サンダル医長 金曜日 ? 変・頭痛
2006年10月18日外来では、例のナースが待っていた。
「ザビタン!へいへい!35冊!」
「どっへ〜・・・」
「みんなもうカンカン!ランラン!」
「ふるう〜・・・」
さっそく30代女性が入る。片頭痛でよく診ていた。3年ほどになる。
「ホントは来週予定だったんですが、今日、いきなり来いって事務から電話が」
「あ、そうだ。すんません・・実はね」
「ええ」
「実は、しばらくこの病院を出ることになりまして」
「あら!」
「申し訳ない・・」
というのは、この患者は・・・キれやすい性格もあって、いろんなドクターから診療拒否をされていた。
なんとか僕のところで落ち着いたわけだが。
「でね、主治医が代わるってことになります」
「うーん」彼女は現実的な表情になった。
「できれば、トシキ・・」
「嫌いです。ダメです」
「あの先生は、しつこく見えるかもしれないけどホントは心配して・・」
などと、心にもないフォローを入れた。
「顔も見たくないです。自分の主張だけ押し付けて」
「困ったな・・・じゃ、最近外来を始めだした・・・真吾という医者に」
「真吾先生・・・?」
「という名前です」
「おい。誰かオレの名前、呼んだか?」
近くで同じく外来をしている彼の声が。
「ほら、今横で声が聞こえましたよね」
「ええ・・・」
「なかなか社交的で、穏やかな医者ですよ」
「短気だったら、怖い・・・」
「でも、自分も短気だってこのごろ言われるんですがね」
「ユウキ先生が?でもユウキ先生は、こちらの言う通りの処方を出してくれるし」
「う・・・」
いいようにされていた所もあったのか・・・。都合のいいドクターだったのか。
「僕のほうから申し送っておきますんで」
「ええ。ではお願いを」彼女は小さなバッグを抱えて立ち上がった。
「ちょっと待ってね」
顔だけ、隣の外来に出した。
「おい!真吾!」
「あー?何だ?」真吾は後ろ向きで所見などを記入している。
「片頭痛の人、1人回すからな。頼むぞ今度から」
「嘘だろ?俺が見るのは、内科の患者だ」
「片頭痛だって、診れなきゃいけないぞ!」
「頭痛はふつう、脳外科だろ?」
「脳外科では、器質的なものは除外されたんだ。で、片頭痛と診断されてここへやってきた」
「あのなあ医長先生。オレのとこ、けっこう精神科がらみとかも多いし。もう困ってんだよ」
「つべこべ言うな!お前、最近態度でかいぞ!」
「疲れてんだよ!昨日は救急で!」
「それはみんな同じだろ!」
「早く外来降りろ!」
「るさいぞ!」
ゆっくり、顔を戻した。
女性はまだ立っていた。
「今・・・申し送りましたんで。へへ」
看護士も、僕に合わせて笑顔で頷いた。
47歳男性。喘息がある人。今週来ていたが、また来てくれた。
「おはようございます。なにかその、辞められると聞きまして」
「そ、そうなんですよ」
気にしてくれたかと思い、むしろうれしくなった。
「いやねえ、私このまえ申しましたように、リストラで職探し中だったんです」
「ええ。頑張ってください・・」
「ん?わはは!」
中年男性は、勝ち誇ったように僕の肩を叩いた。
「あたっ!」さっき転倒して打ったところをモロだ。
「ははは!先生こそ頑張らな!」
「う・・・」
「病院にも、リストラがあるんやな!」
「リストラ・・・?いや、ちが」
「ま!先生も希望を持って!わしはもう、仕事は見つかったけど!」
「そうですか。それはよかった・・・」
「ま、ドクターやからな。でもあんまり欲張ったらいかんで!」
男性は立ち上がり、また振り向いた。
「あ、今日はね!薬を電車で無くして!それで改めて取りに・・・」
なんだそうか。それで来たのか。いちいち説明せんでもよろし・・・!
患者が出てカルテに記載中、看護士が耳元でささやいた。
「は〜(←息)」
「うわっ!やめろよ!気持ちわりい!」
「(ゆっくりとささやき声で→)あんまり、よくばったら、いかんで〜!」
「なんの話だよ、って思ったよ!」
「じょいじょい、えんじょい〜!や・よ・い〜!」
はっと気づき、丸イスをスライドさせ看護士にぶつかった。
「おい看護士!お前何か知ってるな?」
「(ささやき)せきにん、とれ〜」
「なんの?」
「これしき」
「ごまかすな!何の責任だよ!思わせぶりに!」
「(ささやき)ねんぱいおんなの、ぷらいど、きずつけた〜」
「知ってるのか?弥生先生の、その・・・」
「へへへ・・・」
「彼女は一体その、ぶっちゃけ・・・年は?」
ささやき声だった看護士は、いきなり中腰から立ち上がった。
「えっ!えっ!誰が?誰が?弥生先生のどこが年配だってえ!」
「わっ!バカ!声が大きい!」
「えっ!えっ!どうしてどうして!若いんじゃなかったの!」
僕は事務室まで走った。
「事務長!事務長!いないか!」
代わりに、田中事務員が走ってきた。
「どうしたんですか?」
「看護士がな!変なんだよ!」
「みんな変ですって!」
「来てみろ!」
事務員を連れて、外来へ。
田中君は、看護士をじっと見た。
「別に・・・いつもどおりでは?」
看護士は穏やかな表情で、せっせとカルテを積み上げていた。
「医長先生。患者様がお待ちかねで」
「おい!大声出すのやめろ!」それが大声だった。
田中君は軽く咳払いした。
「医長先生。あまり騒がしくしないでくださいな・・・」
「ホントだって。この看護士、ちょっとおかしいと思うぞ」
「失礼ですよ先生。最近は何かあったら裁判の世の中なんで」
「信じろって・・・!」
「それに先生。彼には重要な任務があるんですから」
「はあ?」
「先生にとって、今後重要なヘルプになる人物ですよ」
「ま、まさか・・・ついてくるのか?」
「奈良に。ええ、専属ナースとして。ドライバーもします」
田中君は振り返って、事務室へ戻っていった。
改めて看護士を見ると・・・
「せんぞくせんぞく!へいへい!明日はしゅっぱつ楽しいな!」
腰をパカパカとくねらせていた。
こんな奴とまた仕事、続けるのか。
頭が痛くて目の前がチカチカ・・・。
どうやら片頭痛になったようだ。
チカチカ、カラータイマーが点滅。
ピコーン、ピコーン、ピコーン・・・
思わず天井を見上げ・・・
「ジョワッ!」
とは飛んでない、飛んでない。
※ 銀鉄(ふるっ!)の盗作疑惑で、松本零士が槙原敬之に「ごめんと言わない!」と怒っている。零士レイジ〜う〜んレイジアフタヌ〜ン・・。
♪<ごめん>じゃなくて・・<ありがと〜う>・・・。
とマッキーが歌い返したら、さぞかし<アイアム寒>だろうな。
でも本当にマッキ(末期)なのは、<ヤマト復活篇>の企画だろう。
盗作疑惑か。・・・自分からすると、<ドクターKが北斗の拳のパクリ>と指摘されたほうが納得できるが。
「ザビタン!へいへい!35冊!」
「どっへ〜・・・」
「みんなもうカンカン!ランラン!」
「ふるう〜・・・」
さっそく30代女性が入る。片頭痛でよく診ていた。3年ほどになる。
「ホントは来週予定だったんですが、今日、いきなり来いって事務から電話が」
「あ、そうだ。すんません・・実はね」
「ええ」
「実は、しばらくこの病院を出ることになりまして」
「あら!」
「申し訳ない・・」
というのは、この患者は・・・キれやすい性格もあって、いろんなドクターから診療拒否をされていた。
なんとか僕のところで落ち着いたわけだが。
「でね、主治医が代わるってことになります」
「うーん」彼女は現実的な表情になった。
「できれば、トシキ・・」
「嫌いです。ダメです」
「あの先生は、しつこく見えるかもしれないけどホントは心配して・・」
などと、心にもないフォローを入れた。
「顔も見たくないです。自分の主張だけ押し付けて」
「困ったな・・・じゃ、最近外来を始めだした・・・真吾という医者に」
「真吾先生・・・?」
「という名前です」
「おい。誰かオレの名前、呼んだか?」
近くで同じく外来をしている彼の声が。
「ほら、今横で声が聞こえましたよね」
「ええ・・・」
「なかなか社交的で、穏やかな医者ですよ」
「短気だったら、怖い・・・」
「でも、自分も短気だってこのごろ言われるんですがね」
「ユウキ先生が?でもユウキ先生は、こちらの言う通りの処方を出してくれるし」
「う・・・」
いいようにされていた所もあったのか・・・。都合のいいドクターだったのか。
「僕のほうから申し送っておきますんで」
「ええ。ではお願いを」彼女は小さなバッグを抱えて立ち上がった。
「ちょっと待ってね」
顔だけ、隣の外来に出した。
「おい!真吾!」
「あー?何だ?」真吾は後ろ向きで所見などを記入している。
「片頭痛の人、1人回すからな。頼むぞ今度から」
「嘘だろ?俺が見るのは、内科の患者だ」
「片頭痛だって、診れなきゃいけないぞ!」
「頭痛はふつう、脳外科だろ?」
「脳外科では、器質的なものは除外されたんだ。で、片頭痛と診断されてここへやってきた」
「あのなあ医長先生。オレのとこ、けっこう精神科がらみとかも多いし。もう困ってんだよ」
「つべこべ言うな!お前、最近態度でかいぞ!」
「疲れてんだよ!昨日は救急で!」
「それはみんな同じだろ!」
「早く外来降りろ!」
「るさいぞ!」
ゆっくり、顔を戻した。
女性はまだ立っていた。
「今・・・申し送りましたんで。へへ」
看護士も、僕に合わせて笑顔で頷いた。
47歳男性。喘息がある人。今週来ていたが、また来てくれた。
「おはようございます。なにかその、辞められると聞きまして」
「そ、そうなんですよ」
気にしてくれたかと思い、むしろうれしくなった。
「いやねえ、私このまえ申しましたように、リストラで職探し中だったんです」
「ええ。頑張ってください・・」
「ん?わはは!」
中年男性は、勝ち誇ったように僕の肩を叩いた。
「あたっ!」さっき転倒して打ったところをモロだ。
「ははは!先生こそ頑張らな!」
「う・・・」
「病院にも、リストラがあるんやな!」
「リストラ・・・?いや、ちが」
「ま!先生も希望を持って!わしはもう、仕事は見つかったけど!」
「そうですか。それはよかった・・・」
「ま、ドクターやからな。でもあんまり欲張ったらいかんで!」
男性は立ち上がり、また振り向いた。
「あ、今日はね!薬を電車で無くして!それで改めて取りに・・・」
なんだそうか。それで来たのか。いちいち説明せんでもよろし・・・!
患者が出てカルテに記載中、看護士が耳元でささやいた。
「は〜(←息)」
「うわっ!やめろよ!気持ちわりい!」
「(ゆっくりとささやき声で→)あんまり、よくばったら、いかんで〜!」
「なんの話だよ、って思ったよ!」
「じょいじょい、えんじょい〜!や・よ・い〜!」
はっと気づき、丸イスをスライドさせ看護士にぶつかった。
「おい看護士!お前何か知ってるな?」
「(ささやき)せきにん、とれ〜」
「なんの?」
「これしき」
「ごまかすな!何の責任だよ!思わせぶりに!」
「(ささやき)ねんぱいおんなの、ぷらいど、きずつけた〜」
「知ってるのか?弥生先生の、その・・・」
「へへへ・・・」
「彼女は一体その、ぶっちゃけ・・・年は?」
ささやき声だった看護士は、いきなり中腰から立ち上がった。
「えっ!えっ!誰が?誰が?弥生先生のどこが年配だってえ!」
「わっ!バカ!声が大きい!」
「えっ!えっ!どうしてどうして!若いんじゃなかったの!」
僕は事務室まで走った。
「事務長!事務長!いないか!」
代わりに、田中事務員が走ってきた。
「どうしたんですか?」
「看護士がな!変なんだよ!」
「みんな変ですって!」
「来てみろ!」
事務員を連れて、外来へ。
田中君は、看護士をじっと見た。
「別に・・・いつもどおりでは?」
看護士は穏やかな表情で、せっせとカルテを積み上げていた。
「医長先生。患者様がお待ちかねで」
「おい!大声出すのやめろ!」それが大声だった。
田中君は軽く咳払いした。
「医長先生。あまり騒がしくしないでくださいな・・・」
「ホントだって。この看護士、ちょっとおかしいと思うぞ」
「失礼ですよ先生。最近は何かあったら裁判の世の中なんで」
「信じろって・・・!」
「それに先生。彼には重要な任務があるんですから」
「はあ?」
「先生にとって、今後重要なヘルプになる人物ですよ」
「ま、まさか・・・ついてくるのか?」
「奈良に。ええ、専属ナースとして。ドライバーもします」
田中君は振り返って、事務室へ戻っていった。
改めて看護士を見ると・・・
「せんぞくせんぞく!へいへい!明日はしゅっぱつ楽しいな!」
腰をパカパカとくねらせていた。
こんな奴とまた仕事、続けるのか。
頭が痛くて目の前がチカチカ・・・。
どうやら片頭痛になったようだ。
チカチカ、カラータイマーが点滅。
ピコーン、ピコーン、ピコーン・・・
思わず天井を見上げ・・・
「ジョワッ!」
とは飛んでない、飛んでない。
※ 銀鉄(ふるっ!)の盗作疑惑で、松本零士が槙原敬之に「ごめんと言わない!」と怒っている。零士レイジ〜う〜んレイジアフタヌ〜ン・・。
♪<ごめん>じゃなくて・・<ありがと〜う>・・・。
とマッキーが歌い返したら、さぞかし<アイアム寒>だろうな。
でも本当にマッキ(末期)なのは、<ヤマト復活篇>の企画だろう。
盗作疑惑か。・・・自分からすると、<ドクターKが北斗の拳のパクリ>と指摘されたほうが納得できるが。
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