ES-MEN 16
2007年8月29日 ビシュー!とマフラーから火が吹き上げ、ドクターカーは発車した。
運転は田中くん、あとは僕とおばさんナース。
僕はひたすら続く田舎道を眺めた。
「こういう組み合わせ、もうヤなんだよなぁ・・・」
「私もです。先生と組むとロクなことがない。あ〜!ええ女やったらなあ〜!おれ、頑張るのに!いい出会いよカモン!」田中君はガムをくっちゃくっちゃ噛んでいた。
「このリストの患者さんらは、前病院からの引き継ぎ?」
「ええ。訪問診療はやめようという意見もあったんですが・・・近所の住民は商店街が主体で」
「商店街の人は病気にならんのか?」
「いえ・・・商店街の住民はみなプライド・資産がなかなか満ち足りてまして」
「?」
「ハカセ病院のほうへ通院・入院してます。あそこのほうが設備があるって。金がある人って大病院志向でしょ?」
「ま・・そうだよな。それに田舎の金持ちはミーハーだしな。だから田舎は人が減るんだよ」
やがて林道のような泥っぽい道になる。右に見える海は・・いやいや。川だ。
田中君はガムを捨てた。
「さ、川に突っ込みますよ!」
「おいやめろ!」
「はは。うそうそ!冗談だんよ〜ん」
ハンドルを右、すぐに左へ。
さらに脇道に。すぐ横の川に沿う。
「ははは。先生を!先生を困らせたぞ!」
「どある・・・川が増水したら、通るなよ!」
「近道なんで」頼りない地図を右手に持っている。
道はさらに細くなり、車の真下がドカドカいいだした。
「岩ですね・・・おっと今度は草だ」
「車!壊れるぞ!」
ついに、車より高い草まで現れた。バキバキバキ、となぎ倒していく。
「いやあ!なんかミクロマンになったような感じ!イーハー!」
「お前。異常だよ・・・」
「<お前>はやめてください!先生に言われたくないです!」
この事務員は臆病になるとハイになる傾向があった。
振り向くと、ナースは驚愕したままうずくまっていた。
何か声をかける必要があった。
「じ、地震だと思えばいいですよ・・・震度4くらいのね」
やっとのこと、車は元のような林道に出れた。
控え目なナースはポツリと喋った。
「往診で、いろいろ経験されてるんですね」
「(2人)そらもう!」
運転は田中くん、あとは僕とおばさんナース。
僕はひたすら続く田舎道を眺めた。
「こういう組み合わせ、もうヤなんだよなぁ・・・」
「私もです。先生と組むとロクなことがない。あ〜!ええ女やったらなあ〜!おれ、頑張るのに!いい出会いよカモン!」田中君はガムをくっちゃくっちゃ噛んでいた。
「このリストの患者さんらは、前病院からの引き継ぎ?」
「ええ。訪問診療はやめようという意見もあったんですが・・・近所の住民は商店街が主体で」
「商店街の人は病気にならんのか?」
「いえ・・・商店街の住民はみなプライド・資産がなかなか満ち足りてまして」
「?」
「ハカセ病院のほうへ通院・入院してます。あそこのほうが設備があるって。金がある人って大病院志向でしょ?」
「ま・・そうだよな。それに田舎の金持ちはミーハーだしな。だから田舎は人が減るんだよ」
やがて林道のような泥っぽい道になる。右に見える海は・・いやいや。川だ。
田中君はガムを捨てた。
「さ、川に突っ込みますよ!」
「おいやめろ!」
「はは。うそうそ!冗談だんよ〜ん」
ハンドルを右、すぐに左へ。
さらに脇道に。すぐ横の川に沿う。
「ははは。先生を!先生を困らせたぞ!」
「どある・・・川が増水したら、通るなよ!」
「近道なんで」頼りない地図を右手に持っている。
道はさらに細くなり、車の真下がドカドカいいだした。
「岩ですね・・・おっと今度は草だ」
「車!壊れるぞ!」
ついに、車より高い草まで現れた。バキバキバキ、となぎ倒していく。
「いやあ!なんかミクロマンになったような感じ!イーハー!」
「お前。異常だよ・・・」
「<お前>はやめてください!先生に言われたくないです!」
この事務員は臆病になるとハイになる傾向があった。
振り向くと、ナースは驚愕したままうずくまっていた。
何か声をかける必要があった。
「じ、地震だと思えばいいですよ・・・震度4くらいのね」
やっとのこと、車は元のような林道に出れた。
控え目なナースはポツリと喋った。
「往診で、いろいろ経験されてるんですね」
「(2人)そらもう!」
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