ES-MEN 5
2007年8月29日 僕は2階から1階に車椅子で連れて行かれ、ベルトコンベア(トレッドミル)の斜め台に立たされていた。
両手がしっかりと前方の横棒にくくりつけられる。
さっきの女医じゃなく、声の低い男のようだ。顔はうつむいて見えない。
「退院許可、くれるんじゃなかったのか?」
「さあ自分はドクターの指示に従ってるだけでありまして」
ミリタリーの趣味悪い男性がうつむいたまま、台のノートパソコンをピッポッ操作中。顔を見せない。
「俺は同意した覚えないぞ!」
「主治医は何度も診察した君が寝ている間にそして幸運にも五体満足でこの病院を出れそうだあれだけのダメージを受けといて」
「息してんの?その声どっかで・・・」
「しかし私は君がそのまま現場に向かわれると困るせっかくの我々の計画が台無しだ」
「ひょっとしてアンタ・・・わあ!」
ベルトが動き出した。マラソンのレベルで開始。
「さあああ京都から出たければこれを全てクリアしてみろただここは奈良との県境だがな!」
「京都?ここは、はっ京都なのかはっ?」
「病院の情報は頂いたあとは我々が好きなようにやるだけだ心破裂でくたばるのだ!」
「こ!これがクリアできたら!退院!できるんだな!」
「とにかく調印式は明日だ行かれては困るのだ!」
明日が、真田第二病院の開院予定日にあたっていた。
ボタンで急に斜面がきつくなってきた。
「うわあ!たったった!」
足が自然と駆け足でついていく。どこか遅れた感じで。
コワモテな細い男はメガネを光らせた。
「我々が送り込んだ工作員はもう再起不能だお前が格闘で倒したしかし!」
「はっはっ!しゃべらんといてくれ!」
「タヌキの近くで貴様ら見たがどいつもこいつも軟弱王子だ相手にならん!」
「はっはっ!もうだめだ!助けてくれ!ギブギブ!メルギブ!・・・タヌキ?お前やっぱり、あのときいた暴力医者か?」
「お互い様だよ君も同じように呼ばれているキタノからもそう聞いた!」
北野の知り合いか?
「キタノも知ってんのか!うわわ!マタサキになる!」
「どわははは!不整脈が出てきたそおれもっといけVTへひとっとびだ!いけぇいけぇ進めぇ!」
「ぎゃあああああ!」
ガガガガ!と回転するベルトが、口を開けたように待っている。
「ひいいいい!」
バアン!とドアが開き、事務長と田中君、他の事務員が飛び込んだ。
暴力医者は歯を喰いしばって振り向いた。
事務長がこちらへ駆けてくる。
「先生!ユウキ先生!何MSごっこで遊んでるんですか!」
「そんな趣味はない!」体を斜めに後ろへ引っ張られながら、声で予感した。
「先生!降りてください!」
「これが降りれるか!」
田中君は暴力医者を取り押さえた。
「こらっ!大事な商品を!で、どうやって止めるんだこれ?」
「きいさまの顔も知ってるぞパソコン画面で拝見した田中事務員ただのヒラ!」
「ほっとけ!貴様は技師か!」
「いや医師だ」
「あ、すみません」
いつもの反応で謝り、田中くんはつい手を離した。
その隙に男の右手は彼の左胸のポッケをつかみ・・・左手で右腕をとらえ・・・
「でえい!」背負い投げした。
「わっちょ!」
田中くんはクルクル3回転し、ドカーン!と床に叩きつけられた。
男は素早く廊下へダッシュした。
「あああ!バカ!なんで逃がす!」
事務長が怒鳴った。
事務員らは必死に操作するが、どのボタンも反応なし。
事務長は、走る僕の背後に立った。
「もういい!さ、ユウキ先生!」
「おいおいおい!何する!」僕はさらに走った。
「先生!後ろにいますから飛び込んで!」
「前の両手を離すのか?ほどいてくれよ!」
両手は前方のバーをしっかり握っている。両腕がビヨーンと真っ直ぐのびている。
田中くんが外しにかかった。
「てて目から星が出た・・・だ。だってよ!先生らって何かあったら俺ら事務員のせいだろ!言わせてもらうけど!」
「はあ!はあ!はよしてくれ!」
「俺らだって言いたいことあんだよ!でもとりあえず謝ったら解決するって事務長が!」
「ほどけた!」
しかし両手は怖くてバーを握ったままだ。
「おいこれ持て!」伸ばしたタオルを慎吾が差しだした。
「慎吾!お前医者の仕事は!」
「このロープ持て!俺が引っ張る!少しずつ引っ張る!」
ロープが手の上に乗せられた。
「よし!つかんだ!」
片手、ついで両手でつかんだ。
「じゃあ引っ張れ!慎吾!ひっぱ!れ!」
隅で、事務員がうずくまった。
「コード、ぬきます」
「あっそっか」タオルは慎吾の手から離れ、電源切れて僕はそのまま前に突っ込み、バーに頭を打って反動で後ろへ吹っ飛んだ。
「げっ!」
なんとも言えない衝撃が頭に走った。
気がつくと、うつぶせ事務長の体の上で横たわっていた。
「たたた・・・すげえ反動だったな。おい慎吾!てめえちゃんとやれよ!」
「俺はちゃんとやってたのに!お前は礼もいわず・・・!」慎吾はいっちょ前にタオルをクルクルたたんでいた。
「<お前>はやめてくださいこの野郎!クソッ!」
僕らは一斉に廊下へ飛び出した。暴力医者はもういない。
両手がしっかりと前方の横棒にくくりつけられる。
さっきの女医じゃなく、声の低い男のようだ。顔はうつむいて見えない。
「退院許可、くれるんじゃなかったのか?」
「さあ自分はドクターの指示に従ってるだけでありまして」
ミリタリーの趣味悪い男性がうつむいたまま、台のノートパソコンをピッポッ操作中。顔を見せない。
「俺は同意した覚えないぞ!」
「主治医は何度も診察した君が寝ている間にそして幸運にも五体満足でこの病院を出れそうだあれだけのダメージを受けといて」
「息してんの?その声どっかで・・・」
「しかし私は君がそのまま現場に向かわれると困るせっかくの我々の計画が台無しだ」
「ひょっとしてアンタ・・・わあ!」
ベルトが動き出した。マラソンのレベルで開始。
「さあああ京都から出たければこれを全てクリアしてみろただここは奈良との県境だがな!」
「京都?ここは、はっ京都なのかはっ?」
「病院の情報は頂いたあとは我々が好きなようにやるだけだ心破裂でくたばるのだ!」
「こ!これがクリアできたら!退院!できるんだな!」
「とにかく調印式は明日だ行かれては困るのだ!」
明日が、真田第二病院の開院予定日にあたっていた。
ボタンで急に斜面がきつくなってきた。
「うわあ!たったった!」
足が自然と駆け足でついていく。どこか遅れた感じで。
コワモテな細い男はメガネを光らせた。
「我々が送り込んだ工作員はもう再起不能だお前が格闘で倒したしかし!」
「はっはっ!しゃべらんといてくれ!」
「タヌキの近くで貴様ら見たがどいつもこいつも軟弱王子だ相手にならん!」
「はっはっ!もうだめだ!助けてくれ!ギブギブ!メルギブ!・・・タヌキ?お前やっぱり、あのときいた暴力医者か?」
「お互い様だよ君も同じように呼ばれているキタノからもそう聞いた!」
北野の知り合いか?
「キタノも知ってんのか!うわわ!マタサキになる!」
「どわははは!不整脈が出てきたそおれもっといけVTへひとっとびだ!いけぇいけぇ進めぇ!」
「ぎゃあああああ!」
ガガガガ!と回転するベルトが、口を開けたように待っている。
「ひいいいい!」
バアン!とドアが開き、事務長と田中君、他の事務員が飛び込んだ。
暴力医者は歯を喰いしばって振り向いた。
事務長がこちらへ駆けてくる。
「先生!ユウキ先生!何MSごっこで遊んでるんですか!」
「そんな趣味はない!」体を斜めに後ろへ引っ張られながら、声で予感した。
「先生!降りてください!」
「これが降りれるか!」
田中君は暴力医者を取り押さえた。
「こらっ!大事な商品を!で、どうやって止めるんだこれ?」
「きいさまの顔も知ってるぞパソコン画面で拝見した田中事務員ただのヒラ!」
「ほっとけ!貴様は技師か!」
「いや医師だ」
「あ、すみません」
いつもの反応で謝り、田中くんはつい手を離した。
その隙に男の右手は彼の左胸のポッケをつかみ・・・左手で右腕をとらえ・・・
「でえい!」背負い投げした。
「わっちょ!」
田中くんはクルクル3回転し、ドカーン!と床に叩きつけられた。
男は素早く廊下へダッシュした。
「あああ!バカ!なんで逃がす!」
事務長が怒鳴った。
事務員らは必死に操作するが、どのボタンも反応なし。
事務長は、走る僕の背後に立った。
「もういい!さ、ユウキ先生!」
「おいおいおい!何する!」僕はさらに走った。
「先生!後ろにいますから飛び込んで!」
「前の両手を離すのか?ほどいてくれよ!」
両手は前方のバーをしっかり握っている。両腕がビヨーンと真っ直ぐのびている。
田中くんが外しにかかった。
「てて目から星が出た・・・だ。だってよ!先生らって何かあったら俺ら事務員のせいだろ!言わせてもらうけど!」
「はあ!はあ!はよしてくれ!」
「俺らだって言いたいことあんだよ!でもとりあえず謝ったら解決するって事務長が!」
「ほどけた!」
しかし両手は怖くてバーを握ったままだ。
「おいこれ持て!」伸ばしたタオルを慎吾が差しだした。
「慎吾!お前医者の仕事は!」
「このロープ持て!俺が引っ張る!少しずつ引っ張る!」
ロープが手の上に乗せられた。
「よし!つかんだ!」
片手、ついで両手でつかんだ。
「じゃあ引っ張れ!慎吾!ひっぱ!れ!」
隅で、事務員がうずくまった。
「コード、ぬきます」
「あっそっか」タオルは慎吾の手から離れ、電源切れて僕はそのまま前に突っ込み、バーに頭を打って反動で後ろへ吹っ飛んだ。
「げっ!」
なんとも言えない衝撃が頭に走った。
気がつくと、うつぶせ事務長の体の上で横たわっていた。
「たたた・・・すげえ反動だったな。おい慎吾!てめえちゃんとやれよ!」
「俺はちゃんとやってたのに!お前は礼もいわず・・・!」慎吾はいっちょ前にタオルをクルクルたたんでいた。
「<お前>はやめてくださいこの野郎!クソッ!」
僕らは一斉に廊下へ飛び出した。暴力医者はもういない。
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