にシートベルトを解除。
シローは車を駅ビル1階に乗りつけ、鍵も閉めず走り出した。
ザッキーと僕が追いかける。
「ザッキー!お前遅い!」
「はあ、はあ・・・お先にどうぞ・・はあはあ」
僕は1段とばしでエスカレーターを駆けていった。
過去の記憶のようだ。今度こそ間に合うのか・・・。
入場券を買い、なんとか最後の階段を登り始めた。シローはずっと先。心臓が張り裂けそうだ。しかし足は休めなかった。
「はあはあ・・・どこだ」
ホームに現れると、東京行きが・・・すでに到着しているのがある。
おそらくグリーン席。長い通路を走っていった。
「シロー。お前・・・話してくれればよかったのに!」
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