NURSEBESIDEの終盤。紹介状なしに搬送されてきた6名のうち、1名はペンタジン中毒だったもよう。あとの5人の経過はこうだった。

○ 63歳の男性肥満型。胸部痛。心電図では異常なし。胸部CTで肺炎+胸膜炎。肺癌+閉塞性肺炎の疑いもあり。

→ 明らかに胸の症状の場合、ある意味調べやすい。みぞおちの場合は腹部まで調べる必要あり。胸痛では心電図・エコー・CT(肺だけでなく動脈瘤の除外も)で、緊急性の除外がほぼできる。肺炎の診断自体は容易だが、異型肺炎の鑑別が重要。培養には結核も忘れずに。また今回のように二次的な場合(癌による閉塞など)もあることも念頭に。ヘビースモーカーには特に注意したい。

○ 55歳男性。頻呼吸。看護部長が点滴を速めに落とすが呼吸悪化、人工透析中患者であった。肺水腫の疑い。緊急透析を開始。前医で水分をかなり摂らされていたもよう。

→ 慢性透析では糖尿病が多く、心疾患など合併症を持っている患者も多い。緊急では透析(除水)の速度も速くなるが、同時に心機能の評価やモニター観察(急な脱水→頻脈→不整脈傾向)などで血行動態を不安定にしないよう努める。利尿しすぎでの低カリウムは新たな不整脈、イレウスを招きやすい。

○ 中年女性肥満型。意識障害。低血糖。頭部CT異常なし。ブドウ糖で意識を取り戻すが、戻ったとたん前医への帰院を希望。そのあと転倒。

→ 前医でインスリンを多量に投与されていた疑い。意識障害患者にはまずデキスターですぐ血糖を測定する習慣としたい。最近は家族にほったらかしにされて搬送される高齢者も少なくなく、それによる低血糖をみることもある。

○ 嘔吐しまくりの中年男性。高血糖だが心電図でST上昇あり、急きょカテーテル準備となる予定だったが患者が拒否。仕方なくt−PAを開始、いったん心室細動となりDCで回復。以後カテの同意を得て右冠動脈の亜閉塞を確認、ステントにて拡張。

→ 嘔吐で受診、実は心筋梗塞。糖尿病や高齢者では胸痛を自覚せず見過ごされることも多い。血栓溶解剤による閉塞解除の際に細動が起こる可能性があるのは強調されるところ。なので投与中モニター観察は怠れない。

○ 軽症っぽい、一見問題なさげな男性。MRI施行時に痙攣。

→ CTで脳出血などの除外診断をするのはいいが、やはり人手の足りない夜中に、無理に精密検査を施行すべきでない。痙攣にはまずセルシンなど治療(注射→内服切り替え)ののち、詳しい画像診断、脳波、採血(電解質など)、詳しくはホルター心電図などで原因検索。医原性(ふだんの内服確認)についても調べる。脱水は発作を助長するので水分管理も重要。

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