今は卒試

2007年9月15日
 ・・の時期か。今って資料をファイルでやりとりしてるんだろうな。でも送信で多人数に送れるのはメリットだな。

 僕らの頃は資料を冊子化にしたりコピーで回したり、それはとても時間と金がかかるものだった。大学周囲には当然医学生がたくさん住んでおり、近くのコンビニで見つかった日には・・

(テスト前日のコンビニ)

「お!」
「やあ」(これが私)
「今になって悪あがき?」
「いやいや。こんな資料があるなんて知らなくて。みんな教えてくれよな・・(バイトで欠席が多かった)」

 コピー機から1枚1枚出てくる資料。

「なんか半分が落ちるらしいよ。みんな追試に賭けてるって」
「一夜漬けでやらなきゃ」と私。
「無理無理!絶対無理だって!」
「いや、まだ7時間ある」
「やっても無駄!じゃあな!」

 友人、消える。

 1時間後、先輩(医師)が登場。

「こおんなコピーやってんのか?」
「はい。コピーで朝になりそうです」
「ふむふむ・・・はいはい!」

 あっという間に資料を読んでしまう先輩。

 疲れ切った僕は車に乗り、雨が降ってきたということで先輩が助手席に。

「おい。すまんが乗っけてくれよ」
「はい」

 すると、その先輩は・・・

「あれ、意味分かったか?あれ多分出るぞ」
「えっと・・・」
「しょうがねえな」

先輩は、曇った窓の内側から指でコキコキ書き出した。
「・・で、こうだろ。そしたら・・・」

白紙の僕の頭に、どんどん染み込んでいく知識の数々。

「はあはあ!なるほど!」

 妙に資料を読みたいもどかしさを感じ、本番前3時間で資料を熟読。先ほどの指導と紙の資料が、線で結ばれる。
「ほおほお!そうか!」

 そして本番。インパクトの強い勉強法が奏功した。

 問題を見て思わず・・・
「よし!」
 昨日の友人が、近くで見ている。表情からすると苦戦中。

「・・ふんふんふん!はいはいはい!」と小さく頷く。
 慌てだす周囲。

「ん〜・・・あ!そっか!」
 記述するペンが空腹を満たすように踊りまくる。裏面まで記述。そして・・

「ふぅ!」
 パチン!と置かれるペン。手ごたえを感じた。背伸び。

 そして何度も答案を裏返し・・・何度か手直し。何度か目が合う、試験官。

<やめ!>(終了)

 みな立ち上がり、あちこちで溜息。昨日の友人が近づく。

「なんか、いろいろ書いてたよな!できたのかひょっとして?」
「あのあとすぐ寝たから。たぶんダメ。コピーばっかするから」

 と、小さなウソ。

 徹夜で勉強など、今では考えられない。だが試験という仮想敵国が多いほど、勉強の工夫が編み出せてそれはそれで楽しかった(のちに役立った)。

 前述の<先輩>は、ポリクリなどで知り合った方。クラブ活動でもいいが、こういう先輩方に恵まれるかどうかで試験の合否やその後の人生が大いに左右される。

 なので、卒業試験はまだの医学生たちは・・・実習や飲み会で、先輩たちの話(愚痴)をいろいろ聞いてあげよう!とにかくウンウンでいいから聞いとくべし!今の医師たちは、(言えないが)言いたいことで一杯だからだ。

 今の大人は疲れていて、ウンウンと受け入れてくれる<包容力>に弱い。

 赤ちゃんプレイはいかんぞ。赤ちゃんプレイは!

 

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