国家試験直前特集 ? 肺癌治療の現状 (参照:内科学会雑誌)
2007年2月14日□ 外科的切除の成績
米国のデータでは初期病期のステージIA(pT1N0M0)であっても、術後5年生存率が67%、と良好でない。つまり腫瘍径3センチ未満で転移所見がなくても、そのうち3割近くはマイクロな転移を起こしているわけである。なのでCT検診による早期発見が必要になるわけだが、実際この試みで術後生存率に貢献できることも分かっている。
□ 化学療法
● 小細胞癌(SCLC) ・・ 全肺癌の2割。進行は早いが治療は反応しやすい。
進行が早いということもあり、発見時はステージ?以上のことが多い。このうち癌が一側胸郭内の限局型(LD)か対側胸郭・遠隔転移の進展型(ED)かで治療は異なる。BSC = best supprtive careでは予後2-4ヶ月だが化学療法ではスタンダード治療(CPA+ADM+VCR=CAV療法)により延命が期待でき、LDではMST=生存期間中央値が14ヶ月、EDでは7ヶ月。
・ LDの場合 ・・ 化学療法のEP療法と、同時期放射線療法の組み合わせつまりCombined Modality Therapyが行われる。CR=完全寛解した場合、脳への微小転移抑制のためPCI=予防的全脳照射が行われる。
・ EDの場合 ・・ 化学療法単独。メニューは以前はEP療法だったが今はCDDP+CPT-11の併用のほうが優れていることが分かっている。
● 非小細胞癌(NSCLC) ・・ 全肺癌の8割。進行は早くないが治療抵抗性。
?B・?ステージのMSTはBSCでは2-6ヶ月だが、cDDP含めた化学療法で7-8ヶ月と軽度延命させることが可能。従来の化学療法cDDP+VDSに取って変わるべく新規抗癌剤(PXT・DXT・GEM・VNR)がcDDP併用で比較検討されたが、腫瘍縮小効果が増強しても、結局従来と比べて有意に延命できなかった。
□ 分子標的療法
ゲフィチニブ(ZD1839=イレッサ)では既治療のNSCLCで11-30%の腫瘍縮小効果があり、特に女性・非喫煙者の腺癌とくに細気管支肺胞上皮型腺癌に有効であると示された。
最近ではこれによる急性肺傷害の報告が相次いで話題になった。この間質性肺炎は投与2週間以内に起こりやすいのでこの間の監視を厳重にすべきこと、また全身状態不良・重度喫煙歴・肺線維化著名例では投与を慎重になど適応を見極めることが強調されている。
抗癌剤と本剤との併用に関しての有用性の結論は近々発表される予定である。
米国のデータでは初期病期のステージIA(pT1N0M0)であっても、術後5年生存率が67%、と良好でない。つまり腫瘍径3センチ未満で転移所見がなくても、そのうち3割近くはマイクロな転移を起こしているわけである。なのでCT検診による早期発見が必要になるわけだが、実際この試みで術後生存率に貢献できることも分かっている。
□ 化学療法
● 小細胞癌(SCLC) ・・ 全肺癌の2割。進行は早いが治療は反応しやすい。
進行が早いということもあり、発見時はステージ?以上のことが多い。このうち癌が一側胸郭内の限局型(LD)か対側胸郭・遠隔転移の進展型(ED)かで治療は異なる。BSC = best supprtive careでは予後2-4ヶ月だが化学療法ではスタンダード治療(CPA+ADM+VCR=CAV療法)により延命が期待でき、LDではMST=生存期間中央値が14ヶ月、EDでは7ヶ月。
・ LDの場合 ・・ 化学療法のEP療法と、同時期放射線療法の組み合わせつまりCombined Modality Therapyが行われる。CR=完全寛解した場合、脳への微小転移抑制のためPCI=予防的全脳照射が行われる。
・ EDの場合 ・・ 化学療法単独。メニューは以前はEP療法だったが今はCDDP+CPT-11の併用のほうが優れていることが分かっている。
● 非小細胞癌(NSCLC) ・・ 全肺癌の8割。進行は早くないが治療抵抗性。
?B・?ステージのMSTはBSCでは2-6ヶ月だが、cDDP含めた化学療法で7-8ヶ月と軽度延命させることが可能。従来の化学療法cDDP+VDSに取って変わるべく新規抗癌剤(PXT・DXT・GEM・VNR)がcDDP併用で比較検討されたが、腫瘍縮小効果が増強しても、結局従来と比べて有意に延命できなかった。
□ 分子標的療法
ゲフィチニブ(ZD1839=イレッサ)では既治療のNSCLCで11-30%の腫瘍縮小効果があり、特に女性・非喫煙者の腺癌とくに細気管支肺胞上皮型腺癌に有効であると示された。
最近ではこれによる急性肺傷害の報告が相次いで話題になった。この間質性肺炎は投与2週間以内に起こりやすいのでこの間の監視を厳重にすべきこと、また全身状態不良・重度喫煙歴・肺線維化著名例では投与を慎重になど適応を見極めることが強調されている。
抗癌剤と本剤との併用に関しての有用性の結論は近々発表される予定である。
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