「薬剤性肺障害」

2007年6月20日
 
 今月届いた内科学会雑誌。正直、内容的にパッとしないものが多くなったような気がする。理想と理屈が未だに一人歩きしているというか・・・。今年のキーワードは自分的には早くも<温度差>である。

 もうちょっと、現在のニーズに合わせたものにしてほしい。

 例)「僕にもできる小外科テク〜外科医からの願い〜」「保険適応内の処方術」「反省座談会〜あのとき私は言いすぎた〜」「慢性期の管理〜現場の声〜」「サラリーマン特集〜3割負担を守る〜」「年末特集:今年の医療事件を振り返る〜その教訓〜」

 でも今後はこういう雑誌の記事も、時々拾ってみよう。

○ サプリメント

≪ 2005年のアンケートでは成人男女の6割がサプリメント・健康食品を利用していて1ヵ月平均4700円も出費している。

 2001年には厚生労働省により「特定保健用食品」「栄養機能食品」の2つが定義・・これらは科学的根拠が保証されている。しかしそれ以外の「健康補助食品」「栄養強化食品」は根拠がないまま販売されている。 ≫

 とある。根拠がないものには、肺障害や肝障害などの副作用はあってもおかしくなく、「飲んでも大丈夫でしょうか」と言われても医師側は(副作用の)予測などできない。そういう知識を勉強する機会など全くない。素人同様といっていい。

 ましてや売る側は買わせることと自分の利益で必至だから、何か起こったら?なんて知ったことではない。当然、薬を褒めちぎることこの上ない。

 口達者で褒め言葉が上手な副業持ち人間には、特に気をつけよう。

 西洋医学では、特に以下の薬剤で肺障害が起こりうる(雑誌参照)。医師で最低でもこのうち4つが浮かばなければ・・情けない。

○ アミオダロン(抗不整脈剤の1つ)
 ・・ 重症の不整脈に用いる。副作用は多彩だが肺障害が最も重要。急性発症は多くないが間質性肺炎を中心にいろんな肺病変がおこりうる。

○ 抗リウマチ薬
 ・・ メトトレキサート、ブシラミンなど。整形の医師は肺疾患は通常素人なので、内科の同時受診は必須である。

○ イレッサ
 ・・ 肺癌治療薬の1つで、間質性肺炎の死亡例多発で話題になった。最近は投与適応の基準がより慎重になっている。最近メディアでは下火に見えるが、これを取り巻く話題は後をたたない(ヤフーで<イレッサ>を入力し、ニュースのカテゴリ参照)。

○ 小柴胡湯
 ・・ 漢方だから副作用がないという認識が、これによる間質性肺炎の発症で覆された。急性に発症するが早期発見(息切れが重要!)できれば致死的ではないとされている。

○ その他抗がん剤・抗菌薬

 

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