サンダル医長 土曜日 ? 出撃サイクル軍団!孔明何か策を!
2006年11月30日「ブヒブヒ!」「ギャアア!」
逃げまくるオーク軍団を中心とした、ナース軍団。みな病院正面入り口へと逃げ込んでいく。
というか、持ち場(病棟)へ戻ったのか。帰る準備なのか。
一部の有志(若ナース)は、救急入り口で待機した。
僕は駐車場のど真ん中で、ずっと肩を人差し指で押されていた。
「いてええ・・・くそなんで。あれ?立ち上がれん?」
「ツボを押してますので」クールな二枚目は上から見下ろした。
「あれ全部、救急車か?おたくの・・・」
赤い救急車は、ほぼそろった形でやってきたかと思ったら各々向きをバラバラにし、アットランダムで駐車し始めた。
はるか向こうの隅、すぐ手前、中央・・・。だらしなく、斜めに停めるかっこうだ。
今さら気づいたが、小雨が降っていた。
「ててて。こらおい!まっすぐ停めろ!」
「なにせ、運転手が慣れてないもので」
「免許なしか?」
「診療に日々追われ、運転などする間もない彼らですから」
「ウソ。医者か・・・?」
バタン、バタンと降りて来た水色の白衣。たぶんドクターだろうが、かなり若い。
無口のまま、後部のハッチ開けにかかる。
救急入り口から、手をかざしながらドクターが数名走ってきた。先頭はトシキ。
同時に、駐車場中央の宮川先生の足元から、犬がダダッと走り出した。さらに4匹ほどが続く。
僕と宮川先生は四方八方を救急車で囲まれ、まるで塞がれるように孤立した。
二枚目が油断してよそ見をしているのに気づき、僕はわざと倒れてゴロゴロ右に転んだ。
「よし!しかしまた股が!」
股も、尻もずぶ濡れになった。
「おいトシキ!トシキはいるか!」
周囲の救急車の周辺を走ってうろつく。田中君が1人、ストレッチャーを搬出していた。
「医長先生!ちょうどいいところに!」
「70代くらいかな。意識はあるかな?」
「それは分かりかねますが・・」
「・・・脈はある。弱い。吐いた跡。腱反射・・・分からん。ハッキリせん」
「酸素飽和度、ろろ、60?」
「手足が完全に冷え切ってる!とりあえず、救急室に!」PHSに電話。
『救急室』
「その声は澪さんか!ナースは点滴準備!ルーチンのセット、カート上に書いてある!」
『はい!検査は!』
「救急Bセットに酸素吸入、その前に動脈血採取!ポータブル超音波外来から出してくれ!」
『どの患者さん?』
「えっ?あっ」
救急入り口前面、すでに5台ほどのベッドが向かっている。雨が時々目を失明させる。
「医者は4名ほどが待機か。田中君。頼むぞ!」
「ええっ?待ってよ先生!」ベッドは救急室へ。
「(PHS)なんだ?呼んだか?」
『DOAです!心肺停止!』
「どこだ?どこ?」
『ここ!』
「ここじゃ分からん!」
救急車の迷路で、どこか分からない。
事務長が拡声器を持ってやってきた。
「はあ!はあ!つかれた!」
「事務長!重症患者はどの車に・・・」
「あっちゃあ。どこでしょうね?」
「何か!何か策は?」
「さく?」
「事務長だろ!何とかしろ!よし!1台ずつ探す!」
水たまりをバチバチ踏み抜き、1台ずつ確認。
「ここはカラ!・・・・そして!ぎゃあ!」
ハッチを開こうとしたら、水色の白衣を着た若手ドクター・・のようだ。
腕を引っ張られ、引きずり回される。
「貴様か!我々の理想をふみにじる男というのは!」
「わわわ!わああ!」
「やめんさい!」事務長が背後から押さえつけた。
「何をする?貴様も仲間か?そうなんだな?」
「ちち、ちがいます・・いや、そうです!医長先生!いい考えが!」
「なんだ?いてて・・くそ!覚えてろ!」
「医長先生!私のこの拡声器で!叫んでください!」
「はあ?バカかお前!ウオー!でがんすのオオカミ男とでも叫ぶのか!」
「ちゃうちゃう!駐車場を区域分けするんです!分割して!ええっと。げぷ!」
事務長は腹を蹴られ、胃液らしきものを吐き倒れこんだ。
「げっぷ・・・」
「なんだ?分割ってなんだ事務長!」
「ぷぷ・・・げろげろげろ!」
はき終わるまで、待った。暴力医師は、救急車から出て走っていった。
「事務長。じゃあこうするか。この中央の救急車の上に、目印を置いて・・・それから東西南北、近位部、遠位部で」
「げろおお・・・!」
「ダメだな。よし、貸して!」
拡声器を持ち、駐車場から国道に面したところへ走る。
タヌキの置物をかかえ、また中央部へ。
事務長の背中に乗りジャンプして、なんとか救急車の真上に置物を置く。
『はあはあ。いいか!みんな聞け!まだ駐車場にいる奴!タヌキが見えるか!タヌキがぁ!』
タヌキは安定したまま、車の上に乗っかったままだ。
『オレが指揮を取るから!電話はオレに!つながらない場合は?事務長のPHS、?田中君のPHSにかけろ!』
つまり3本、携帯を持ち合わせ。ガムテープでベルトの周囲に装着。
さっそく電話が鳴ってきた。
「ど、どれがどれやら、さっぱり分からん・・・!もしもし?」
『トシキです!中央から北西30度、遠位部末端!VTです!DCを!』
「どあるう!こまかすぎ!(拡声器→)救急室!DCを北西遠位部末端まで!」
ダッシュでDCを運んでいくナースら。
「事務長!オレもあちこち、助けるぞ!」
自転車置き場の、鍵なし自転車を抱える。
「誰のか知らんが、借りるぞ!」
ドスン、と後ろに重みを感じた。事務長だ。
「気持ち的に、補助します!」
「どある!お前はプレッシャーサポートか!」
引き続き、研修の遠藤君が自転車に乗ってやってきた。私服だ。
「おう!感心だな!一緒に回ろうぜ遠藤君!評価が上がるぞ!」
「ひゅ、ひゅにに・・・」
「どうした?白衣ないのか?」
「ひ、ひまから帰ろうかなって・・・!」
「どある!許さん!来い!強制徴兵だ!」
自転車部隊にはさらマゾ看護士が加わり、3台は救急車の山めがけて向かっていった。
「おい看護士!ドクターカーはいけるんだろな!」
「カアッペッ!サビタンヘイヘイ!」
「だる・・も、やめてえな」
宮川先生らの美少年軍団は・・・もはや脱がされかけの、大画面AVに釘付けだった。
出撃タイムリミットまで、あと30分。
あのセリフが浮かぶ。
『先生。なんでこんなバカなことするんですか?』
「お前らのせいだよ!」
逃げまくるオーク軍団を中心とした、ナース軍団。みな病院正面入り口へと逃げ込んでいく。
というか、持ち場(病棟)へ戻ったのか。帰る準備なのか。
一部の有志(若ナース)は、救急入り口で待機した。
僕は駐車場のど真ん中で、ずっと肩を人差し指で押されていた。
「いてええ・・・くそなんで。あれ?立ち上がれん?」
「ツボを押してますので」クールな二枚目は上から見下ろした。
「あれ全部、救急車か?おたくの・・・」
赤い救急車は、ほぼそろった形でやってきたかと思ったら各々向きをバラバラにし、アットランダムで駐車し始めた。
はるか向こうの隅、すぐ手前、中央・・・。だらしなく、斜めに停めるかっこうだ。
今さら気づいたが、小雨が降っていた。
「ててて。こらおい!まっすぐ停めろ!」
「なにせ、運転手が慣れてないもので」
「免許なしか?」
「診療に日々追われ、運転などする間もない彼らですから」
「ウソ。医者か・・・?」
バタン、バタンと降りて来た水色の白衣。たぶんドクターだろうが、かなり若い。
無口のまま、後部のハッチ開けにかかる。
救急入り口から、手をかざしながらドクターが数名走ってきた。先頭はトシキ。
同時に、駐車場中央の宮川先生の足元から、犬がダダッと走り出した。さらに4匹ほどが続く。
僕と宮川先生は四方八方を救急車で囲まれ、まるで塞がれるように孤立した。
二枚目が油断してよそ見をしているのに気づき、僕はわざと倒れてゴロゴロ右に転んだ。
「よし!しかしまた股が!」
股も、尻もずぶ濡れになった。
「おいトシキ!トシキはいるか!」
周囲の救急車の周辺を走ってうろつく。田中君が1人、ストレッチャーを搬出していた。
「医長先生!ちょうどいいところに!」
「70代くらいかな。意識はあるかな?」
「それは分かりかねますが・・」
「・・・脈はある。弱い。吐いた跡。腱反射・・・分からん。ハッキリせん」
「酸素飽和度、ろろ、60?」
「手足が完全に冷え切ってる!とりあえず、救急室に!」PHSに電話。
『救急室』
「その声は澪さんか!ナースは点滴準備!ルーチンのセット、カート上に書いてある!」
『はい!検査は!』
「救急Bセットに酸素吸入、その前に動脈血採取!ポータブル超音波外来から出してくれ!」
『どの患者さん?』
「えっ?あっ」
救急入り口前面、すでに5台ほどのベッドが向かっている。雨が時々目を失明させる。
「医者は4名ほどが待機か。田中君。頼むぞ!」
「ええっ?待ってよ先生!」ベッドは救急室へ。
「(PHS)なんだ?呼んだか?」
『DOAです!心肺停止!』
「どこだ?どこ?」
『ここ!』
「ここじゃ分からん!」
救急車の迷路で、どこか分からない。
事務長が拡声器を持ってやってきた。
「はあ!はあ!つかれた!」
「事務長!重症患者はどの車に・・・」
「あっちゃあ。どこでしょうね?」
「何か!何か策は?」
「さく?」
「事務長だろ!何とかしろ!よし!1台ずつ探す!」
水たまりをバチバチ踏み抜き、1台ずつ確認。
「ここはカラ!・・・・そして!ぎゃあ!」
ハッチを開こうとしたら、水色の白衣を着た若手ドクター・・のようだ。
腕を引っ張られ、引きずり回される。
「貴様か!我々の理想をふみにじる男というのは!」
「わわわ!わああ!」
「やめんさい!」事務長が背後から押さえつけた。
「何をする?貴様も仲間か?そうなんだな?」
「ちち、ちがいます・・いや、そうです!医長先生!いい考えが!」
「なんだ?いてて・・くそ!覚えてろ!」
「医長先生!私のこの拡声器で!叫んでください!」
「はあ?バカかお前!ウオー!でがんすのオオカミ男とでも叫ぶのか!」
「ちゃうちゃう!駐車場を区域分けするんです!分割して!ええっと。げぷ!」
事務長は腹を蹴られ、胃液らしきものを吐き倒れこんだ。
「げっぷ・・・」
「なんだ?分割ってなんだ事務長!」
「ぷぷ・・・げろげろげろ!」
はき終わるまで、待った。暴力医師は、救急車から出て走っていった。
「事務長。じゃあこうするか。この中央の救急車の上に、目印を置いて・・・それから東西南北、近位部、遠位部で」
「げろおお・・・!」
「ダメだな。よし、貸して!」
拡声器を持ち、駐車場から国道に面したところへ走る。
タヌキの置物をかかえ、また中央部へ。
事務長の背中に乗りジャンプして、なんとか救急車の真上に置物を置く。
『はあはあ。いいか!みんな聞け!まだ駐車場にいる奴!タヌキが見えるか!タヌキがぁ!』
タヌキは安定したまま、車の上に乗っかったままだ。
『オレが指揮を取るから!電話はオレに!つながらない場合は?事務長のPHS、?田中君のPHSにかけろ!』
つまり3本、携帯を持ち合わせ。ガムテープでベルトの周囲に装着。
さっそく電話が鳴ってきた。
「ど、どれがどれやら、さっぱり分からん・・・!もしもし?」
『トシキです!中央から北西30度、遠位部末端!VTです!DCを!』
「どあるう!こまかすぎ!(拡声器→)救急室!DCを北西遠位部末端まで!」
ダッシュでDCを運んでいくナースら。
「事務長!オレもあちこち、助けるぞ!」
自転車置き場の、鍵なし自転車を抱える。
「誰のか知らんが、借りるぞ!」
ドスン、と後ろに重みを感じた。事務長だ。
「気持ち的に、補助します!」
「どある!お前はプレッシャーサポートか!」
引き続き、研修の遠藤君が自転車に乗ってやってきた。私服だ。
「おう!感心だな!一緒に回ろうぜ遠藤君!評価が上がるぞ!」
「ひゅ、ひゅにに・・・」
「どうした?白衣ないのか?」
「ひ、ひまから帰ろうかなって・・・!」
「どある!許さん!来い!強制徴兵だ!」
自転車部隊にはさらマゾ看護士が加わり、3台は救急車の山めがけて向かっていった。
「おい看護士!ドクターカーはいけるんだろな!」
「カアッペッ!サビタンヘイヘイ!」
「だる・・も、やめてえな」
宮川先生らの美少年軍団は・・・もはや脱がされかけの、大画面AVに釘付けだった。
出撃タイムリミットまで、あと30分。
あのセリフが浮かぶ。
『先生。なんでこんなバカなことするんですか?』
「お前らのせいだよ!」
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