ES-MEN 7
2007年8月29日 事務長のイエスマンの田中君も、頭を上げた。
「そうそう。ユウキ先生、医者としては皆、認めてると思いますけどね。ホントかどうか知りませんが。人の心は」
「なんだお前・・むかつくぅ」
「でも、民間だからなあ。企業だからなあ。そこんとこ、分かって欲しいなあ」
「でも。そうやって民間が過疎地に進出して、うまくいった試しなんてあるのか?」
「ないかもしれません。でもありうるともいえます」
「だる・・・学会会場の回答みたいな言い訳!」
近くで眠りかかっている慎吾がいた。ガタイがでかい。
「おい!そこのヘラクレス!」
「・・・・あ〜よく眠った」
「なんだ聞いてなかったのか?」
「ふとんが恋しい・・・」
「トシキらは雑巾のように使われて・・・なんでドクターはお前だけここに来れたんだ?」
「クビだよ。この事務員らと同じ。オレって経験が浅いからな」
「自慢かいや?」
「とにかく懲戒解雇されたってわけ!俺はセンチメンタルなんだぞれ以上は訊くな」
「医者の場合は、ふつう解雇はできんだろ?事務員は毎度でも」
「その・・・いいんだよそれで。オレもどうせ嫌だったんだよ」
慎吾はいい直した。どうやらクビは嘘のようだ。
「自分からか。他の奴らには?相談したのか?」
「・・・・・」
「お前が抜けた分、あいつらだって大変だろうに!」
「・・・・・」
「おい!何か言え!さっきはホントお前・・しっかりしろアホ!」
僕は慎吾に飛びかかった。みな止めようとした。
「おい慎吾!仲間を見捨てて!何の事情か知らんが!」
「お前だって!お前だって乱暴して!事故まで起こして!」
「あれは襲われたんだ!不可抗力だ!抵抗はしたが・・・」
「だとしても!相手は人間だ!暴力なんて医者のすることじゃない!お前だって暴力医者と似たもんだ!」
今さらどうでもいい話題で、慎吾は抵抗した。
僕らは引き離された。僕はゼイゼイ息した。
「はあ、はあ、はあ。鎮静剤の注射を打たれ意識が朦朧になった、あのとき・・・はあ!あのとき思った。自分はこれで終わるのか。意味がなかったのか。何であのときそうしなかったのか。山ほどの後悔が蘇ってでも無感情で・・・泣きそうになった!」
「興奮してるぞ!アタP持って来い!」
「聞け!だからって何の使命があるわけじゃない!十字架なんて背負わない!俺はただ、僻地など行かずにもとの世界へ帰りたい!普通の男の子に戻りたい!」
「(2人以外)わっはっはっは!」
慎吾はしかし傷ついていた。
「いいか!さっきの訂正しろ!俺は仲間を捨ててないって!口が悪くなったぞお前!」
僕ら2人は後ろを振りほどき、かなり離れて座り込んだ。
事務長は遠くから、ため息をついた。横に田中君。
「こんな状態ではとても・・・医者のやる気と連携がなってない」と事務長。
「行く先の病院の医者は1名除いてホントは辞めてんでしょ?」
「そこは名義で埋め合わせてる・・・実質1名だがね・・・やはり頼もうか。<彼女>に!」
ピッポッパッ・・・と暗闇に携帯の派手な電気が点灯した。
「明日、乗り込む。その後にはなろうが・・・」
「女としてのレベルは?」田中君が真剣にのぞきこんだ。
「ハイラベルと思って間違いない」
「おっしゃそしたらがんばるわ!」
プルルル、プルルル・・・・とコール音が外に小さく漏れていた。
ヒラの事務員が、すっかり暗くなった空を見上げた。
「火、けしまーす!」
ペットボトルの水が注がれ、たき火は完全に消えた。
「そうそう。ユウキ先生、医者としては皆、認めてると思いますけどね。ホントかどうか知りませんが。人の心は」
「なんだお前・・むかつくぅ」
「でも、民間だからなあ。企業だからなあ。そこんとこ、分かって欲しいなあ」
「でも。そうやって民間が過疎地に進出して、うまくいった試しなんてあるのか?」
「ないかもしれません。でもありうるともいえます」
「だる・・・学会会場の回答みたいな言い訳!」
近くで眠りかかっている慎吾がいた。ガタイがでかい。
「おい!そこのヘラクレス!」
「・・・・あ〜よく眠った」
「なんだ聞いてなかったのか?」
「ふとんが恋しい・・・」
「トシキらは雑巾のように使われて・・・なんでドクターはお前だけここに来れたんだ?」
「クビだよ。この事務員らと同じ。オレって経験が浅いからな」
「自慢かいや?」
「とにかく懲戒解雇されたってわけ!俺はセンチメンタルなんだぞれ以上は訊くな」
「医者の場合は、ふつう解雇はできんだろ?事務員は毎度でも」
「その・・・いいんだよそれで。オレもどうせ嫌だったんだよ」
慎吾はいい直した。どうやらクビは嘘のようだ。
「自分からか。他の奴らには?相談したのか?」
「・・・・・」
「お前が抜けた分、あいつらだって大変だろうに!」
「・・・・・」
「おい!何か言え!さっきはホントお前・・しっかりしろアホ!」
僕は慎吾に飛びかかった。みな止めようとした。
「おい慎吾!仲間を見捨てて!何の事情か知らんが!」
「お前だって!お前だって乱暴して!事故まで起こして!」
「あれは襲われたんだ!不可抗力だ!抵抗はしたが・・・」
「だとしても!相手は人間だ!暴力なんて医者のすることじゃない!お前だって暴力医者と似たもんだ!」
今さらどうでもいい話題で、慎吾は抵抗した。
僕らは引き離された。僕はゼイゼイ息した。
「はあ、はあ、はあ。鎮静剤の注射を打たれ意識が朦朧になった、あのとき・・・はあ!あのとき思った。自分はこれで終わるのか。意味がなかったのか。何であのときそうしなかったのか。山ほどの後悔が蘇ってでも無感情で・・・泣きそうになった!」
「興奮してるぞ!アタP持って来い!」
「聞け!だからって何の使命があるわけじゃない!十字架なんて背負わない!俺はただ、僻地など行かずにもとの世界へ帰りたい!普通の男の子に戻りたい!」
「(2人以外)わっはっはっは!」
慎吾はしかし傷ついていた。
「いいか!さっきの訂正しろ!俺は仲間を捨ててないって!口が悪くなったぞお前!」
僕ら2人は後ろを振りほどき、かなり離れて座り込んだ。
事務長は遠くから、ため息をついた。横に田中君。
「こんな状態ではとても・・・医者のやる気と連携がなってない」と事務長。
「行く先の病院の医者は1名除いてホントは辞めてんでしょ?」
「そこは名義で埋め合わせてる・・・実質1名だがね・・・やはり頼もうか。<彼女>に!」
ピッポッパッ・・・と暗闇に携帯の派手な電気が点灯した。
「明日、乗り込む。その後にはなろうが・・・」
「女としてのレベルは?」田中君が真剣にのぞきこんだ。
「ハイラベルと思って間違いない」
「おっしゃそしたらがんばるわ!」
プルルル、プルルル・・・・とコール音が外に小さく漏れていた。
ヒラの事務員が、すっかり暗くなった空を見上げた。
「火、けしまーす!」
ペットボトルの水が注がれ、たき火は完全に消えた。
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