サーガマニュアル2007秋 う え お
2007年9月17日□ ウイニング=weaning ・・ 人工呼吸からの離脱を始めること。つまり呼吸器からの強制換気の回数を減らし、徐々に患者の自発呼吸を主体にしていく。
□ 右脚ブロック ・・ 心臓の刺激伝導系のうちの伝導障害であるが、電気が通るのに少し時間がかかるのみで、通常害はない。
□ 右室梗塞 ・・ 心筋梗塞の、下壁梗塞の三分の一に合併する病態。なので?・?・aVFのST上昇時には必ず右側胸部誘導を記録しなくてはならない。
通常は心筋梗塞で被害を受けるのは左心室だけだが、この場合は右心室をも巻き込む。これがあるとないとでは点滴の内容など治療の内容が変わってくる。
□ 右心カテーテル ・・ スワンガンツ・カテーテルで下大静脈圧→右心房圧→右心室圧→肺動脈圧→肺動脈楔入圧を順次測定。5分もかからない。これによって心臓・血管の圧データを記録し心機能を確認。
□ 右心不全 ・・ 心不全といえば通常は左心室の場合、つまり「左心不全」を指すが、右心室に起こすとこう呼ばれる。左心不全から引き続きおこるタイプと(そうなれば両心不全という)、肺の疾患(COPDなど)から続発してなる純粋なタイプがある。
□ ウロ=泌尿器科
□ 運動後急性腎不全=ALPE
<運動誘発急性腎不全>のうち、ミオグロビン尿が検出されないもの。
検出されるものは、ミオグロビン尿性急性腎不全といって、マラソン・登山などの有酸素運動による横紋筋融解が本態。CPK高値を示す。
主として200m走などの無酸素運動で起こる。
痛みは運動後3-12時間後。昼間に大会(そのためか秋に多い)に出て夜間に激しい背腰痛を伴うことが多い。一見、尿路結石と判断されやすい。
痛みの持続は平均5日間。非乏尿性(乏尿の訴えは2割)で腎機能障害は軽度(ある検討では2割が要透析)。造影24-48時間後の単純CT(delayed CTでは、朝顔の開いたような、造影剤がくさび形に残存するという特徴がある。残存は血清クレアチニンが高いほど面積が大きい。この現象は腎血管の攣縮によるものではないかと考えられている。
血液中にミオグロビン・CPKの筋酵素があまり出てこない(正常かけ軽度の上昇にとどまる)理由は、無酸素運動で酷使される筋は白筋線維であり、この線維はミオグロビン含量が少ないことなど。
治療は補液など水分コントロールで対処。痛みに関してはNSAID使用しないよう注意。
□ エアリーク ・・ エアは「空気」、リークは「漏れ」。パンクした自転車のタイヤをバケツに入れるとボコボコ空気が出てくる。つまり気胸で入っているドレーンから、ポコ、ポコと出てくる空気のこと。
□ エクタジア ・・ 「拡張」のこと。呼吸器領域では「気管支拡張症」をこう略すことが多い。
□ 壊死 ・・ 英語では「ネクローシス」。血液が途絶して組織・細胞が死んで機能しなくなる。死んだ細胞は通常復活しない。従って壊死した組織は通常、切除の対象となる。
□ エダラボン ・・ フリーラジカルスカベンジャー。フリーラジカルは脳虚血時に産生されて脳細胞を障害するもので、それを除去するので<脳保護剤>と称される。重度の脳虚血を引き起こしている中心部でなく(ここは手遅れ的)、その周囲のまだ大丈夫だけど虚血が進んできてる領域である<ペナンブラ>を救う。商品名はラジカットで登場はH13.6月と新しい。脳梗塞急性期治療に使用される。腎障害のイエローカードが出され、以後腎機能への配慮が強く呼びかけられている。具体的には血清クレアチニン値で1.3mg/dl以上は慎重投与。病院によって投与基準を設けているところもある。
□ エッセン ・・ ドイツ語で「食事」。めっきり使われなくなった。しかし老年医師、民間ナースにはまだ根強い。
□ エデーマ(edema) ・・ 浮腫。腫れ。むくみ。原因としては心・肝・腎疾患のほか、貧血・甲状腺機能低下や低アルブミン血症など。原因が特定されなければ「特発性浮腫」と診断される。
□ エホチ−ル ・・ 昇圧剤で注射剤。作用は長くは続かない。急に血圧を上げたいときに使う。
□ エンゲージ ・・ カテーテル時の用語で、血管の入り口にカテーテルの先が入ること。
□ 炎症 ・・ 体の組織に外敵(たまに自己抗体だったりもする)が攻撃することにより起こる化学反応。通常は、炎症→発熱→白血球増加として現れ、1日後にCRP上昇、1週間後に血沈上昇という形で現れる。このため炎症が治まる場合、解熱→CRP低下の順となる。
□ エンドポイント ・・ 終了点。検査の負荷時間などで表現される。
□ エンブレル ・・ 関節リウマチの画期的な薬<レミケード>発売後、遅れて発売された新薬(2005年3月)。評価は五分五分。TNF受容体結合蛋白。MTXとの併用はしなくてもいいが、併用のほうが効果高い(しかし肝・腎障害でMTX使用できない人には朗報だ)。またレミケードが静脈注射で病院で行うのに対し、こちらは皮下注射だから自己注射が可能だ。ただ自己負担額がレミケードに比べてかなりかかるのが難らしい。
□ オーベン ・・ 指導医。1・2年目にはオマケとして強制的に付けられる。
□ 「オーベンとよく相談して」 ・・ 医局長ら上層部の人間がコベンにかける、ナンセンスな言葉。たいていこの後用事があって、逃げのためにかける言葉だ。
□ 嘔吐 ・・ オエッ、と吐くこと。女性では妊娠も念頭に。反射的に納盆を準備するべし!便のような匂いの場合は腸閉塞も疑う。
□ オウム病 ・・ オウムに限らず鳥類(インコが6割)から由来で菌(C.psittaci=クラミジア・シッタシ)を吸入し感染し肺炎を起こす。マイコプラズマと同じく異型肺炎の1つ。異型肺炎の中でも重篤な経過をとることがあり、初期治療を誤ると致死的な経過をとることもある。肺炎における問診での、トリの飼育歴は重要なのだ。疑わしければ入院の上ミノサイクリンの点滴を即開始することになる。
□ オプソニン化 ・・ 好中球が菌を貪食するその過程において、菌に対する補体・抗体が結合すること。これにより好中球が菌を認識することが可能になる。免疫グロブリン製剤にもこの増強作用がある(特異抗体が菌に結合)。
□ 「オレに謝るな!患者に謝れ!」 ・・ 研修医がよく上級医より浴びせられる言葉。謝っても(こっちの気が)済まないよ、という意味。
□ 卸(おろし) ・・ 薬や物品を病院へ運びこんでくる運送業者。病院と薬品・医療機器などの業者を絶えず行き来するため情報屋として暗躍している者も多い。合コンなどのイベントの開催などもよく受け持つ。
□ お山の大将 ・・ 開業医を皮肉った言葉。スタッフの少ない小さい開業医でも、内部は絶対王政であり、たとえ彼が非常識でも<ドン>なのだ。
□ オンコール ・・ 当直ではないが、呼ばれたらいつでも来れるよう義務付けられる当番。通常は30分以内に駆けつける必要あり。
□ 右脚ブロック ・・ 心臓の刺激伝導系のうちの伝導障害であるが、電気が通るのに少し時間がかかるのみで、通常害はない。
□ 右室梗塞 ・・ 心筋梗塞の、下壁梗塞の三分の一に合併する病態。なので?・?・aVFのST上昇時には必ず右側胸部誘導を記録しなくてはならない。
通常は心筋梗塞で被害を受けるのは左心室だけだが、この場合は右心室をも巻き込む。これがあるとないとでは点滴の内容など治療の内容が変わってくる。
□ 右心カテーテル ・・ スワンガンツ・カテーテルで下大静脈圧→右心房圧→右心室圧→肺動脈圧→肺動脈楔入圧を順次測定。5分もかからない。これによって心臓・血管の圧データを記録し心機能を確認。
□ 右心不全 ・・ 心不全といえば通常は左心室の場合、つまり「左心不全」を指すが、右心室に起こすとこう呼ばれる。左心不全から引き続きおこるタイプと(そうなれば両心不全という)、肺の疾患(COPDなど)から続発してなる純粋なタイプがある。
□ ウロ=泌尿器科
□ 運動後急性腎不全=ALPE
<運動誘発急性腎不全>のうち、ミオグロビン尿が検出されないもの。
検出されるものは、ミオグロビン尿性急性腎不全といって、マラソン・登山などの有酸素運動による横紋筋融解が本態。CPK高値を示す。
主として200m走などの無酸素運動で起こる。
痛みは運動後3-12時間後。昼間に大会(そのためか秋に多い)に出て夜間に激しい背腰痛を伴うことが多い。一見、尿路結石と判断されやすい。
痛みの持続は平均5日間。非乏尿性(乏尿の訴えは2割)で腎機能障害は軽度(ある検討では2割が要透析)。造影24-48時間後の単純CT(delayed CTでは、朝顔の開いたような、造影剤がくさび形に残存するという特徴がある。残存は血清クレアチニンが高いほど面積が大きい。この現象は腎血管の攣縮によるものではないかと考えられている。
血液中にミオグロビン・CPKの筋酵素があまり出てこない(正常かけ軽度の上昇にとどまる)理由は、無酸素運動で酷使される筋は白筋線維であり、この線維はミオグロビン含量が少ないことなど。
治療は補液など水分コントロールで対処。痛みに関してはNSAID使用しないよう注意。
□ エアリーク ・・ エアは「空気」、リークは「漏れ」。パンクした自転車のタイヤをバケツに入れるとボコボコ空気が出てくる。つまり気胸で入っているドレーンから、ポコ、ポコと出てくる空気のこと。
□ エクタジア ・・ 「拡張」のこと。呼吸器領域では「気管支拡張症」をこう略すことが多い。
□ 壊死 ・・ 英語では「ネクローシス」。血液が途絶して組織・細胞が死んで機能しなくなる。死んだ細胞は通常復活しない。従って壊死した組織は通常、切除の対象となる。
□ エダラボン ・・ フリーラジカルスカベンジャー。フリーラジカルは脳虚血時に産生されて脳細胞を障害するもので、それを除去するので<脳保護剤>と称される。重度の脳虚血を引き起こしている中心部でなく(ここは手遅れ的)、その周囲のまだ大丈夫だけど虚血が進んできてる領域である<ペナンブラ>を救う。商品名はラジカットで登場はH13.6月と新しい。脳梗塞急性期治療に使用される。腎障害のイエローカードが出され、以後腎機能への配慮が強く呼びかけられている。具体的には血清クレアチニン値で1.3mg/dl以上は慎重投与。病院によって投与基準を設けているところもある。
□ エッセン ・・ ドイツ語で「食事」。めっきり使われなくなった。しかし老年医師、民間ナースにはまだ根強い。
□ エデーマ(edema) ・・ 浮腫。腫れ。むくみ。原因としては心・肝・腎疾患のほか、貧血・甲状腺機能低下や低アルブミン血症など。原因が特定されなければ「特発性浮腫」と診断される。
□ エホチ−ル ・・ 昇圧剤で注射剤。作用は長くは続かない。急に血圧を上げたいときに使う。
□ エンゲージ ・・ カテーテル時の用語で、血管の入り口にカテーテルの先が入ること。
□ 炎症 ・・ 体の組織に外敵(たまに自己抗体だったりもする)が攻撃することにより起こる化学反応。通常は、炎症→発熱→白血球増加として現れ、1日後にCRP上昇、1週間後に血沈上昇という形で現れる。このため炎症が治まる場合、解熱→CRP低下の順となる。
□ エンドポイント ・・ 終了点。検査の負荷時間などで表現される。
□ エンブレル ・・ 関節リウマチの画期的な薬<レミケード>発売後、遅れて発売された新薬(2005年3月)。評価は五分五分。TNF受容体結合蛋白。MTXとの併用はしなくてもいいが、併用のほうが効果高い(しかし肝・腎障害でMTX使用できない人には朗報だ)。またレミケードが静脈注射で病院で行うのに対し、こちらは皮下注射だから自己注射が可能だ。ただ自己負担額がレミケードに比べてかなりかかるのが難らしい。
□ オーベン ・・ 指導医。1・2年目にはオマケとして強制的に付けられる。
□ 「オーベンとよく相談して」 ・・ 医局長ら上層部の人間がコベンにかける、ナンセンスな言葉。たいていこの後用事があって、逃げのためにかける言葉だ。
□ 嘔吐 ・・ オエッ、と吐くこと。女性では妊娠も念頭に。反射的に納盆を準備するべし!便のような匂いの場合は腸閉塞も疑う。
□ オウム病 ・・ オウムに限らず鳥類(インコが6割)から由来で菌(C.psittaci=クラミジア・シッタシ)を吸入し感染し肺炎を起こす。マイコプラズマと同じく異型肺炎の1つ。異型肺炎の中でも重篤な経過をとることがあり、初期治療を誤ると致死的な経過をとることもある。肺炎における問診での、トリの飼育歴は重要なのだ。疑わしければ入院の上ミノサイクリンの点滴を即開始することになる。
□ オプソニン化 ・・ 好中球が菌を貪食するその過程において、菌に対する補体・抗体が結合すること。これにより好中球が菌を認識することが可能になる。免疫グロブリン製剤にもこの増強作用がある(特異抗体が菌に結合)。
□ 「オレに謝るな!患者に謝れ!」 ・・ 研修医がよく上級医より浴びせられる言葉。謝っても(こっちの気が)済まないよ、という意味。
□ 卸(おろし) ・・ 薬や物品を病院へ運びこんでくる運送業者。病院と薬品・医療機器などの業者を絶えず行き来するため情報屋として暗躍している者も多い。合コンなどのイベントの開催などもよく受け持つ。
□ お山の大将 ・・ 開業医を皮肉った言葉。スタッフの少ない小さい開業医でも、内部は絶対王政であり、たとえ彼が非常識でも<ドン>なのだ。
□ オンコール ・・ 当直ではないが、呼ばれたらいつでも来れるよう義務付けられる当番。通常は30分以内に駆けつける必要あり。
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