□ 高圧的 ・・ 有無を言わさない、生意気で圧倒的な態度。よくあるのは目上が目下に取る、極端な態度。攻撃的な意味でも使用。

□ 抗HIV薬 

 種類は大きく2つ。

?逆転写酵素阻害剤(さらに核酸系<DNA合成時に巻き込まれ阻害>=NRTIと非核酸系<逆転写酵素にひっつき阻害>=NNRTIとに分かれる)

?プロテアーゼ阻害剤<HIV蛋白質を切り取る役目のプロテアーゼを阻害>=PI。

?の2つと?を加えた合計3つは3本柱といわれている。

※ 逆転写酵素:HIVが細胞に侵入したあと自己の遺伝情報をRNA→DNA変換する際に必要なもの。

 1997年より、これらを複数組み合わせた多剤併用療法(HAART=Highly Active AntiRetrovial Therapy)   :   現実的には3-4種類で、基本的にはNRTIから2つ、NNRTIかPIから1つ以上選ぶのがスタンダード  :   が始まってからは、死亡者数が激減、社会復帰例も増えているという。この3-4種類という多さには、単剤だと変異をきたしやすいウイルスのその確率を減らして、耐性を防ぐという意味がある。

 さらに第4の柱として期待されているのが、現在第?b臨床試験まで進んでいる「AK602」だ。細胞表面でウイルスが本来結合する、ヒト側受容体CCR5という蛋白部位をこの薬剤で先に結合させ、ウイルスを侵入口でシャットアウトするというもの。上記3種類とは全く違う内容の薬だ。

□ 講演会 ・・ 通常はMRがスポンサーとなり、教授ら上層部の人間による説明・講演が行われる。スポンサーがいるため、内容はそれを考慮した上でのものになりがち。従って、安易に鵜呑みにすべきでない。

□ 抗核抗体 ・・ 膠原病のときなどに上昇する、自己抗体。陽性でも意義が不明のときもある。

□ 高カリウム血症 ・・ カリウム(K)が血液中に増加した状態。極度に高いと徐脈・心停止すらきたす。Kを含む高カロリー輸液は中止し、具体的にはKN1AなどのKフリー輸液+アミノ酸+50%TZなどの組み合わせにする必要に迫られる。職場では「高カリ」と略される。心電図異常を認めるような例では早急に下げる必要がある。グルコン酸カルシウム(=カルチコール)静注、G-I(グルコース・インスリン)療法・・10%TZ 500mlに対してレギュラーインスリン(速効性。名称に「R」がついてるもの、たとえばノボリンRやヒューマリンRなど)10単位を混注して2-3時間投与、重炭酸のほか陽イオン交換樹脂など。

□ 高カルシウム血症 ・・ カルシウムが高いかどうか評価する前に、できればアルブミン値で補正すべき(簡易法:血清カルシウム値+4−アルブミン値)。14mg/dlを超える場合は急死の可能性あり、急いで治療する。高カルシウムといえばQT延長が有名だが、16mg/dlくらいにまでならないと出現しないそうなので、こればっかりアテにしてもいけない。治療は?脱水の補正、と?カルシウムの排泄促進の2本柱。よって生食の大量投与(200-400cc/hr)と利尿剤投与が原則治療だ。一般にカルシウム13mg/dl以下は生食大量のみ、それ以上は利尿剤を追加すべき。

□ 高カロリー輸液=IVH=TPN ・・ 栄養状態の悪い人、特に低アルブミン血症の冠患者さんに使用される。手・足のオモテの浅い血管からする「末梢輸液」とは区別される。高カロリーの
場合は?頸部、?鎖骨上または下部、?そけい部 のいずれかから投与。深い静脈からいくので。末期的な状態での投与は逆に一般状態の悪化を招くとされている。
 

■ 高血圧(HT)=ハイパーテンション=ハイパテ 

 血圧が高い人をさすが、病院でだけ血圧が高い「白衣高血圧」に注意。自宅には1台血圧測定器が必要。噂では1年で壊れるらしいが。手首で測定する器械は心臓から遠いのでやめとこう。

 高血圧の9割は本態性高血圧といって、これといった原因がないもの。残り1割が何らかの原因がある二次性高血圧と呼ばれるもの。

 二次性のうち最も多いのが原発性アルドステロン症で、クッシング、褐色細胞腫が続き、いずれも副腎病変で外科治療による治癒が可能。見逃さないため、高血圧患者ではレニン・アルドステロン・コルチゾールを測定すべき(なるべく午前中で安静臥位30分後以降)。

※ 日本高血圧学会による「高血圧ガイドライン2004」における降圧目標
? 高齢者:140/90mmHg未満
? 若年・中年者:130/85mmHg未満
? 糖尿病・腎障害患者:130/80mmHg未満

※ 脳梗塞急性期に関して ・・ 生体のストレス反応として血圧は上昇、1-2週間で正常に戻ってくるパターンが多い。

※ ガイドラインは年々変遷がみられており、最新ではJSH2004をhttp://www.cardiovascular.jp/jsh.html参考に。

※ 最近では欧州高血圧学会(ESH)のガイドライン2007年版がトピックス。合併症に新たにメタボが追加、また腎疾患も追加。治療ではα遮断薬が第一選択から外され、β遮断薬は心血管イベント抑制効果が弱いと評価が落ちたもののかろうじて(第一選択に)残った。

□ 高血圧緊急症

 JSH2004という最新の基準では、病気別に使用が推奨される薬剤が決められた。いずれも持続静注。
・ 大動脈解離→ニトログリセリン、二トロプルシド、ニカルジピン(以上の3つはβ遮断薬も併用)、ジルチアゼム。
・ 急性心筋梗塞→ニトログリセリン、ジルチアゼム
・ 急性左心不全→二トロプルシド

※ 

● ニトログリセリン:ミリスロール、ニトロール

● ニカルジピン:ぺルジピン
    以下のときは禁忌! → 頭蓋内出血で止血完了してない場合の出血助長、脳卒中急性期の頭蓋内圧亢進がある場合
 
● ジルチアゼム:ヘルベッサー

□ 脳梗塞急性期における抗血栓療法 

? 血栓溶解療法

・ 経静脈法 ・・ 発症3時間以内の超急性期t-PA投与で予後改善、つまり有効というデータが海外で出たわけだが出血合併症が多く、投与量や投与基準などが明確でない。

・ 経動脈法 ・・ 一部の施設でt-PAの選択的投与(つまりカテーテル経由で病変部のみを狙った)の優れた有効性が報告されているにとどまる。

? 抗凝固療法

・ ヘパリン ・・ 様々な研究の結果、無効であることがわかっている。ただし凝固異常疾患があるとか心疾患があって、血栓予防が必要なケースは別。

・ 低分子ヘパリン ・・ ヘパリンより出血の副作用は少ない。が、有効性は証明されているわけではない。

・ アルガトロバン ・・ 選択的抗トロンビン薬。ヘパリンとは違って血栓成分を狙って作用するので出血性の合併症が少ない。発症48時間以内の脳血栓(特に皮質梗塞)に有効。7日間投与。

※ 保険適応ではないがt-PAを使用した場合、24時間以内は抗凝固療法は控えるべきとされている(脳卒中ガイドライン2004)。

? 抗血小板療法

・ オザグレルナトリウム・・ 選択的トロンボキサンA2合成酵素阻害薬。トロンボキサンA2は血小板凝集作用と血管収縮作用をもつ。これを阻害することで抗血小板作用、血流増加作用をもたらす。発症後の運動麻痺の改善が証明されている。

・ アスピリン ・・ 160-300mg/dayを発症後48時間以内投与に開始すれば再発↓、予後↑という結論。出血の合併症も少ない。

・ 抗GP?b/?a抗体 ・・ 血小板膜蛋白の抗体。まだ認可されていない。 

□ 抗コリン薬 

 吸入薬の1つ。従来のものは1日3〜4回と面倒くさく効果もあまり期待されてなかったが、2005年発売のチオトロピウム、つまりTiotropium bromide(スピリーバ)はかなりの効果だ。機序的にはムスカリン受容体であるM3を阻害する。吸入30分後に気管支拡張、しかも1回の吸入で24時間効果が持続、3ヵ月後での長期連用でも効果に衰えがない。副作用もこれといってなく、呼吸器科医が久しぶりに褒めたたえた薬。

※ 抗コリン薬はCOPDの治療に特に期待できる。というのは気道収縮に関与するのは喘息では炎症由来の化学物質である一方、COPDでは迷走神経由来のアセチルコリンのほうだからだ。

※ ムスカリン受容体にはM1,M2,M3の3つがありM3阻害により気管支平滑筋の拡張がおこる。従来の抗コリン(アトロベント、テルシガン)は選択性がなく、新薬はM3のみを選択阻害する。

□ 高山病 ・・ 以下の3つに分けられる。進行すると?→?→?へと進んでいく。登山開始12-24時間前からアセタゾラミド(ダイアモックス)を1日1-2回内服させるのも予防の1つ。

? 山酔い ・・ 頭痛と、以下の症状から1つあればそう→嘔気、食欲不振、倦怠感、脱力、めまい、立ちくらみ、睡眠障害。
? 高地肺水腫 ・・ 息切れや呼吸困難が出現。
? 高地脳浮腫 ・・ 意識障害やヨッパライ歩行まで加わった場合。

□ 抗CCP抗体=抗環状シトルリン化ペプチド抗体 ・・ 関節リウマチに特異的な抗体で早期診断に有用。RF(リウマトイド因子)のリウマチへの特異度は75%と満足すべきものではなかったが、本検査では95%以上とかなり高い(感度は80%これはRFと同様)。特にRF陰性段階でのリウマチも本抗体陽性例があり(30-50%)、早期発見に向く。実際これが陽性であれば骨・軟骨破壊が進行することが分かっている。ここ1年され始めた検査。リウマチ疑いだがRF陰性例の患者は測定してみる価値が大いにあり・・と思ったらまだ保険適応になってないので注意。

※ 関節リウマチに関連する遺伝子由来のPADI酵素には、アルギニン→シトルリン変換をする働きがある。このシトルリン化蛋白を認識する抗体が本抗体であると分かった。

□ 構語障害=構音障害 ・・ 口がもごもごして何を言っているのかシドロモドロの状態。脳卒中による後遺症の場合こう表現。言語リハビリ医師がいるかどうかがポイント。あまりいないが。

□ 好酸球(こうさんきゅう) ・・ 白血球の一部。アレルギー・喘息で増えることが多いが、寄生虫疾患など他にも原因は多い。

□ 高脂血症 ・・ 高コレステロール血症、高脂肪症の総称。正常値はコレステロールの場合220mg/dl、中性脂肪では150mg/dl。

□ 好中球 ・・ 白血球の中の1つ。細菌感染から身を守る。少ないと細菌感染にかかりやすい。減少するのは重症の肺炎、
抗癌剤の副作用などで。またチクロピジンの副作用で減少することも。好中球を増やすための注射がG-CSF。

□ 抗生剤=抗生物質=AB剤=抗菌剤 ・・ 菌を殺す目的の内服または注射剤。薬局では売ってない。肺炎や尿路感染などで使用。ペニシリンアレルギーに注意。使いすぎで最近出てきた手ごわい菌が「耐性菌」。

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