未来予想図 ?
2007年6月18日 コクピット屋根のボタンをカチカチ操作。
「させるか!血栓溶解弾、発射!続いて、<フィブリン傘ネット>作成!」
椅子を左右に振動させ、ビシュビシュビシュ、と血栓を狙い撃つ。
実はボン先生の操作でなく、機械がオートでやっていた。
眼前で炸裂する、巨大血栓。
「ヒャッハー!」
通り過ぎた血栓を、振り向いて背後から。ハリソン・フォードのように上目遣いの遠目でビシュシュシュシュシュシュ、と連射、ズドーンと粉砕できた。
『第二波コウゲキ、ヤガテクル』
「また来るか・・・!さて、そろそろいいだろ!」
血管壁から、網目の形をした傘が離れて浮いてくる。
『ケッカンニ、ブツカッタショウゲキデ、ケッセンガトンデキタモノトオモワレル』
「とほほ・・もう夜食はやめにしよう」
プチ、とボタンを押すと、カプセルより細い糸が飛び出した。糸は傘にひっかかり、カプセル前方で大きく立ちはだかった。
「いつでも来い!」
大きく開いた傘に、飛んできた血栓がいくつも捉えられる。そこをさらにさらに狙い撃つ。
「イー!ハー!」
やがて傘ごと溶解し、血栓はすべて処理した。
『ケッセンヨウカイ、シスギタタメ、シュッケツケイコウニ、チュウイセヨ』
「出血シンチスキャンでは・・・異常ないな!」
画面では出血を示す所見はない。
カプセルはさらに流され、右心房を経て右心室へ。そのまま心室中隔にくっついた。
「あと猶予はどのくらいだ?」
『アト15フン』
「静脈系をさかのぼって、腕のほうから出よう」
右腕に駆血帯を巻く。
『コウホウヘハ血液のテイコウアルタメ、コウタイハ不可能』
「なに?じゃあどこへ行けというのか?」
『ハイドウミャクニ、ススム』
「あかんあかん!すると行き止まりだ!頭、大丈夫か?」
『アタマハ、大丈夫デスガ、アナタノ、ハイガ、エシ、シマス』
「君と話してても、何も進まんな」
しばらく考え、ボタンを押した。
「後ろへ行けないなら仕方ない。荒っぽくいくぞ!いたたた!」
ボタンを押し、思わず胸を押さえた。
『シンデンズ、イチブイジョウアリ』
「一時的な、血管の痙攣だ!わざとやってる!」
画面上、冠動脈の前下行枝の先端が見えなくなっていく。
中隔と下壁の間の角が、みるみる黒っぽくなる。
「突っ込むぞ!」
カプセルは角を突きぬけていく。通路は所々、電気で焼妁。
「いたたた!」言いようのない激痛が走った。
スパズムを解除し、冠動脈の状態は元通りに。
『シンボウサイドウ、シュツゲン』
「最近、ストレスでたびたびなってたから。慣れてる!」
やがて左心室側の心尖部から、カプセルが左心室内部へ飛び出した。
流速が早いが、なんとか左心室前壁に着地。
「ここから壁をつたって、脳を避けて腕まで行くぞ!」
左手肘にAラインを確保。少しだけ血が飛び散った。
「これでなんとか解決だ!」
『スウミリノ、ケッセン、サシンボウニ、シュツゲン』
「うげあ!最近の心房細動のせいか!」
その血栓の様子がおかしい。超音波では微妙に揺れて見える。
「画像が狂ったか?」
『ケッセンノフチャクブ、フアンテイ』
「なに?」
『フアンテイ』
「線溶系を急に活性化させたのが、間違いか!」
左心房の中。数ミリ大の血栓の根元が、ズズズ・・・と轟音で軋み始めていた。
「ボーシエッ!あと5分しかない!」
ボン先生。世界を救う前に、まずは<自分>だ!
「させるか!血栓溶解弾、発射!続いて、<フィブリン傘ネット>作成!」
椅子を左右に振動させ、ビシュビシュビシュ、と血栓を狙い撃つ。
実はボン先生の操作でなく、機械がオートでやっていた。
眼前で炸裂する、巨大血栓。
「ヒャッハー!」
通り過ぎた血栓を、振り向いて背後から。ハリソン・フォードのように上目遣いの遠目でビシュシュシュシュシュシュ、と連射、ズドーンと粉砕できた。
『第二波コウゲキ、ヤガテクル』
「また来るか・・・!さて、そろそろいいだろ!」
血管壁から、網目の形をした傘が離れて浮いてくる。
『ケッカンニ、ブツカッタショウゲキデ、ケッセンガトンデキタモノトオモワレル』
「とほほ・・もう夜食はやめにしよう」
プチ、とボタンを押すと、カプセルより細い糸が飛び出した。糸は傘にひっかかり、カプセル前方で大きく立ちはだかった。
「いつでも来い!」
大きく開いた傘に、飛んできた血栓がいくつも捉えられる。そこをさらにさらに狙い撃つ。
「イー!ハー!」
やがて傘ごと溶解し、血栓はすべて処理した。
『ケッセンヨウカイ、シスギタタメ、シュッケツケイコウニ、チュウイセヨ』
「出血シンチスキャンでは・・・異常ないな!」
画面では出血を示す所見はない。
カプセルはさらに流され、右心房を経て右心室へ。そのまま心室中隔にくっついた。
「あと猶予はどのくらいだ?」
『アト15フン』
「静脈系をさかのぼって、腕のほうから出よう」
右腕に駆血帯を巻く。
『コウホウヘハ血液のテイコウアルタメ、コウタイハ不可能』
「なに?じゃあどこへ行けというのか?」
『ハイドウミャクニ、ススム』
「あかんあかん!すると行き止まりだ!頭、大丈夫か?」
『アタマハ、大丈夫デスガ、アナタノ、ハイガ、エシ、シマス』
「君と話してても、何も進まんな」
しばらく考え、ボタンを押した。
「後ろへ行けないなら仕方ない。荒っぽくいくぞ!いたたた!」
ボタンを押し、思わず胸を押さえた。
『シンデンズ、イチブイジョウアリ』
「一時的な、血管の痙攣だ!わざとやってる!」
画面上、冠動脈の前下行枝の先端が見えなくなっていく。
中隔と下壁の間の角が、みるみる黒っぽくなる。
「突っ込むぞ!」
カプセルは角を突きぬけていく。通路は所々、電気で焼妁。
「いたたた!」言いようのない激痛が走った。
スパズムを解除し、冠動脈の状態は元通りに。
『シンボウサイドウ、シュツゲン』
「最近、ストレスでたびたびなってたから。慣れてる!」
やがて左心室側の心尖部から、カプセルが左心室内部へ飛び出した。
流速が早いが、なんとか左心室前壁に着地。
「ここから壁をつたって、脳を避けて腕まで行くぞ!」
左手肘にAラインを確保。少しだけ血が飛び散った。
「これでなんとか解決だ!」
『スウミリノ、ケッセン、サシンボウニ、シュツゲン』
「うげあ!最近の心房細動のせいか!」
その血栓の様子がおかしい。超音波では微妙に揺れて見える。
「画像が狂ったか?」
『ケッセンノフチャクブ、フアンテイ』
「なに?」
『フアンテイ』
「線溶系を急に活性化させたのが、間違いか!」
左心房の中。数ミリ大の血栓の根元が、ズズズ・・・と轟音で軋み始めていた。
「ボーシエッ!あと5分しかない!」
ボン先生。世界を救う前に、まずは<自分>だ!
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