□ 介護意見書 ・・ 医療サービスを受けるにあたって必要な介護認定のため、医者が患者のために作成する書類。重症度が高いほど、サービスが受けられローコストで済む。どの級にあたるかは書類提出後1ヶ月要する。患者が判定に意義があれば、書き直しの依頼OK。

□ 介護マンション ・・ 賃貸契約のマンションの個室に住むと同時に医療的なサービスが居ながらにして受けられるサービス。家賃・食費は自己負担。定期の診察は医師の往診という形で行われる。プライベートな個室のため、病院や老健のような突然の干渉が立ち入ることはない。現在あちこちで建設が行われているが患者の争奪戦がすさまじい。

□ 開放骨折

・ 骨折部と外界が交通するもので感染の危険がある。感染防止・デブリドマンが重要。
・ デブリドマンが終了した時点でGustilo分類(タイプ? 創1センチ以内でキレイ、タイプ? 創1センチ以上だが軟部組織損傷軽度、タイプ?は広範囲の軟部組織損傷でA/B/Cがあり、Aは広範囲だが軟部組織でなんとか覆える、Bは骨膜剥離や骨の露出まで伴うもので汚染創伴う、Cは修復要の動脈損傷を伴う)を行う。
・ タイプ?では一次的に縫合を行わず創を開放し数日後(1週間前後が多い)に縫合閉鎖するか、皮膚移植などを行う。
・ まずは創の圧迫止血、被覆、固定。受傷後6-8時間までは新鮮創として治療しうるgolden hourとされ、これまでに徹底的なデブリドマンを行うのが理想。
・ 抗生剤はタイプ?・?ではセフェム系、?ではさらにアミノグリコシドを併用。場合により破傷風トキソイド・抗破傷風ヒト免疫グロブリン投与。
・ 創の消毒液洗浄、生食洗浄。汚染組織の切除。
・ 保存的固定(ギプスなど)は創が観察しにくく固定性不十分でほぼ適応なし。創外固定法が一般的。軟部組織が治癒すれば本格的内固定へ。ただし高度の損傷(タイプ?B/C)には創外固定を行う。

□ 潰瘍性大腸炎=UC ・・ 大腸の慢性炎症性疾患。血の混じったネバい便・下痢を繰り返す。診断は大腸内視鏡。薬物で治療できる例も多いが、重症だと外科切除になることも。癌の合併に注意。

□ 過活動膀胱(OAB) ・・ 尿意切迫感(いきなりの急な尿意)、それと同時または直後の切迫性尿失禁、日中・夜間頻尿などの症状を包括したもの。つまり特徴ある自覚症状を集めた病名で、新しく発見された病気ではない。神経疾患(脳卒中関係・脊髄関係)でないことの問診確認、尿検査による腎疾患の除外の上で残尿量の測定(ただし残尿50ml以上なら専門医紹介)を行い、確実な診断にたどりつく。治療の主体は抗コリン薬(排尿筋の収縮抑制)。2006年6月より新薬の抗コリン薬が発売されており、副作用(口渇・便秘)がより少ないといわれている。男性では前立腺肥大の合併が多いので投与は要注意。

□ 風邪=感冒=感冒症候群=かぜ症候群=急性上気道炎 ・・ 9割がウイルスで治療いまだになし。咳や痰への対症療法でしのぐ。通常は1週間かかって自然軽快する。ただし残り1割の細菌感染では抗生物質が必要。この場合、薬が効けば治るのはむしろ早いことあり。
 なお高熱(39℃以上)・鼻汁・痰が黄色・緑色、咳がひどすぎ・・・の場合は市販の薬では不十分かもしれないので、病院または知り合いの医者へ。なお、風邪が胃腸に悪さして下痢などを起こすと「感冒性胃腸炎」と呼ばれる。食中毒もひっくるめれば「感染性腸炎」と一括される。

□ 過換気発作=ハイパーベンチレーション=ハイパーベンチ ・・ ヒステリーなどがきっかけで起こる頻呼吸。手足のしびれも伴う。二酸化炭素が激減するので紙袋呼吸でほどよく増やす。

□ 下垂体機能低下症

● 総論

○ 原因(頻度順)

? 下垂体腺腫(3割弱)
? 頭蓋咽頭腫(1割強)
? 胚芽腫
? 髄膜腫

○ ホルモン別(頻度順)

? ACTH分泌低下症 ・・ 血中コルチゾール、尿中遊離コルチゾールも測定。負荷試験ではCRH試験、インスリン試験。
? TSH分泌低下症 ・・ f-T3 , f-T4も測定。負荷試験ではTRH試験。
? ゴナドトロピン分泌低下症 ・・ 男性ではテストステロン、女性ではエストラジオールを測定。負荷試験はLH-RH試験。
? GH分泌低下症 ・・ 血中IGF-Iも測定。負荷試験はGRH試験、インスリン低血糖試験、アルギニン試験、L-dopa試験、クロニジン試験。

・ 下垂体腺腫ではACTH分泌低下症、TSH分泌低下症、ゴナドトロピン分泌低下症が多く、頭蓋咽頭腫・胚芽腫では視床下部・下垂体茎が障害されることもありADH分泌障害→尿崩症の合併が多い。

● 各論

○ ACTH分泌低下症
・ 症状 ・・ コルチゾール低下による倦怠感、易疲労性、食欲不振、低血糖、低ナトリウム血症
・ 検査 ・・ 血中コルチゾール低値、尿中遊離コルチゾール排泄低下、血中ACTH高値示さず
※ 視床下部性の場合はCRHの1回または連続投与でACTH反応正常のことあり。
※ 迅速ACTH負荷試験において、原発性副腎不全 ・・ 血中コルチゾール無反応
                    ACTH分泌低下症 ・・ 血中コルチゾール低反応

 ・ ACTH単独欠損症 ・・ ACTH分泌低下症の1割程度。50歳代最多。原発性甲状腺機能低下、1型糖尿病、原発性性腺機能低下症が合併することあり。
                 検査では低ナトリウム血症、血漿浸透圧低下、貧血もみられる。抗甲状腺抗体、抗下垂体抗体が3割の頻度。

○ 自己免疫性視床下部下垂体炎 ・・ 下垂体にリンパ球・形質細胞が浸潤して生じる慢性の炎症性疾患。以下の2つに分かれる。

  ?リンパ球性下垂体前葉炎 ・・ 炎症が前葉に限局。
  ?リンパ球性漏斗下垂体後葉炎 ・・ 炎症が視床下部漏斗部〜下垂体後葉にあり。

?リンパ球性下垂体前葉炎
・ 女性に多く妊娠末期・分娩後の発生が多い。
・ 症状
 ? 腫瘤による圧迫 ・・ 頭痛、視野障害
 ? ACTH・TSH分泌障害による症状
 ? ゴナドトロピン・TSH分泌障害による症状 ・・ 無月経、乳汁分泌不全 、性欲減退
・ 中でもホルモン別頻度ではACTH分泌低下が最多。
・ 画像では8-9割に下垂体の腫大がみられる。
・ MRIでは下垂体腫瘤はT1画像でやや低信号、ガドリニウムにより早期で均一な造影効果あり。

?リンパ球性漏斗下垂体後葉炎
・ 症状 ・・ ADH分泌不全による中枢性尿崩症。下垂体前葉ホルモンはほぼ正常。
・ MRIでは下垂体茎や後葉の腫大を認めるが自然消退することが多い。
・ 従来、<特発性尿崩症>といわれていたのが本疾患であると指摘された。

?・?ともにすべての所見に加え、下垂体生検をもって確実例とする。
生検がなければ疑い例として扱う。なのでほとんどは疑い例としてフォローされるのが現状。

治療 ・・ 下垂体腫大が著明で圧迫症状があればプレドニゾロン換算1mg/kg/dayを投与し、症状改善とともに漸減する。

○ (成人)GH分泌不全症
症状 ・・ 身体組成変化(筋力低下、骨密度減少)、心血管危険因子増大(LDL-C↑、TG↑、HDL-C↓)、運動・活動能力低下、精神障害
検査 ・・ GH分泌刺激試験でGH<5ng/ml(重症例では<3ng/ml)でありGH含め複数の下垂体ホルモン分泌低下をみる。
治療 ・・ GHとそれ以外のホルモンも補充要。

□ 下顎呼吸 ・・ あたかも水面に顔を出そうとするように、顎を上げながらする浅い呼吸。この場合胸の筋力を使った呼吸はできておらず、むしろ呼吸自体が「抑制」された状態であることが多い。したがって挿管→人工呼吸器管理の適応となる。

□ 隔日投与(かくじつとうよ) ・・ (ステロイドに多いが)内服を1日おきに飲むこと。副作用を避ける名目だが、連日(毎日)投与に比べて副作用が実際少ないとするデータはない。

□ 喀痰細胞診 ・・ 痰の中に癌細胞がないか見る。肺の中の腫瘍の部位によっては必ずしも痰には出てこない。クラス?から?の5段階。?・?は陰生、?は悪性。

□ 喀痰培養 ・・ 痰の中の菌を調べる。結核菌を入れる場合と入れない場合あり。結核菌なしなら結果まで1週間。結核含むなら2ヶ月間待つ必要がある。

□ 下行大動脈 ・・ 心臓から出た血液が上行大動脈(上向き)→大動脈弓(首付近でUターン)へと進み、腹部大動脈へと進んでいく大動脈の部分。背中の脊椎に沿う。

□ 拡張機能不全 

 慢性心不全患者の4割が、心臓収縮能が正常なのに拡張能が落ちている、いわゆる拡張不全の病態だと指摘されている。

 心臓の拡張不全のメカニズムはまだ詳細が確立されていない。

 超音波ドプラーで「推定」するのは可能。心筋コンプライアンス低下→肺静脈圧上昇→肺うっ血へと進む。うっ血を取るため利尿剤が第一選択。

 拡張不全の治療方針のガイドラインはまだない。なので扱いはマニア的。大規模試験で検討中の段階。

□ 可視範囲 ・・ 自分にとって見えた範囲では。「見えなかったところは知らない」、という意味にも取れる。

□ 下大静脈 ・・ 首・右腕からの上大静脈と合流して心臓へ流れていく静脈。超音波検査で計測される最大径は1.5cm以下が正常。

□ 喀血 ・・ 咳とともに血が出る。まず肺結核の除外が必要。外来職員はマスク・手袋で対処。
 
□ 家庭血圧計 ・・ ホームセンター・電気店で売っている血圧計。心臓に近い場所での計測が好ましいので、手首用より肘用のほうが正確。測定は起床30分後と寝る前が望ましい。ただこの器械、1年くらいで故障してしまうのが難点。

□ カテ熱=中心静脈カテーテル感染 ・・ 中心静脈栄養カテーテル経由で菌が侵入、血中に混入し高熱を来たした状態。血液培養かカテーテル先端培養で証明できることもある。抗生剤投与以前にカテーテルの抜去が好ましいが、そこは主治医の考えとそのときの事情による。入院患者のカンジダ血症の最も多い原因が、この中心静脈カテーテル感染である。

□ カテラン(針) ・・ 細くて長い針。麻酔用に使用する。「パルプフィクション」みたいに蘇生で使用することもある。誤穿刺=針刺し事故に注意を。

□ 稼働率(かどうりつ) ・・ ベッドの回転率。患者1人あたりの入院日数(在院日数)を反映する。病院としては回転率が高いほど収益が上がる。院長・婦長の能力そのものが反映される。官公立の病院では彼らの能力の1つとして評価される。

■ 過敏性腸症候群=IBS=irritable bowel syndrome ・・ 1960年代にそう呼ばれるまでは、大腸炎→刺激結腸と呼ばれていた。各国につき15%いると考えられている。

 ストレスを背景とした慢性便通異常+腹痛があり排便で改善、かつ検査(採血・注腸や内視鏡画像)で異常がない病態。

 つまり症状は視床下部CRH由来の腸管運動亢進による<便通異常>と、腸壁緊張亢進+腸管炎症に起因する内臓知覚過敏による<腹部症状>の2本立て。これらがストレス負荷で出現し、排便で改善する。

 最近(2006年)、専門グループ<ローマ委員会>によりこの診断基準<Rome II>が<Rome III>へと改訂された。下痢の定義がこれまで回数重視だったのが、便の形状という概念が新しく加わったのが特徴。

<Rome III診断基準>

 過去3か月間、月に3日以上にわたって腹痛や腹部不快感(具体的には週に2日以上)が繰り返し起こり、次の項目の2つ以上がある。
1.排便によって症状が軽減する
2.発症時に排便頻度の変化がある
3.発症時に便形状(外観)の変化がある

 ・・とあるが、実際はこれに無理矢理あてはめる必要はない。

 ストレスが背景にあると考えられ、実際腸にはグレリン(摂食ホルモン)・セロトニンなどの脳内物質(つまり脳に影響)が多く分布する。最近の治療ではセロトニン4受容体のアゴニストがトピックスで、腸管への刺激の閾値を上げる機序が考えられている(日本は未認可)。

 一般的な治療は食事・生活習慣改善、内服薬(高分子ポリマー・消化管運動調整薬・乳酸菌製剤・抗コリン薬・緩下剤)。心療内科で心理評価を加えるのが望ましい。

 なお精神心理症状(不安・抑うつ)の合併も多く見受けられる。

□ カフ ・・ 気管内チューブと気管をスムーズに密着・固定させるための風船部分。空気を入れて膨らませる。

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