ES-MEN 1
2007年8月29日ズドン!と患者の体が微動した。
耳を澄まし、集中した。
「脈は・・・いけたか!」周囲のスタッフが目を左右に泳がせる。
沈黙が消えた。
「ブヒブヒ!」「ギャアギャア!」「はよはよ!」「へいへい!」
サイナスに復帰したモニターをかすめ、自転車がザザーッ、と数台左へ通り抜けた。騒がしい周囲。医者、オークナースらが飛び交うように入り乱れまくっていた。
あちこちでドクターコールするナース。
「先生!」「先生!」「先生!」
どの先生が呼ばれているのか、分からない。
2001年 8月初旬
真田病院 院長代理
奈良の第二病院へ出撃前(<サンダル医長> 最終話と重複)
「そこどけそこどけ!」「ブヒブヒ!」「変われ変われ!」「はよしてはよして!」
近くを通った自転車がDCのコードにからみ、器械は上空を舞って着地、地面でバラバラッと四散した。
「老人に一生懸命費やしてお前ら何になる!」いかつい顔をした芳忠声の自転車が、次々にスタッフらを自転車ごと吹き飛ばした。
「そおれくらいの程度か情けない軟弱の集まりが!」
「てめえこの!弁償しろ!」僕はハンドルを左右に動揺していた。
2台が横に並ぶ。
「だあったら助けてみろおっとそこスキアリ!」向こうでDCを抱えたもう1台が突き飛ばされ、事務員が転倒した。
さきほどの患者の脈はまた、速くなってきている。また戻る。
「いかん。また脈が走って心室細動になる。あのDC!取ってくる!」
チュイーン、というスイッチ音を聴きながら、自転車でベッドへ向かった。自転車の出前じいさん3人が、漕いでいる。
「てっ?いてえなあ!」
何か左肩に当たった。暴力医者が壊れた部品をポイポイ投げてくる。
「貴様らのような軟弱医者が、我が国を弱体化させるのだひいては我々の計画の邪魔にほかならん!」
「いつ息してんだお前?計画ってなんだ!」
瞬時、ポケットから取り出した傘。ボタンを押すとバッと開いた。飛んでくる空き缶などを蹴飛ばす。
「よっしゃあ!」
暴力医者の投げる破片は、また1つ1つとはじき返された。
その向こう、ドクターズカーが急ブレーキでストップした。これで奈良に行く予定だ。
「おい!お、俺を置いていくな!これがうまくいけば!」
しかしそのドアの前、水色白衣のイケメンドクターが5人ほど、ガードした。
「あいつら!行かせんつもりか!」
手放し運転で、両パッドを握り締め・・・ピー!と充電完了。
ベッドの脇に来た。脈が危険なVTになった。マッサージ、アンビューの他の手が離れる。
「みな、どけ!チャージ完了!した!」
パッドを押し付け、ズドンと一発。瞬時、正常のサイナス脈に戻る。
「はぅ〜!」
のめりこみ、大きな深吸気。
「今度は安定!」DCを置き、グワッと自転車を反転。
「あと!自分が診ます!先生は行って!」部下ドクターが舵を取った。
ドクターズカーへ向かった。出前軍団とすれ違う。
キ・・! という金属音が背後から。
「それ今だ!」両手放し、両人差し指で両耳をふさいだ。
<キイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!>
「(一同敵味方問わず)うわああああああああああ!」
誰もが、両手で両耳を塞ぎその場に倒れこんだ。暴力医者も吹き飛んだ。
「それそれ!やあ!」
自転車から早走りで飛び降り、後部座席に飛び込んだ。
自転車は何人かを巻き込んだ。
「看護士!出してくれ!車!」
「へいへい!(小声)小僧が・・・なめるなよ」
看護士は、ペダルを思いっきり踏んだ。
暴力医者は起きあがって、その看護士に携帯で指示した。
「あとはやれわかったな」
『へいへい!』
耳を澄まし、集中した。
「脈は・・・いけたか!」周囲のスタッフが目を左右に泳がせる。
沈黙が消えた。
「ブヒブヒ!」「ギャアギャア!」「はよはよ!」「へいへい!」
サイナスに復帰したモニターをかすめ、自転車がザザーッ、と数台左へ通り抜けた。騒がしい周囲。医者、オークナースらが飛び交うように入り乱れまくっていた。
あちこちでドクターコールするナース。
「先生!」「先生!」「先生!」
どの先生が呼ばれているのか、分からない。
2001年 8月初旬
真田病院 院長代理
奈良の第二病院へ出撃前(<サンダル医長> 最終話と重複)
「そこどけそこどけ!」「ブヒブヒ!」「変われ変われ!」「はよしてはよして!」
近くを通った自転車がDCのコードにからみ、器械は上空を舞って着地、地面でバラバラッと四散した。
「老人に一生懸命費やしてお前ら何になる!」いかつい顔をした芳忠声の自転車が、次々にスタッフらを自転車ごと吹き飛ばした。
「そおれくらいの程度か情けない軟弱の集まりが!」
「てめえこの!弁償しろ!」僕はハンドルを左右に動揺していた。
2台が横に並ぶ。
「だあったら助けてみろおっとそこスキアリ!」向こうでDCを抱えたもう1台が突き飛ばされ、事務員が転倒した。
さきほどの患者の脈はまた、速くなってきている。また戻る。
「いかん。また脈が走って心室細動になる。あのDC!取ってくる!」
チュイーン、というスイッチ音を聴きながら、自転車でベッドへ向かった。自転車の出前じいさん3人が、漕いでいる。
「てっ?いてえなあ!」
何か左肩に当たった。暴力医者が壊れた部品をポイポイ投げてくる。
「貴様らのような軟弱医者が、我が国を弱体化させるのだひいては我々の計画の邪魔にほかならん!」
「いつ息してんだお前?計画ってなんだ!」
瞬時、ポケットから取り出した傘。ボタンを押すとバッと開いた。飛んでくる空き缶などを蹴飛ばす。
「よっしゃあ!」
暴力医者の投げる破片は、また1つ1つとはじき返された。
その向こう、ドクターズカーが急ブレーキでストップした。これで奈良に行く予定だ。
「おい!お、俺を置いていくな!これがうまくいけば!」
しかしそのドアの前、水色白衣のイケメンドクターが5人ほど、ガードした。
「あいつら!行かせんつもりか!」
手放し運転で、両パッドを握り締め・・・ピー!と充電完了。
ベッドの脇に来た。脈が危険なVTになった。マッサージ、アンビューの他の手が離れる。
「みな、どけ!チャージ完了!した!」
パッドを押し付け、ズドンと一発。瞬時、正常のサイナス脈に戻る。
「はぅ〜!」
のめりこみ、大きな深吸気。
「今度は安定!」DCを置き、グワッと自転車を反転。
「あと!自分が診ます!先生は行って!」部下ドクターが舵を取った。
ドクターズカーへ向かった。出前軍団とすれ違う。
キ・・! という金属音が背後から。
「それ今だ!」両手放し、両人差し指で両耳をふさいだ。
<キイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!>
「(一同敵味方問わず)うわああああああああああ!」
誰もが、両手で両耳を塞ぎその場に倒れこんだ。暴力医者も吹き飛んだ。
「それそれ!やあ!」
自転車から早走りで飛び降り、後部座席に飛び込んだ。
自転車は何人かを巻き込んだ。
「看護士!出してくれ!車!」
「へいへい!(小声)小僧が・・・なめるなよ」
看護士は、ペダルを思いっきり踏んだ。
暴力医者は起きあがって、その看護士に携帯で指示した。
「あとはやれわかったな」
『へいへい!』
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